Ymi:no
2025-04-24 07:02:51
3484文字
Public ビマヨダツイまとめ
 

熊の子ビーマ子育て日記(ツイまとめ)

熊と人間のハーフ(交配種)のビーマと現代人のわし様のビマヨダ子育てコメディ

"ペット"といえば元来の動物だけではなく、人間と動物の交配種(自然現象ではなく人工的なもの)をも指す世界線において、初めて熊との間に産まれた子がいた
その子は世界初という賞賛の裏腹、片方の遺伝子が熊であるという事情から引き取り手がいないままだった
そういうペットたちを一時保護する施設に勤めているわし様の弟・ドゥフシャーサナは、いずれ殺処分になるであろうこの子の対処に頭を悩ませていた
が、割とロクデナシな気のある彼は早々に見切りをつけ、「まあ兄貴ならどうにかするだろ!」
と彼の兄であるわし様に丸投げすることにした
兄に「渡したい物がある」とアポを取ったドゥフシャーサナはわし様の家にその子を連れていき、目を白黒させている兄の腕に子どもを押し付けるとさっさとトンズラこいた
残された、熊の耳としっぽを持った1~2歳くらい子に途方に暮れるわし様
こうしてここに熊と人の子を抱えたアラサー社長が爆誕したのであった
とりあえず弟は後ほど〆るとして、この腕の中の命をどうしたものかと頭を捻るわし様
相応の金を握らせれば誰かしらが育てるだろうと考えつつ顔を見れば、浅黒い肌に紫の髪、ビー玉のようにつるんとした水色の瞳がきょとんとこちらを見上げている
「ヴッ」
わし様はこのペットというものが嫌いだった
人間と同じ顔、同じ身体を持つ存在を、まるで犬猫のように扱うのが尊厳を踏み躙られているようで気に入らなかった

じぃとこちらを見つめる瞳は、人の子のそれである
(まあ、手に負えなくなればその時はその時か)
そんな適当な考えと、無垢な瞳の圧に押されたわし様はこの子を育てることにした
わし様はこの子を育てるにあたって、ひとつのルールを設けた
それは"人間と同じように育てる"ということ
まずはこの子に人として生きるに相応しい名前をつけよう
自身の名はとある神話のファンだった母が名付けたもので、そしてその神話の中の自分には、自分を打倒する好敵手がいたという
熊であるこの子には、自分を凌ぐほどの剛力を持つというその名が良いだろう
なんとなく腹立たしいような気もしたが、それよりもやはり腹落ちするという謎の自信からそのまま命名した
次に服を見繕った
しっぽが尾骶骨の上にちょんと丸く乗っているため、おむつ選びには悩んだものの、それ以外は人の着るものから選んだ
食事も粉ミルクから飲ませ、少しずつ離乳食に慣らしと、人の食事を与えた
「ふぅむ」
「ゥルル?」
喉の形状の問題なのかそれとも本能なのか、人語は残念ながら喋れなかったが、言葉の意味はなんとなく理解できているようだった
首輪だけは法のために付けさせる必要があったが、これもシルクのチョーカーにファンシーブルーをあしらったものを身につけさせた
「グルルッ」
「それを外せば、お前はここを出ていかねばならんぞ」
「?!」
真っ青な顔でこちらを見あげる幼い姿に、なんとなく溜飲が下がったのは秘密である
そんなこんなですったもんだの末、社長業の傍らに育てた子は気がついたら18歳になっていた
熊の尺度であれば18といえばとうに大人だが、どう作用したのかこのペットたちは人間と同じような成長の仕方をした
「お前ももう大人と呼べる歳になったのだな」
「ゥウ」
むにむにと両手で頬を撫でてやると、端正な顔がふわりと緩む
膝の周りをうろちょろしていたこの子も、気がついたら自分の身長を超えてしまっていた
「そうかそうか。では、お前の嫁を探しに行くとしよう」
「???」
未だになぜそのようなことになっているのか理解し難いが、法では彼らにつがいを宛てがう会が開かれることになっていた
お前たちは人工物ではなかったか? つがいを持つ意味とは? と謎は尽きないものの、弟が言うには一度参加すれば問題ないということなので、とりあえず先ずは連れて行ってみることにした
「ウム。お前の歳になれば、女のひとりやふたり侍らせていてもおかしくはないのだ。しかしお前と同種の者を見つけるのはなかなかに難しい。そもそも二足歩行しているのは稀であるし、人のように生活しているものは皆無と言ってよかろう」
白いTシャツに黒のテーパードパンツ、シルクに金の刺繍、ファンシーブルーの宝石をあしらったチョーカー
キャップで頭にちょんと生えた耳を隠してしまえば、全く人と変わらない姿に目を細める
人語が喋れないことだけはどうにもならなかったが、それでも人と同じ生活をする彼に言い知れぬ満足感を抱いていた
「そこで、だ。お前たちのような者だけを集めた会というものが存在する。いわゆる婚活パーティ、というやつだな」
「ゥルル
「そこでお前の嫁候補を探すのだ」
「(コクン)」
分かったような分かってないような反応に首を傾げつつ、大人になった祝いにスーツでもオーダーメイドしてやるかと、軽やかな心持ちでその日を終えた

とろとろと心地よい眠りの中、じわりと滲む快楽に吐息が漏れた
眠っていたいという意思に反し、緩やかに五感が取り戻され、はっと意識が現実へ戻る
ぱっちりと開いた瞳に、人と思しきドアップが映し出された
「びぃま?」
朧気だった輪郭がくっきりと像を結び、端正な顔立ちが浮かぶ
「ひぅ」
妙に赤らんだ頬に据わった目、吐き出される熱い吐息にすわ風邪かと驚くが、直後に自分の下半身に走った衝撃に目を見開いた
「ま、て待て待て待てッ!!」
それはまずい、流石にまずい
両肩に手を置いて押し返すが全くもってビクともしない 筋力差が憎い
「おいお前何を考えてくぁwせdrf」
「ドゥリーヨダナ」
…………………………は」
「なあ。いいだろう」
……ッ、ッ! ッ!!」
喋った
彼の声を聞いたのはこれが初めてだった
唸り声の時とは違う、耳を擽る甘ったるい音に力が抜けてしまった
(くそ、覚えておれよ、弟よ!)
走馬灯のように駆け巡る記憶にそもそもの原因を見つけ、悪態をついたのであった

「弁明をせよ」
こと更に冷たい声が出た
しかしこやつが悪いのであって、わし様は何も悪くないのでそのまま先を促した
「嫁を取れって言ったのはお前だろう」
心底不思議そうな態度に口元がひくつく
「なぜそれであのような暴挙に繋がるというのだ」
「嫁さんとはそういうことをしていいんだろう?」
「はぁ?????」
今度は自分も聞いたことがないような素っ頓狂な声が出た
「嫁????? 誰が?????」
「お前」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ?!?!」
あれやこれやと言い返してみたものの、どうにもこの熊には伝わらない
「なんなのだお前は
………………夫?」
………もういい………………
ぎゅうぎゅうと逞しい腕に抱かれ、全てがどうでもよくなったわし様は力なく項垂れるのであった

実はそんなに満更でもなかったのはここだけの秘密である

熊ビ 小ネタ
熊ビはアラフォーわし様を嫁として娶ったわけですが、夜をお熱くすごす度にわし様の腰と尻が悲鳴をあげています
若い子の体力を舐めてはいけないその上熊とのミックスですからね推して知るべし
ベッドに沈むわし様を甲斐甲斐しく世話する熊ビはいます います
そして熊ビも料理はできます
人遺伝子の完全勝利でお肉も食べられる熊ビですが牛肉以外は生で食べません ちゃんと火を通して食べます
それ以外も人と同じ食生活してます
わし様はリモートしてる事もよくあるので、そういう時は一緒に食卓を囲んだり
熊ビはわし様のタブレットでつべ見て料理を学びました 美味しいもの食べたい
生活する上での困りごととして、手足の爪が中々に分厚く鋭く長いので、専用の鉄製爪ヤスリでごりごり削って短くまあるく仕上げてるようです
料理するにもわし様に触れるにも爪が邪魔
ところで子育ては褒め褒めで伸ばす派のわし様、小さな頃から熊ビの両頬を手のひらで包んでうりうり〜って撫でて「おお〜! でかした! お前は偉〜い!」と褒め褒めしていたのが癖になっていて、大人になった今でも同じ動作で褒めちゃうし褒められた熊ビはお耳をピコココココッて揺らしてしまいます 可愛い
ちなみに熊ビが喋れるようになったのは練習したからです 国語ドリル片手に頑張ったようですね
練習の成果を結ばれた時に披露すると決めてたので喋れるけど喋ってませんでした(確信犯)
そして夜中に深く眠ってるわし様の身体を好き勝手開発したりとかもしてました(確信犯)