⚠️注意⚠️
デフォルトシムのイトウ家が登場します。
雑に扱ったりはしていませんがナオキは人の道を踏み外しまくってます。
好きな方は注意してください。
登場人物
吉野さくら(セリジェ)
イトウナオキ
イトウナナミ
イトウキヨシ
(キヨシはさくらの姉、すみれの恋人)
※さくらはナオキと別れる前の名前です。
別れた後にセリジェと名乗っています。
ちなみにナオキは離婚してません。
第一章:夜のささやき
玄関のドアが閉まる音がして、家の中は静寂に包まれた。
空気は冷たく、春を迎えるにはまだ少し早い。けれど、吉野さくらの心は、妙に熱を帯びていた。
「さくらちゃん
…君はナナミのクラスメイトだよ
…。小さい頃から知ってるし
…」
リビングの窓際に立つ男の声は、どこか戸惑いを含んでいた。
イトウナオキ。ナナミの父親であり、さくらが幼い頃から見上げていた大人だった。
さくらは彼の背に近づき、わずかに笑った。
「うん、小さい頃から見てたよ
…。おじさんのこと、ずっと見てた
…。私、もう子供じゃなくなったよ
…?」
言葉はまるで熱を含んだ霧のように、夜気の中に溶けていった。
「それでも
…」
ナオキの返事は弱々しく、己の中で揺れる理性の断片のようだった。
「嫌なら
…私を突き飛ばしてよ
…」
その声は、震えていた。けれど強く、逃げ場のない感情を含んでいた。
「
…できないよ
…」
小さな沈黙ののち、ナオキは振り返った。
さくらの瞳が、まっすぐ彼を射抜く。
「おじさん
…ううん、ナオキさん
…。大好きなの
…」
春の夜は深く、風は止んでいた。
二人の影がゆっくりと近づき、やがてひとつに重なる。
頬に触れる指の温度、微かな吐息、そして唇が重なった。
罪も、未来も、何も語られないまま。
⸻
第二章:家の匂いと沈黙
「こんにちはー!」
玄関に響くさくらの声は、いつも通りの明るさを装っていた。
しかし、その笑顔の裏にあるものは、昨日の夜を境にすでに別の何かへと変わっていた。
「さくら!いらっしゃい!入ってー!」
ナナミの声が奥から響く。
さくらは靴を脱ぎ、軽く首を傾げながら応える。
「お邪魔しまーす。
…今日ナ
…ナナミのパパとママは?」
「パパは知らない。ママはスキーしに山に行ってるよ」
「そっか
…」
口元に微かな笑みを浮かべるも、目元はどこか曇っていた。
廊下を進むと、和やかな声が出迎える。
「さくらちゃん、いらっしゃい」
声の主はキヨシだった。ナナミの兄で、さくらの姉と交際中の男。
彼の柔らかな笑みは、さくらにとって少しだけ居心地が悪かった。
「キヨシさん!久しぶりです。元気でしたか?」
「うん。さくらちゃんも元気そうだね。ずいぶん大人っぽくなったねぇ」
「そうですか?」
その言葉にさくらは目をそらす。
「先、部屋行ってるよー」
ナナミの明るい声が階段の上から届いた。
さくらは返事をするように、視線だけで応えようとした。
「あ、うん、私も
…」
「待って、さくらちゃん」
キヨシの声が彼女の背に留まる。
「さくらちゃんさ、すみれと会ってる?」
「え?えっと
…あんまり
…」
「そっか
…。なんか忙しいみたいでさ
…俺も会えてないんだよね」
さくらは軽くうなずいた。短い沈黙ののち、キヨシはふと視線をさくらに留めた。
「
…さくらちゃんさ、彼氏とかできた?」
「え?」
「ねぇ、よかったら今度一緒に出かけない?」
冗談のような口調だったが、視線は冗談ではなかった。
その空気に、さくらの呼吸が少しだけ乱れる。
「キヨシさん
…?」
「なんかすごい綺麗になってて、ちょっとドキッとしちゃってさ
…」
それは軽い言葉のようで、重たい違和感を含んでいた。
「あの
…私
…」
階段の上から、低く、重たい声が落ちてきた。
「なにしてんだ
…?」
視線を上げると、そこにはナオキがいた。
「ナオ
…お
…おじさん
…」
「ん?なに、帰ってたの」
「
…キヨシの客か?」
「違っ
…!あの、私
…ナナミちゃんの部屋行くから!!」
言い捨てるように階段を駆け上がる。背後からの声が追ってくる。
「じゃ、前向きに考えてね」
さくらは振り返らなかった。息を呑み、ただ言葉を押し出す。
「
…!困ります!さよなら!!」
階下に残った父と息子の間には、重い沈黙が垂れ込めた。
「
………」
「
…父さん、なんでそんな怖い顔してんの?」
「
…なんでもない」
ナオキの声には、感情が削がれていた。何かを押し殺すような、冷たい無音が混ざっていた。
⸻
第三章:沈黙の部屋
ナナミの部屋のドアを開けると、室内はふわりと甘い香りに包まれていた。
香水でも、洗剤でもない。その部屋に住む少女の匂い。長く付き合った友人だからこそ感じ取れる、空気の層だった。
ナナミはベッドに腰を下ろし、スマートフォンをいじっていたが、すぐに顔を上げてさくらに声をかける。
「今日、なんかあった?」
「え? えっと
…」
さくらは目を泳がせ、視線を定まらせることができなかった。
「
…わかんないけど、さくらは結構、自分の中にいろいろ溜めちゃうからなぁ。何かあったら言ってね。力になるからさ」
その言葉に、さくらは小さく微笑んだ。けれどその笑みには、疲れが滲んでいた。
「ありがと
…ナナミちゃん
…。
…ごめん、今日もう帰るね」
「
…うん。送ろうか?」
「大丈夫だよ。そんなに遠くないし」
「そっか
…」
短い会話が交わされ、部屋を出ていくさくらの背を、ナナミはしばらく見送っていた。
⸻
第四章:夜の帰り道
道は暗く、街灯の光だけが細く長く伸びていた。
さくらはスマートフォンを見ず、ただ前を向いて歩いていた。どこかで、誰かの気配を感じながら。
「
……」
「さくら」
その声は背後から。振り返ると、ナオキが立っていた。
「
…!? ナオキさん!!」
思わず声が上ずった。
「さっきのは
…どういうことだ?」
「あの、あれは
…!」
「よりによって俺の息子と
…」
「違うの! あれはそういうのじゃなくて
…!」
「うるさい!!!」
夜道に響く怒声。空気が一瞬にして凍りつく。
「
…!」
「お前もそうやって俺を馬鹿にするのか?」
ナオキの影が、さくらに向かって歩を進める。
彼の顔は怒りに染まっていたが、その奥にはもっと別の何かが潜んでいた。
「ナオキさ
…やだ
…こわいよ
…」
かすれる声でさくらは言った。だが、ナオキは止まらない。
「
…そうやって俺を馬鹿にし続ければいい
…! 許さない
…お前もキヨシも
…!」
その手が、彼女の首にかかる。
「ナオ
……ちが
…」
「お前も、キヨシもナナミもメグミも、全員、俺を馬鹿にして
…」
絞られる声。意識が薄れていく。春の夜の冷気が、皮膚をすり抜けていった。
「許さない
…許さない
…!」
やがて、さくらは息をしなくなった。
沈黙。
夜の道には、誰もいなかった。
⸻
最終章:桜の木の下
空は沈黙していた。月も星も雲に隠れ、夜はただ深く、重たく降りていた。
人気のない空き家の庭、その片隅にある桜の木の下で、男は黙々と土を掘っていた。
シャベルの金属音が、土の中の静けさを破るたびに、乾いた空気がざわめく。
ナオキの額には汗がにじみ、膝は泥に沈んでいた。
顔にかかる髪を気にすることもなく、ただ無心に、ただ必死に掘り続けていた。
「せめて
…綺麗な桜の下に
…」
かすれた声が土に吸い込まれる。
「さくら
…」
声に感情はなかった。けれど、その無音のような声には、取り返しのつかない何かが滲んでいた。
穴の底には、さくらが静かに横たわっていた。
目を閉じ、呼吸を止め、まるで眠っているかのように。
彼女の頬に触れた指が震える。
「ごめん
…違う
…こんなことがしたかったんじゃ
…」
そう言いながらも、ナオキの手は止まらなかった。
手袋もつけず、爪の中まで泥に染まり、シャベルの柄を握る手には赤い傷が浮かんでいた。
やがて穴が塞がれ、盛られた土の上に、彼はそっと手を置いた。
「さくら
…ここは綺麗だ。春になれば
…ちゃんと咲く。桜が、きっとお前を隠してくれる」
夜風が吹き、桜の枝がわずかに揺れる。
葉のない木の影が、地面に落ちて細く伸びた。
ナオキはその場に崩れ落ちた。膝を抱え、何も言わずに泣いていた。
声を殺し、ただ肩を震わせていた。
「俺は
…なにを
…」
涙が土に落ちて、小さな黒い染みをつくる。
「さくら
…」
彼女の名前を呼ぶたび、夜の深さだけが増していくようだった。
春はまだ遠く、桜はまだ眠っていた。
⸻
これが事実だったらバチェラーに向かったセリジェって
…。
って考えて思わぬ恐怖体験をさせてしまったことになる(笑)
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