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いを
2025-04-19 20:03:35
1448文字
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タグ、掌編、その他
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タグまとめ16
刀神
それぞれフォロワーさんのお子さんお借りしています。
変色(祭さんと月草)
雪魄月草刀は、昔
――
いつだったか、忘れてしまったが映画を観たことがある。そのころは活動写真と呼ばれていて、音楽は生伴奏、活動写真の解説をする人間達のことを活動弁士と呼んでいた。今は色がつき、活動弁士もおらず、音楽は巨大なスピーカーというものから流れる。時代は変わるし、職業も変わるし、言葉も変わっていく。「どうかされましたか」そう、しずかな声が聞こえてきた。となりを見ると祭がこちらを見上げている。いいや、と答え、映画のポスターを見る。キネマ、古い美しさ。だが、その美しさは変わらない。変わらないものがある。変色したとしても、根底は変わらない。それが人間たちのいう「美」なのかもしれない。
夕凪(鉄斎さんと青嵐)
薄いチョコレート。触れたらとたんに溶けてしまうものを、人間はきっと「儚い」と呼ぶのだろう。「甘いもの、お好きでしたか」彼がいう。手元には厚いグラスに苺の果肉とクリームが入っている。グラスが厚いので、向かい合う自分の顔が歪んで見えた。「ええ、好きです」と答えると、彼は銀のスプーンを持って苺をそのくぼみにのせた。今にも溶け出しそうな真っ赤な色。自身の手元にはチョコレートソースがかかったパフェ。こっくりと濃い茶色をしたソースを見下ろして、これがあの儚さとおなじ種類のものだと思うと不思議だった。「千葉さんは苺がお好きなんですね」と、笑いかける。「チェーン店のカフェにも苺関連の飲みものがたくさん出てきて困ります」彼は本当に困ったように笑った。「好きなものも、度を過ぎればなんとやら
……
ですね」彼は目尻をさげて「はい」、そう答えた。
慈雨(八雲さんと小夜子)
最近首のあたりが煩わしい。髪が伸びてきたからだ。夏になるとさらに暑くなって、痒くなるのだろうかと思う。「どうしたの、小夜子ちゃん」髪の毛の先をじっと見ていると、八雲が覗き込んできた。「髪、切ろうかと思って」そう素直に伝える。「手入れ大変そうだもんね、長いと」彼はとなりに座って、足を組んだ。煙草を吸いたそうな雰囲気。「吸いたければ吸ったら?」髪から手を離す。ぱらぱらとまばらに背中に流れた。「残念ながら、このへんは禁煙なんだよね。喫煙者は肩身狭いよ」そういって肩をすくめた。足もとにちいさな花が咲いて揺れている。よく見ると花びらに水をたたえていた。小雨でも降ったのだろう。ベンチは相変わらずひとが少なくて、がらんとしていた。昼は賑やかなのだが。「もうじき梅雨ね」、何気なしに言うと彼も同じようなトーンで「そうだね」といった。
定義(橘ノ祝さんと政親)
分からない、という。橘ノ祝は困ったようだった。手元には教科書、ノートとシャープペンシル。「刀神さんもわからんかぁ」食堂の机に突っ伏しながら、大きなため息をついた。「ウチ、そういうの圏外だから」すこし申し訳なさそうに彼女はいうが、刀神が「圏外」というのはなんだか面白かった。「ぼく学生やねん。天照の業務と掛け持ちって偉くない?」のそりと机から上半身をおこして、目を擦った。「えらーい」妙に間延びした彼女の言い方がやはり面白くて、ふっと笑う。「これで短大行くんやから、さらに偉いわなあ」シャープペンシルをくるくると回して、肘を突きながら教科書を覗き込んでいる橘ノ祝を見た。「ひめっち、短大行くんだ」そういったので、「おばけのおじさんが行っとけって」なんだか言い訳じみているけれど自分も短大は行くべきだと思っているので、よしとする。
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