傘道
2025-04-18 23:48:16
1093文字
Public ライイワ
 

最高のコンディションで

znzrの🐺🪛小説です。
スペースでもらったリクエストで、お題「尻尾」
から書きました。

ふわふわと揺れるものがあれば、目で追ってしまうのはなぜであろう?
猫ではないのに揺れる銀色の尻尾に何度も目が奪われる。
本音を言えば触りたい。
でもそれは失礼ではないか?
そんな気持ちがせめぎ合い、なかなか触りたいと本人に言い出せなかった。
「兄弟、やっぱり言った方がいいか?」
触りたいって言った方がいいか聞くと兄弟は無言で頷いた。
「だよなぁ。漢なら正面から堂々と聞いて許可を得ないと。」
よっしゃ!と頬を両手で叩き、気合を入れる。
「ありがとな、兄弟。」
兄弟の頭を撫でると兄弟は頑張れよと背中を押してくれた。



「ライカンさん、尻尾を触っていいか?」
久しぶりの逢瀬の時にアンドーは緊張しながらも堂々と聞いた。
「尻尾ですか
「あ、嫌なら無理強いはしないけどよ
やっぱりダメだったか。
あのふわふわ揺れ動く尻尾に触りたかった。
ちょっとだけ落ち込んでいると、ライカンは首を横に振った。
「嫌というよりいいえ、私の問題ですね。」
「ライカンさんの問題?」
「恥ずかしながら、激務続きで尻尾のケアが十分にできていないのです。私としてはアンドーには、恋人には最高の状態の尻尾を触っていただきたい。」
最高の状態の尻尾。
今も見ているだけで柔らかさを感じるのに、それ以上?
アンドーは期待で唾を飲み込んだ。
「ですので少しだけお時間いただけますか?アンドーが触ってもいい状態になりましたらすぐに知らせます。」
今ではないが触らせてくれる。
そう答えてくれた恋人が嬉しくて、アンドーは思わず恋人に抱きついた。
嬉しそうな恋人に戸惑いながらもライカンは抱き返した。


『お待たせいたしました』
『このライカン、いつでも尻尾を触れられるように手入れいたしました』
そうノックノックを送った瞬間、恋人から返事が来た。
『今から会いに行ってもいいか?』
『仕事がひと段落して会いに行けそうなんだ』
『もちろん社長の許可を得てから行くぜ』
恋人に会える。
その事実にライカンから笑みが溢れる。
『もちろんです』
『私も貴方に会いたい』
そう返事を返し、数十分後に二人はライカンの私邸で会った。
会った瞬間にアンドーの目は尻尾に釘付けになっていた。
「遠慮なさらず触って構いませんよ。」
「ライカンさん、それじゃ触るぜ。」
玄関でアンドーはライカンの尻尾を触る。
モフモフでふわふわの尻尾は完璧な触り心地だった。
こんなふわふわでずっと触りたくなるものがこの世にあることが驚きである。
夢中で触り続けるアンドーを見て、ライカンは最高のコンディションを維持し続けることを誓った。