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2025-04-17 01:20:06
1389文字
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rnis メリバ

いつかかきたい 心中ネタの冒頭

家庭環境から愛着障害となった潔は、愛や死について疑問を抱く。中学生の頃SNSで出会った凛と誘拐まがいの半同棲生活が始まる。凛なりの愛を一身に受けながら、応えようとする潔と凛の5年間の物語
7歳差 出会い20×13 おに……しょた?
isg視点

*

母方の祖父が亡くなったのは、確か俺が10歳くらいの時だった。年が明けて程ない、雪が降りそうなくらい冷たい空気を肌が覚えている。


「おじいちゃん死んじゃったの?」
「そうよ、もう会えないの」

まだ命とか、生きるとか死ぬとか当時の俺には難しかったんだと思う。そもそも遠方であまり会う機会も無かったからそんなに思い入れもなくて、俺は実感も湧かないままに黒い服を着させられて葬式に参加した。

火葬されて骨になった祖父を見ても、なんとも思わなかった。ただ、祖母が泣き崩れている姿だけが印象に残った。
親戚が順番にお骨を拾い上げて、スタッフさんが骨壷に入り切らない骨を何かの棒でぐしゃぐしゃって潰したんだ。その時の音が耳から離れなくて、あぁこれが人間の最後なんだって思った。


2ヶ月後、今度は祖母が亡くなった。冬の寒さがまだ残る、少し暖かい日だった。
また葬式かって思ったのを覚えてる。祖母との思い出は、幼少期に時々散歩に行っておんぶしてもらった情景だけが残っていた。

当時の俺には誰も教えてくれなかったけど、祖母は車庫の奥で首を吊っている所を近所の人が見つけたらしかった。先に亡くなってしまった祖父の後を追って。

死ぬことが怖くなかったのだろうか。それほどに、好きだったのだろうか。それほど、愛っていうものは特別なんだろうか。

祖母の葬式で人生で初めて、母が泣いているところを見た。母は叔母達に支えられて崩れ落ちそうになっていた。




*


「よっちゃん、今日も集会に行きましょうね」


祖母が亡くなってから、母はネジが緩んでしまったみたいに目に見えておかしくなった。
まずは父親が不倫してるって疑い始めたところからだった。会社の同僚と定期的に飲みに行っていた父のことを突然怪しいと言い始めた。同僚の男性だって母の共通の知り合いなのに、店の駐車場で俺を連れて張り込んでまで父のことを見張った。
そのうちに母は、「家に女を連れ込んでいる」「女の声がする」「女の足音がする」と言って、全ての窓という窓に、開いたら鳴る防犯ブザーのようなものを付け出した。
今考えれば、精神を病んで母には幻覚や幻聴が聞こえていたのかもしれない。俺と父には、変わってしまった母は異常者にしか見えなかった。目が据わってしまった母に、父も強くは言えないようだった。
次第にヒートアップしていて、母は家の中に石灰を撒いた。誰かが侵入したらすぐにわかるようにと。その石灰を避けながら俺たちは生活するようになった。


そしていつの間にか、母は宗教にはまったらしかった。

「いい事をしなくては、あの人にも教えてあげなくては」
そう言っては近所どころか、知り合い、親戚。派生に派生して片っ端から布教活動を初め、元々人付き合いが盛んでなかった母は徐々に孤立していった。
俺の友達の親にまで声をかけ始め、俺はなんとなく友人間で浮くようになった。

父はそんな母に疲れ果て、家を出ていった。俺は母を1人には出来ず、母と残ることにした。
「困ったらいつでも逃げてくるんだぞ」

父はそう言ってくれたけど、俺は時々父が知らない女の人と電話しているのを知っていた。電話越しにうっすらと聞こえる高い声は若い女の人のように聞こえた。

もう、何を信じたらいいのかわからなくて、俺はただ「うん」と頷いた。