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傘道
2025-04-18 21:00:33
1221文字
Public
アキイト
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アンタには敵わない
znzrの🧡🔦小説です。
スペースでもらったリクエストで、お題「敗北」から書きました。
涼しげな顔が驚きに染まるのを見ていたい。
あわよくば自分の行動で顔を真っ赤に染めてほしい。
アキラと恋人になってから、ライトは心の奥底でそう願っていた。
ただそれは何も行動せずに見られるものではない。
自分が積極的に行動しなければならない。
次のデートで恋人を驚かせよう。
ノックノックでデートの約束をしたライトは画面を見つめながら決意した。
今日のデートは六分街のビデオ屋、アキラの家で映画鑑賞デートだ。
妹のリンはお泊まりに行っており、店番のボンプはカスタムショップでメンテナンス中らしい。
つまり二人っきりだ。
映画はアクションでも悲劇でもなくのんびりと観られるものだった。
ソファで横に並んで座りながら映画を観ている最中に、ライトはアキラの手に触れた。
ビクッと肩を震わすかと思いきや、一瞬間を置いてゆっくりとこちらを見た。
涼しげな顔に変化はない。
横目でアキラを見ながら、ライトはアキラの指に自分の指を絡ませた。
アキラは穏やかな笑顔を見せながら握り返した。
「この映画、ライトさんが怖がるシーンはないけど手握ろうか?」
ふふっと笑みを溢したアキラにライトはこの作戦はダメだったかと心の中で落胆する。
そのまま手を握りながら映画を鑑賞するのは恥ずかしく、どこか負けたような気持ちになった。
映画のエピローグが終わった瞬間にアキラの手が離れた。
恥ずかしかったはずなのに、寂しいと感じるのはなぜであろう?
名残惜しそうにアキラの手を追いかけそうになったが、我慢して次の作戦に移る。
ライトはすっと深呼吸をした。
「アキラ。」
名前を呼ばれた恋人が自分の方を向いたのを確認した後、恋人の肩を掴む。
そして噛みつくようにキスをした。
唇を離した時、これは動揺しただろうと得意げに見つめたライトの視線の先にいたのは涼しげな表情をしたアキラだった。
「
…
今日のライトさん、可愛いね。手を握ろうとしたり、自分からキスまでしちゃうなんて。」
また負けた気持ちになった。
どうして恋人はポーカーフェイスのままなんだろう。
「なんで動揺しないんだ
…
」
顔を片手で覆うライトを見て、相変わらず涼しげな表情でアキラは笑う。
「ライトさん、こう見えても僕は動揺してるよ。疑っているなら心臓の音を聴いてみてよ。」
心臓の音。
アキラの胸に耳を当てると鼓動が早い心臓の音が聴こえた。
「ほらね。」
「確かに動揺しているのはわかった。だが、アンタの表情が崩れるくらい動揺させたかったな。」
落胆しながらサングラスをかけ直す恋人にアキラは笑みを深くした。
「そうだね、もしライトさんが僕を動揺させたいのなら
…
」
油断していたライトをアキラはソファの上に押し倒す。
「もっと可愛いところ見せてね。」
インナー越しに腹筋を撫でる恋人の指の動きにこれから何をされるのかライトは察した。
あぁ、やっぱりこの恋人には敵わないとこの日改めてライトは思い知った。
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