ahotootoha
2023-11-21 22:04:51
1382文字
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司類版ワンドロワンライ お題:セカイ(、ショウタイム)

事前仕込み投稿です。明日司君箱バナーイベあるらしいけど何が起こるんだろうなぁ~わかんないなぁ~

「「観テイタダキ、アリガトウゴザイマシタ~!」」
ぬいぐるみくん達が一列に並び、お互いに手を繋ぎながら一礼をした。
彼らのショーお披露目に立ち会えた僕と司くんは、めいめい拍手を送る。
「良かった! ひとときの出会いから心通わせた者達による壮大な冒険活劇、見事だったぞ!」
「フフン、ソウダロウソウダロウ!」
本舞台の中心となって取り仕切ったという、イヌのぬいぐるみくんがネコのぬいぐるみくんを引き連れて歩み出た。
「そうだねぇ。舞台のギミックも凝られていたし、特に終盤の、大きなクジラの登場は圧巻だったよ」
ステージの上から吊るされたクジラの模型は、改めてまじまじと構造を見るに、どの角度から眺めてもいいよう全方位形作られているらしい。
「フフッ、アリガトウ! 自信作ナンダヨ、ネ?」
ネコのぬいぐるみくんは、自慢げに笑いながらイヌのぬいぐるみくんに目配せをした。
「アレはダナ、ナント、ナント、オレ達で作ッタんダ!」



「ココダゾ!」
イヌのぬいぐるみくんが胸を張って、とある部屋を紹介してくれた。
そこは……子供向けの、工作部屋のようだった。
フローリングにマットが敷かれたその部屋は、壁のいたるところにクレヨンスケッチや三角旗のガーランドが飾られている。
全体的に低い位置にある机や棚には、絵具にハサミ、ネジにトンカチ、リボンにボタンに木片に……
「これはこれは、創造性を刺激しそうな素材や道具がたくさんだねぇ」
「そうだな! あの立派なクジラがここで生まれた、というのも納得だ」
家具としては他にも木製の角イスや丸イスのほか、高い所の物を取る用なのかマジックハンドが数本立てかけられている。
「コウイウのもアルンダヨー!」
「ほう、どういうのが……ぎょっ?! バーナー?!」
ポムポムと身体を揺らしながら、ネコのぬいぐるみくんが持ち出してきたのは、なるほどたしかにガスバーナー・トーチのたぐいに見えた。ご丁寧にホースの元に繋がるボンベも背負っている。
「フフン、コレはネ……
ネコのぬいぐるみくんはにやりと笑うと、トーチのバルブを器用にひねった。この場の誰にも向けないようにか上方を向いたトーチの先端からは、ガス……ではなく、にゅるりと白い、固体と液体の中間状の物体が現れる。
「物と物をクッツケテ便利ナンダケド、僕ラ同士もクッツケチャウから、使ウ時は気を付ケナキャダメなんダ」
「接着剤か……まぁ確かに、ぬいぐるみ達にとってはそれはそれで危険物だな……
見守りながら、ちらと考える。
最近セカイに出来たのだというこの空間は、ぬいぐるみくん達のための工作部屋、それに間違いはないのだろう。
それに部屋の調度も、ワンダーランドのセカイそのものの色鮮やかでポップな彩りに近しいといえば近しい。
だから特別変わったものではないはず、ではあるが……
(なんだろうね、この尋常じゃなく感じる、居心地の良さは)
自惚れだったら、申し訳ないけれど。何の気なしを装って、僕はつぶやいた。
「まるで、『僕の活動部屋』、といった様相だねぇ」
…………長い沈黙、の後。
どうやら、僕一人の思い上がりではなかったようだ。
「本人がそう感じる、ということは……やはり、"そう"、なんだろうな……
大層顔を赤くした司くんがそこには居たのだった。