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三毛田
2025-04-14 13:44:28
1082文字
Public
1000字3
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62 02. 雨音ノクターン
62日目
雨音も悪くない
窓の外、雨音が静かに響く。
なんとなく目が覚めて、隣の丹恒を起こさないように気をつけながらベッドを抜け出す。
少々古い廊下を歩き、トイレへ。
こういうところって、お化けとか出そうだから出すものさっさと出して帰ろう。
誰とも、何とも遭遇せず無事に部屋まで戻ることが出来た。
「ひょっ」
布団に潜り込んで触れた丹恒がひんやりしていて、悲鳴を上げてしまう。
起こしたかと思って、慌てて口を隠す。でも、すやすや穏やかな寝息を立てているだけ。
護衛のはずなのに、俺の気配とか声に気づかないって大丈夫なの
……
まさか、何処かで薬を盛られた?!
いやでも。丹恒なら、そういうことにも敏感なはずだ。
まあ、つまり。俺の隣は心地よくて安心してもらえるってことだろう。
自分で言ってて、ちょっと恥ずかしくなってきた。
「丹恒、大好き」
小さく呟いて、そっと腕に抱き着いて眠りにつく。
「穹、昼食の時間だ」
肩を掴まれ揺さぶられて起こされる。
「ふえぇ?」
ちょっと乱暴なのは、もしかしたら時間がないからなのかもしれない。
とりあえず上着を着て、丹恒に手を引かれながら食堂へ。
ちらほらとしか人がいない。
「いただきます」
「いただきます」
少し急ぎ目に、ご飯を食べて部屋に戻ってからどこに行くかの相談をする。
市場とか、人が多いところは俺が。図書館とか博物館とかに準ずるところには丹恒が。
と、いつも通りの振り分けになった。
「丹恒、これ美味しかった」
「お前はまた、夕飯前に
……
」
聞き込み中に美味しいと教えてもらったものを買って戻って来ると、丹恒は呆れた様子で俺を見て。
「ちゃんとご飯は食べられるよ。食べすぎてない。うん」
視線を逸らすと、疑うような目を向けられ。
「ちょっとだけ、食べてもらっていい?」
「お前は
……
」
はあ。と、大きいため息。
「ここの食事は美味いから、許すだけだ」
「ありがとうございます」
残りを部屋に置き、夕飯のために食堂へ。
うん。丹恒の言った通り美味しい。
「食べられちゃった
……
」
「それはよかった」
部屋に戻り、今日の聞き込みの結果を話し合う。と、また雨。
「ここは雨の多い土地なんだな」
窓の外を除き、丹恒はそう静かに口にし。
「丹恒の好きそうな空気だよな」
「ああ、好きだ」
そう呟く横顔がとても儚げで、でも美しくて。
「丹恒」
名前を呼びながら、抱きしめて頬にキス。
「どうしたんだ」
「お前のことが好きなんだ」
「知っている」
「ね、いっぱいキスしていい?」
「ああ、いいぞ」
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