lifelongyouth
2025-04-14 22:35:07
4059文字
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チ。の話


最後に出てきたラファウについての解釈を導入にチ。について後輩と話した

わたし
結論から言うと、時系列から言って、ラファウ青年は一巻で出てくるラファウ少年とは同じ声・同じ顔を持ったまったく別の人間でありながらも、同じ人間の形をしているからこそ再度テーマを強調する象徴的存在としてあえて同じ姿形で出したのかな〜と思っている。

進撃も今を生きるキャラクターとほとんど同じ顔をしたキャラクターを過去の人間として登場させるという手法をとっていたけど、あれと同じようなことで、でも違うのはチ。の場合はラファウの再登場は作品の伝えたいことの強調的装置、ツールとして使われているっぽいなということ

最初に出てきたラファウは服毒をはかって磔になって死んだのでそれが生き返るということは、あの物語のテーマを鑑みても100%ない。また、一巻から時系列を逆算すると、ラファウの年齢が、今を生きているとしたら見合わない。

では、どうして一巻と同じ名前同じ顔の、境遇が似たキャラクターを出したのか?というのを考えると、やはりそれは今一度、ラファウが一巻で示した内容と始まり、この作品で描かれてきたことの強調をするためなのだと思う

これは作者の人がめちゃくちゃ哲学に興味を持って勉強している人なのと、本人が

“「人が持つ知性を信じる」というスタンスは、最後まで確実に貫きたいと考えていました。ただ同時に、ひたすらに知性を礼讃するだけの作品にはしたくないという気持ちもありました。”

と言っていることもあり、今一度受け継がれる知の側面と、また、知性が知性と出会い、促進されるために行使される暴力の側面は、異端審問官や異端解放戦線などの存在がなくなってもなお、知性を信じる同士とも言えるものたちの間にもまだ残っているのだということをここで示して、かつ、コペルニクスが地動説を発表するに至るまで、異端が異端ではなかったという見方が広まった後も知を理由とした暴力が存在したのだと、あえて一巻と同じラファウの姿をしたキャラクターを用いてつながりを表現したのかな〜〜と思った

知に血はつきもの、ということの強調というか。

あと、青年ラファウが出てきた章、つまりアルベルトの章からP国がポーランド表記になって、具体的年号も初めて提示される形になっている。これはフィクションとノンフィクションを繋げようとした作者の意向も関わっているのかなと思った これはフィクションである、と言いながらも、イヤこんなふうにつながっているかもしれない 例えば聖書だって、ただの創作物と考えられているけれども、この物語の最初の3章と、最終章のように、突然自分も知っている具体的な世界とのつながりが見えたらどうだろうか?とか、そういうところも含め、読者にとっての「タウマゼイン」と「『?』と考えること」の余地を残したくてこの表現にしたんだなと思った

また、初めのラファウは誰かを殺さず、暴力も振るわずに済んだが、ラストに出てくるラファウは人を殺している 同じようなことを学んでいても、目指していても、状況によっては人を虐げる側に回るかもしれない でもそれは本人が原因なのではではなく、状況が原因である その可能性も書き留めておきたかったのかな〜とも思った



後輩
オイラとも近い解釈もあり大変嬉しいです
特に、「チ。のテーマの強調のためにラファウ再登場」という点と、余地を残すためにラスト2話はフィクションとノンフィクションの狭間みたいになってる(意訳すみません)のところ、オイラも思いました

チ。って別に地動説を証明することが主題なのではなく(いや、ストーリーとしてはまあそうですけど、、、)地動説vs天動説が取り巻く環境のなかでのさまざまな人間の思考、変化、その人がなぜそのような行動をするのかの理由?背景?経緯?が見えることが面白くて、そここそ我々がときめいて感動できるポイントだと思うんですが、
でもストーリーを見ているとどうしても視聴者は地動説側に無意識に立ってしまっていたと思うんですよね。まあ地動説側の目線でストーリーは書かれるので当然なのでしょうが

我々視聴者が崇めてしまっていたラファウを、最後の方にラファウ的なる人として再登場させて今度は人を殺す!という流れは、我々にはショッキングだが、だからその分知性を信じよう!知性万歳!モードになっていた視聴者に水を差して一旦落ち着かせて、、考えさせるタイミングだとも感じましたねというか実際オイラがそうさせられた
作者の魚豊さんが知性を信じているからこそ、その分、知の持つ危険性とか危うさというのを実感しているんだろうな、、という気持ち
知性万歳!(バンザイ)で終わらせなかったことこそが知性への深い愛を感じる(伝わりますかね)

あと私的に1番好きなチ。のセリフが死にかけのノヴァクが言った、
「この物語では私は悪役だったのか」(ニュアンス)なんですけど
これを聞いた時のショックと、ラファウが人を殺した時のショックが個人的に同じ種類で同じ度合いだったんですよね、なんかハッ!としたシーンなんですどちらも

このシーンがあることで自分が知れてなかったノヴァクの信念とか生活とかがあった気がしたし、ラファウが殺したシーンのおかげで、異端の概念がない時代でも、自由が多い今でも、知性の暴走、行き過ぎた信仰の危険というのは常に存在してて、そのリスクを婉曲的に表してますよね
なんというか、作者の意図を、意図です!という感じでガツガツ書くよりも、
なんだこれは、、、、、?と思わせる展開にして違和感を残すことで、我々が考える余地がが生まれて、、、いいですよね。
(結論→いいですよね)

あと(彼氏)にも(yoru)さんにもすすめられたから、進撃は見ようかとは。、おもって、、ます



わたし

〇〇ちゃんのチ。の感想聞けるなんて!の嬉しい気持ちで昼寝から目覚めた もう夜だし寝始まったのも夕方だったけど

そうなのよね!

聖書が絡んでいる作品なので、”イエスキリストの復活”とかと絡めて考えると、聖書は「神は死にすら勝つ、罪は精算されもう誰も責められない」みたいなこと言ってキリスト自身を生き返らせるんだけど、

チ。の場合はここまで死で繋いだものに”生き返り”を出してしまうとそれはあまりに冒涜すぎんか???っていう視点もあるしな

初見のとき、聖書の復活のシーンが頭に駆け巡ったけど、作品の整合性的にそれはないなっていう

“知性バンザイ!で終わらせなかったことこそが知性への深い愛を感じる”ものすご〜〜〜くよく分かるよ………完全に同意。世の中礼讃だけがリスペクトじゃないからな。

なんというか、話全体の作りもかなり尊敬ができたよな ピャスト伯やノヴァクとかも、自分が人生を賭けて長い間やってきたことが否定されてでも地動説という名の可能性や、おのれの夢の存続に最終的に賭けたりとかな たぶん題材は地動説じゃなくても良かったんだと思う こういう話って、全く逆の教えを信じている人の関わりも含めて深まっていく、近づいていくものだよな それは現実のほかの問題とかにも言えることだが

全然関係ないけど、チ。のピャスト伯みたいな目に遭う人が「仁-jin-」って昔のドラマにいて、緒方先生って言うんだけど、その人はずっと自分の学問に一生懸命向き合いながらも、実は自分の学問は間違っていたのではないか?というのを常に考えていた人なんだよね。それで、主人公であり、未来からやってきた外科医である南方先生に出会って、その疑問が真であったと気付いて、ショックを受け傷つきつつ、でも1から学び直すことを選んだ勇敢なキャラクターなんだけどさ、わたしはこういう人がいちばん尊敬できるし貴重だなと思って仕方ないんだよね 時に間違いもするんだけど、間違いを恐れず真理を掴みたいという向上心があってさ

チ。も「不正解は無意味を意味しない」って言葉が出てくるけど、正解がある日突然ぽっと湧き出るんじゃなくて、膨大な間違いの上に積み重ねの結果として正解が顔を出す、みたいなスタンスをとってるからマジで好き

あと最終的に知と引き換えに死が待ち受けているにせよ、自分がどうしたいか、何を優先するかは本人に決めさせていたし、獲得してから死があった、というのがすごい好きだったんだよな 死んだら何もかも終わりだ、とドゥラカは言ったけど、死んでも手にしたものがあったあの世界は見ていて心地よかった

〇〇ちゃんが好きなノヴァクの「この物語の悪役は俺だった」はわたしも好きなんだけど、このセリフはチ。にとってあまりにも象徴的なセリフすぎたよな あの作品って一貫して片方が善でもう一方が悪という書き方はしなかったなって、この台詞が刻んでくれてる

とにかく、ほんとうに素晴らしい最高の作品………

間違いと反論、疑問を慈しんでてその姿勢が好きすぎたな まじで結論→いいですよね

あと、作品としても進撃って本当に面白いのだが、進撃をとおして見る”海”がこの世界にある海概念の中で1.2を争うほどにあまりに美しくて愛おしかったのでそれを体感してほしいためだけに〇〇ちゃんに進撃見てほしいってのはあるかも

チ。って話ももちろん面白かったけど、キャラクターの目をとおして見る星空の美しさ愛おしさが胸に響いて言葉にならない充足感を得られるみたいなところがあったけど、それと似たものが得られるのでぜひ



後輩

いろいろとーー!!!わかりますしーーーめっちゃまた頷きながら読みました

たしかにチ。って対立構造的ではありましたけど善と悪の戦いではないのがいいですよね
どっちがいい悪いの話ではない

し、あと題材が地動説じゃなくてもよかった というのも本当に思いましたわかります いいな、、

進撃見ます!!