限界馬鹿夢女
2025-04-14 04:36:25
11752文字
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ヤツユリのはじまり その3 (完結)(乱文怪文書)(ガッツリうちよそ)

……
6時間くらいぶっ続けで書いたってマジ⁉️⁉️⁉️⁉️🫨🫨🫨🫨🫨

タイトル通りです
いつものようにライじろくんとユダセロちゃんお借りしてます♡

地味に童貞回とライじろくん馴れ初め回とユダセロちゃん馴れ初め回大前提

以下今回の話の関連リンク♡(リンク掲載許可済みの方のみ)

◽︎

ユリ宅

童◯🐶くんvsクソガキさま(ヤツユリ)
⚠️ポ擬👍🐶×自機主♂
⚠️怪文書×漫画 https://privatter.me/page/67d7513894587

発情期🐶くんvsユリ兄さん(ほんのり🔞)
⚠️ポ擬👍🐶×自機主♂
⚠️怪文書×漫画
https://privatter.me/page/67d9fc185da2b

↓今回のヤツユリのその後の未来
泥酔🐶くんvs魔性ショ夕ユリ兄さん(⚠️ヤツユリ初夜🔞回) https://privatter.me/page/67f2f7186ac85

◽︎

らなちゃん宅

ライじろ成立まで①【捕獲編】 https://privatter.me/page/67fa46df55abd

ライじろ成立まで②【自覚編】 https://privatter.me/page/67fa4791aaef1

ライじろ成立まで③【  編】🔞 https://privatter.me/page/67fa9ef6a4d7d

 
 ⚠️前回のつづき
  ヤツフサくん視点
  ガッツリうちよそ
  おまけでライじろくんとユダセロちゃんガッツリお借りしてます🫨🫨🫨


「ヤツフサ!ニフル!俺の家族になってくれてありがとう、へへっ……あらためて、これからよろしく」 

……おう」 
……」ニコッ

 俺がクソガキさまの家族に加わる少し前、かつて俺の身体を炎で包み込んでワンパンしてきたアイツこと『ムスペル』が「そういやな〜んか懐かしいクサレ外道の気配をぱるであのとある場所から感じるんじゃ……」と言い出したらしく、俺のところに来る前に慌ただしくパルデア各地の杭を抜き、そして俺の隣に座ってるこいつ『ニフル』がクソガキさまの家族に加わっていた。
 実は俺とニフルは同じ日にクソガキさまの家族に加わったんだよな。

 で、今は俺とニフルの歓迎会と称して“チーム・ルクバー”?とやらの棲家?を借りてピクニックとやらをしている。

「ユリ……オマエ……あとでかわいがってやるからな……ッ!」
「悪いなオルティガ!(笑)」

 なんか全身桃色の鬼の形相をした幼い少年がこちらを睨みつけているが、こっちの元魔物は軽く笑いながらピクニックの準備をしている。
 あぁ、魔物要素はまだ少しだけ残っているのか、こいつ……

 ところで

「『ユリ』……?」

 そういや、俺は元魔物こと少年の名前をまだちゃんと聞いていなかった。
 はじめて出会った時の俺はこの少年の言葉に頭に血がのぼっていたし、『ヤツフサ』の名前をもらった時もこの少年の名前を聞きそびれていた。
 確かに、キタカミでは謎の短気女がこの少年のことを『ユリ』と呼んでいたような気がするし、今俺たちを睨みつけている桃色の少年もこの少年のことを『ユリ』と呼んでいる。

……あ?!ヤツフサ!もしかして俺、お前に俺の名前をまだ教えてない!?」
……そうだな?」
「ああああ!!しまった!本当にごめん!!」

 少年も気がついていなかったようで、持っていた道具を机の上に置き、慌ただしく俺のところに駆け寄って来て

「あらためまして、俺の名前は『ユリ』」
「『ユリ』……“百合の花”?」
「お!よくわかったな!正解!俺の双子の妹が『スズラン』って名前なんだけど、なんか俺たちが生まれた時に窓の外に百合の花と鈴蘭の花が寄り添って咲いていたんだってさ」
「へぇ……

 かつての魔物の時はさておき、今の少年の姿を見ていると納得の名前というか

(名は体を表す、か)

 少年をまじまじと見てみてると、一見幼い少女と見紛うような中性的な顔をしていて、気高く凛として、青の黄玉のような瞳に蒼黒の髪が青白く透き通る肌の色に映えていて、毒を持つ俺が触れてしまったら酷く汚れて枯れてしまいそうで、俺ですら触れるのを思わず躊躇ってしまうほどの……まぁ、そんな見た目をしている。

(“アイツ”が見たらどう思うか……

 美しさに固執していた腐れ縁の仲間を思い出し、思わず苦笑する。
 アイツら、今頃俺のこと探しているのかな。

 
……で!俺の名前もちゃんと伝えたことだし!」 
……ん?……いや、待て、ハァ!?お前なんで服脱ぎだしてッ!?」 

 少年は突然服を脱ぎだし上と下も肌着1枚になって、両手に謎の細長いものとふわふわした何かを持って俺ににじり寄ってこう言った。

「親睦を深めるために、『お風呂』だ!お前の身体を洗ってやる!ヤツフサ!お前も服を脱げ!」 
「いや、えっ、はああああああああ!?!?やめッッッッ!!!!おいクソガキッ!!待て!!うわあああああッッッッ!!!!!!」 

 近くにいた“ぽにこ”と水色チビが「あー、いつものあれね」といった顔で、俺がユリに服をひん剥かれている様子を眺めながら黙々と飯を食っていた。



「うーん、ヤツフサの身体は大きいから全身洗うの大変だな……かゆいところないか?ヤツフサ」
……ッ!!」 

 まずい、ほんッッッッとうにまずい

 ユリはふわふわしたものに洗剤をつけ、俺の全身を洗う。
 ユリは俺の膝の上に乗っかり、俺の胸や俺の首、俺の全身を容赦なく洗っていく。
 ユリ自身も全身泡と水に塗れながら。
 そのせいか、その、ユリの肌着が水と泡によって透けて、その、胸の突起が、透け、見え

(こいつは男!!こいつは男!!こいつは男ッッッッ!!!!)

 まずい、こいつはニンゲンのオスなのに、まずい、しかも元魔物になんでこんな、俺

「?ヤツフサ?どうした?」
「ッ!!いい加減もうやめろっ!」

 俺はユリを膝から降ろそうと、ユリの身体に触れようとする。

 が、しかし

「あ!まだ終わってない!ヤツフサ!“待て”!」
「ッッッッ!?!!?」

 ユリに“待て”と言われた瞬間、全身に電撃が走るような衝撃があり、俺の意思に反して俺の身体は動かなくなる。
 なんだ、なんだこれ

「は??動けな、なんで」 
「あ、”待て”が本当に効くのか、スズランの言う通りだった」 
……は?」
「いや、なんか俺の妹がさ、『ヨクナイヌの特性を“番犬”にしたからヨクナイヌは正真正銘兄さんの番犬になったよ♡だからもしヨクナイヌがよくないことをしようとしたら“待て”のコマンドをしてあげてね♡』って言っていて」 
……は????」 

 今、なんて?

「なんかな、いぬポケモンって特性や種類によってはトレーナーの指示やコマンドに滅茶苦茶敏感なんだってさ、俺にはよくわかんねえけど。んで、番犬の特性のポケモンは特にトレーナーのコマンドに滅茶苦茶敏感でトレーナーに従順?なんだってさ。だからスズランがお前の特性を“毒の鎖”から“番犬”に変えたとかなんとか言ってて、俺は最初妹を止めようとしたけど、その、あいつ滅茶苦茶強くて、俺じゃ止められなくて……うん、ごめんな」 
……はあああああああああッッッッ!?!?!?!」

 そして俺は“待て”のせいでユリを止めることが出来ず、俺に待てを命じながらユリは容赦なく俺の全身に触れて洗っていく。
 俺がとてつもない欲を心に秘めていることも知らずに、待てで動けないことをいいことに。




 魔物どころか本当に魔性だし、こいつは本当に


「ヤツフサ、きもちいい……?」

(このッ、クソガキ……ッッッッ!!!!)

 クソガキだ



 間



「ユリ、俺ノ事も洗って?」 
「ニフル!」

 俺が“待て”のせいで身動きが取れず、このクソガキに全身好き勝手にされて色々限界を迎えそうなタイミングで、ニフルがユリに声をかけてきた。
 おそらく俺が色んな意味で死にかけていたから、見かねたニフルが助け舟を出してくれたのだろう。
……と、この時は勘違いしていたが、あとでニフルから聞いた話だと「フザケンナこのクソ犬ッッッッ!!俺だッて早くユリに思ウ存分全身洗っテ触れテ欲しいノニ時間滅茶苦茶取りやがっテ!!キル死ネ!!」というガチの嫉妬と憎悪から声をかけてきたらしい。こいつマジで殺す)

「そうだな、ヤツフサとの仲もだいぶ深まったと思うしそろそろニフルのことも洗って親睦を深めなきゃ!洗い流そうなヤツフサ、目を瞑ってくれ」
……(白目)」

 た、たすかったけど

(なんだこれ、なんだこの気持ちは)

 俺の膝に乗っかるユリの小さな身体が、俺に触れるユリの小さな手が、ユリの全てが、なぜかとても愛おしくて

(このクソガキを無性に犯したくなる……ッ!)

 俺は坊ちゃんと仲間と一緒にいた時は(主に仲間の下半身事情にドン引きして)『番になる相手以外とはヤらない』と決意をして坊ちゃんの毒の力も借りつつ禁欲生活を送っていて、生涯童貞を貫き通し、今の今まで他のメス共を見ても全くそういう興奮を覚えなかったし、誰かを『犯したい』という欲は一切湧かなかったのに

(そんな俺が、このクソガキ相手に……ッ!?)

 あぁクソ、これはきっと特性を変えられたからだ

 きっとこれは、一時的な気まぐれで

 それで


「ヤツフサ、いいこだったな」

「ーーーーッッッッ!!!!!!」

 まずい、非常にまずい

 俺

(このクソガキ相手に欲情してる……ッ!!)

 クソが

 こんなの一時的な気まぐれだ

 こんな生意気なクソガキ相手に

 俺がこいつの“番犬”になったせいだ

 ……だから

「ユリ……いや、『クソガキさま』」
……え?『クソガキさま』って?」

「俺はもうお前の“番犬”なんだろ、それなら敬意を込めてこう呼んでやるよ『クソガキさま』……ッ!」
……え?」



「覚悟しろよクソガキさま……俺がお前のことを『ユリ』って呼ぶのは、俺がお前の番犬から”卒業”する時だ……ッ!」
 

 はじめまして、クソガキさま。
 

 のちに、この“卒業”が、俺がクソガキさまのことを『ユリ』と呼ぶようになったのが、“ユリが俺の番になったことによるもの”になるとは、この時の俺は夢にも思わなかった。



 ◽︎



 あれから色々あった。

 まず、あのピクニックの直後にニフルが『相棒の証』というものを獲得し、俺たちに向かって
「ザーーーンネンデした♡♡お前ら褐色馬鹿共ヨリも先に俺がユリの“相棒”になっチャッタ〜〜♡♡お前ラはユリのただの家族だけど、俺は正真正銘ユリの家族でイチバンの“相棒”ダもんネ〜〜♡♡アハッ♡♡バーカ!!俺が羨ましイだろ!!失せろ死ね」
 と、俺とコライドンとムスペルに向かって盛大に煽って来たおかげで、ブチギレた俺とコライドンとムスペルは張り合って死ぬ気でランニングをしてクソガキさまの相棒の証とやらを獲得した。
 クソガキさまは「お前らバトルのときは俺の言うこと碌に聞かないくせに、なんで揃いも揃って俺との相棒の証をゲットしているんだよ……」とドン引きしていた。
 俺何やっているんだろうな、本当に。

 そして、クソガキさまに「俺の同期で親友の2人」と2人の少年を紹介された。
 この時に俺はずっこけてカイリューの翼に思いっきり顔を突っ込んでしまってカイリューから「お前滅茶苦茶ノリ良いじゃん(笑)」と謎に絡まれたり、それを見たクソガキさまの親友の1人が笑いながら勝手に写真を撮ってきたり、もう1人のカイリューのトレーナーであるクソガキさまの親友にも「カワイイ〜」と言われたりと、色々ともう頭を抱えることがあったんだけど。
 この、勝手に俺の写真を撮っていた少年とカイリューのトレーナーの少年が、のちに俺の仲間である『マシマシラ』と『キチキギス』を捕まえるとは、この時俺もクソガキさまも想像していなかった。




 そしてクソガキさまとジム巡り?をして、チャンピオン?になって、そしてエリアゼロで色々あって、俺は“世界を救った英雄のひとり”となった。


(英雄、か)
 
 
 かつてキタカミでもそう勝手に崇められて、いつのまにか悪党扱いされて、そして今度はパルデアの地で英雄、か。


(まあだからと言って俺は相変わらずクソガキさまの番犬だけど) 


 今のクソガキさまは「ライとセロリがキタカミに行っているから、その間俺はアカデミーで勉強するんだ」と言ってアカデミーで黙々と授業を受けていた。
 そして俺たちを何度も妹さまと引き会わせて、俺たちと妹さまとの仲を深めようとしていた。
 それだけなら良いんだけど、まるで、何かに追われるように、酷く焦った様子だった。

……?」 

 この時、ちゃんと話を聞いておけばよかった。



 そして、クソガキさまの親友であるライとセロリがキタカミでの林間学校を終えて、そしてあの2人は『マシマシラ』と『キチキギス』を捕まえて帰ってきた。
 
 これには俺もクソガキさまもびっくりした、本当に。
 まずセロリからクソガキさまに連絡が行って「猿か鳥捕まえよーかと思ってるンだけど、どっちがオシャレ?」と聞かれた。
 クソガキさまは「何を持ってお洒落なのかわからないが……」と俺から聞いたマシマシラとキチキギスの評をセロリに伝え、それを聞いたセロリが「んじゃ鳥捕まえよ〜♡」とご機嫌でキチキギスの元へ向かい、その日のうちに「キチキギス捕まえた〜♡」と連絡が来た。行動がはやいな。
 その後、俺とクソガキさまにセロリが続いてキチキギスを捕まえたと知ったライが「それじゃあ同期2人に併せて僕がマシマシラ捕まえてくる!」と連絡してきてその僅か30分でマシマシラを捕まえてきた。だから行動がはやいって!

 そしてあれよあれよと、俺たち『ともっこ』の再会パーティと称して居酒屋で集まることになった。

 俺は「あの2匹と坊ちゃんを残して先にあのキタカミの地を去ったことを、あの2匹に責められるかもしれない」と怯えていたが、クソガキさまが「大丈夫、あの2匹はきっと再会を喜んでくれると思う。それに何があっても俺がついてる」と優しく微笑んで背中を押してくれた。
 そして実際マシマシラとキチキギス……もとい『じろう』と『ユダ』は俺との再会を心の底から喜んでくれて、ライとセロリもそんな俺たちを見てとても嬉しそうにはしゃいでいた。
 もちろん、クソガキさまも。
 ただ、その時クソガキさまはポツリと

「“友達”って、いいなぁ……

……?」



 で、クソガキさまとセロリは眠ってしまい、じろうとユダは酷く酔っ払っているときに、ライに話しかけられた。
 ライに俺たち3匹の昔話をしてやると、ライは楽しそうに相鎚を打って話を聞いてくれたから、ちょっとエスカレートして、その

 昔のじろうの下半身事情を話しちゃって

 そこからはもう大変だった、完全に俺の自業自得。俺の馬鹿。
 じろうの下半身事情を聞いたライが過呼吸を起こし気絶し、ライの過呼吸に反応して飛び起きたクソガキさまは酷く錯乱し、クソガキさまはライの手を強く握りしめ、ライが起きるまでその場を離れようとしなかった。

 そしてその後ライは起きたと思ったらじろうに告白をするという怒涛の展開になり、その後解散した。

「ひっく、ひっく……
……


 こんなクソガキさま、『はじめて』見た。

 他人に対してここまでの執着?を見せて、ここまで泣けるような奴だったのか。
 確かに、クソガキさまは旅の途中何度も風邪をひいてぶっ倒れて、その度に俺が看病していたけど、風邪を引いた時もいつものように笑っていることが多かったから、
 その

 こんな、か弱い奴だったのか。クソガキさまは。

 かつての魔物の姿からは想像出来ないほど、今のクソガキさまの姿は酷くか弱い存在に見えた。

 俺が言葉にできないなにかを喉に詰まらせていると、クソガキさまは急にその場に倒れ込んだ。

「あ"ッッッッ!?どうしたクソガキさま、っ!?凄い熱……ッッ!?もしかして寝る時間とっくに過ぎてまで飲み会してたから……ッ!?しっかりしろ!!ああクソっ!スマホロトム!そらとぶタクシー呼べ!アカデミーのユリの部屋まで送ってもらう!」
『了解ロト!』







……ん」
「起きましたか、クソガキさま」
「やつふさ……?ここ……
「寮の部屋です」
「あ、あぁ、そっか、俺あのあと気絶して……やつふさが運んでくれたのか?」
「はい」
「そっか、ありがとうな」
「氷嚢取り替えますね」
「へへ……きもちいい……
……


 俺は意を決したように“ユリ”に問いかける。

「クソガキさま」
「ん……?」

「俺たちに、それこそライとセロリにも、隠し事してませんか?」

「え……?」

「アカデミーで勉強する時も、妹さまと俺たちを会わせるときも、何か焦っていたように感じました。そしてライとセロリに対するあの眼差しと執着、何か理由がありますよね」

……っ!」

 ユリはただでさえ青白い肌を真っ青にさせ、身体を震わせる。

「俺は、その理由を知りたい。“貴方”の隠し事を知りたい。どうか、教えてくれませんか?」

「そ、それは……っ」

 ユリは俺から目線を逸らそうとする。
 俺はそれがなんだか無性に悲しくて

「俺じゃ、ダメですか、俺は、貴方の『家族』じゃ、『相棒』じゃないんですか……?」
……ッ!!!!」

 ユリはビクっと身体を震わせ、俺を見つめる。


「俺は、貴方の番犬で、家族で、相棒のつもりでした。だから、貴方の悲しみを、苦しみを、俺は知りたい、知りたいんだ……!だから、教えてくれよ、なぁ……ッ!!」


 柄にも合わず、目から涙が溢れてくる。
 どうしてなんだろう。わからない。

 すると、ユリも黄玉のような瞳から大粒の涙を溢れさせ

「ごめん、ごめんヤツフサ……っ!今まで、本当にごめん……っごめんなさい……っ」

 と謝ってきて、ゆっくりと、ぽつりぽつりと、俺に理由を話してくれた。



 元々、ユリはシンオウのフタバタウン出身で、産まれた頃から酷く病弱で、あまり家から出られなかったらしい。
 子供の頃の遊び相手は妹さまことスズランと、近所に住む『ヒカリお姉ちゃん』と『ジュン兄ちゃん』の3人だったけど、ユリ自身は家からあまり出られず、普段は外で遊ぶ3人を家の中から羨ましそうに眺めていたそうだ。
 しかしユリが5歳の頃にヒカリお姉ちゃんとジュン兄ちゃんが旅に出てフタバタウンには滅多に帰ってこなくなり、遊び相手はスズランただ1人になってしまったらしい。
 スズランは何かとユリのことを気にかけていたが、ある日スズランにアカデミー転入の話が出て来て、スズランはユリを置いて母親と共にパルデア地方に引っ越すことになったらしい。

 スズランも母親もユリのことを酷く気にかけてユリも連れてパルデアに行こうとしたが、ユリの身体は長距離の飛行機移動に耐えられる状態ではなく、ユリの方から「良いから行ってこいよ!たまに帰って来てお土産持ってこいよな!」と2人の背中を押して、送り出したそうだ。
 が、それによってユリはひとりぼっちになり、フタバタウンで寂しい思いをすることになった。

 だから、友達と家族というものに憧れを持つ反面、それを失うことに酷く怯えるようになり、周りを寄せ付けないように、一種の試し行為とも呼べるような粗暴な振る舞いをするようになったそうだ。

……それで、な」
……は?」

 その後、ユリは『パルデアに行こう』と必死に努力をして、なんとか体力をつけて、そして遅れてアカデミーに入学したらしいんだが。

「元々な、“1年間限定の入学”なはずだったんだ、アカデミーには」

 1年間アカデミーで学生生活を送ったあとは、シンオウに帰ってまた療養生活に戻る予定だったらしい。
 そしてこれは妹さまと母親、アカデミー教員全員しか知らない話だとか。

「なんだよ、それ……

……だからスズラン、妹は、何かと俺の旅に介入しようとしたんだと思う。俺の旅が安全に、円滑に進むように、1年間に間に合うように」

 ユリ曰く……当初の予定ではパルデアで捕まえたポケモンは最終的にスズランの元に送る予定で、それもあって最小限のポケモンしか捕まえないと決めていたらしい。
 そして、ポケモンに対してあまり入れ込まないようにしようとしていたらしい。
 友達も、家族も、本来は作る予定は無く、ただ1年間の希少な学生生活を送るための、そんな旅になる予定だったとユリは語った。

「だけど……キタカミでヤツフサにひどいことを言っちゃって、スグリを泣かせて、ライとセロリと出会って、お前たちと出会って『家族』になって……それで、それで……ッ」

 ユリは泣きじゃくりながら、俺に向かって震えた手をゆっくりとのばす。

「俺っ、俺、いつかシンオウに帰らなきゃいけないのに、まだ、やり残したことも、まだやりたいこともたくさんあるのに、俺、俺……っ」

 お前たちを『友達』『家族』として俺に縛りたくなかったのに、お前たちを愛してしまって縛り付けてしまった。
 お前たちとずっと一緒に居たいのに。
 さよならしたくないのに。
 いつか来るさよならは、絶対に苦しいのに。

 ユリは吐き出すように、俺に言う。

「ごめん、ヤツフサ、本当にごめんなさい、あの時、酷いこと、たくさん言って、ごめん、ごめん、本当は、お前のこと、最初から、」

 大粒の涙をボロボロと溢れさせるユリの瞳に、俺の手を上からそっと覆い被せる。
 
「なんだよ、それ」
「ごめん、本当はずっと、謝りたくて、でも、言ったら、お前との別れの日が早まるような気がして、ごめん、ごめん……っ」
……あぁ、くそ」

 全てに合点がいった。
 身体が弱いのに旅を続けることも、あのときの魔物としての振る舞いも、妹さまのあの言動も、友への執着も、俺に対して頑なに謝らなかったのも。
 全部、なにもかも全部。

……クソガキさま、いや、“ユリ”」
……ヤツフサ?」

 言わなくては、言わなくちゃいけない。

「俺は、ともっこです。己の欲望に忠実で、欲しいものは必ず手に入れて、逃がさないようにする生き物です」
……?」

 ユリの目を覆っていた手をゆっくりと外し、その手をユリの頬に添えて俺は告白をした。

「だから、

 ユリ、俺の番になってほしい。

 ……いや、お前を、ユリを俺の番にする。絶対に。

 そして、ユリがシンオウに帰らないように、俺に縛り付けてやる」



……はぁ!?」

 俺の言葉を受けたユリは、一気に顔を真っ赤にしてパニックになりながらも俺に問いかける。

「ばっ、馬鹿!お前『番』の意味わかっていてそんなん言ってるのか!?🫨🫨🫨」
「当然でーす!少なくともクソガキさまよりは理解してまーす🫵😄🌱」
「だ、第一俺男だし!ニンゲンだし!それにぶっちゃけお前俺のことそういう目で見てないだろ馬鹿が‼️🫨」
「はー?😄この前の『童貞騒ぎ』忘れたんですかー?クソガキさまのこと元々そういう目で見てますけど俺🫵😄🌱」
……ッッッッ⁉️⁉️⁉️⁉️🫨🫨🫨🫨」

 目を逸らそうとしたユリの顔を引き寄せて、俺はユリの瞳をまっすぐに見つめて言う。

「俺は、“ユリのヤツフサ”は、本気でお前に、ユリに、『俺の番になれ』って言っている……だから、俺のことを置いて何処かに消えるなんて、許さない」

 あの時、魔物が俺を置いて去った時。

 あの時、魔性が俺を置いて去ろうとした時。

 あの時、クソガキさまが俺を置いて他の奴を構おうとした時。

 そして、ユリがいつか俺を置いて何処かに消えてしまうことを聞かされた今。

 俺は、魔物を、魔性を、クソガキさまを、


 ユリを、


 もう二度と離したくないと思った。

 幾度にも渡る『はじめまして』と『さよなら』によって、俺はユリに対して複雑な執着と愛を抱いてしまったようだ。

 それなのに、また、俺の前から消えようとするなんて、絶対に許さない。

「ユリ、一生ここに居てくれ、俺の隣にいてくれ、1年間限定の家族なんて嫌だ、まだ、俺もユリとやりたいことがたくさんある。俺自身まだユリに話していないことがたくさんある。そして何より、俺はユリが好きだ。今までそんな素振りあまり見せていなかったし、俺自身も自覚していなかったけど、でも、お前がいつかいなくなるって聞いたら、俺、俺……ッ」
「ヤツフサ……

 俺が触れたら、俺の番にしてしまったら、ユリの身体は毒で汚れて、枯れてしまうかもしれない。
 本来なら、この白い花を故郷のシンオウとやらに帰して、シンオウでその生を全うさせてやるのが、正しいのかもしれない。


 でも、俺は、『ともっこ』だから。


「ユリ、俺の番になって、お願いだから」


 俺はそっとユリに触れ、抱きしめる。

 俺が摘んで自分のものにしてしまったらその白い花は枯れてしまうことを、頭の中ではわかっていても、俺は『ともっこ』だから。


 ユリはそっと俺の背中に手を回して


「俺をお前の番にして、俺をお前に縛り付けてくれ、すき、すきだよ、すきだよヤツフサ……ッ」


 こうして、俺とユリは『番』になった。










「おや、言っていませんでしたか? 『1年間云々』は所謂“お試し入学”で、1年間でユリさんがアカデミーとパルデアに馴染むことが出来て、体調も良かったら、そのままアカデミーに本入学してパルデアに永住するっていう話でしたが……?」
「あら?ユリに話していなかったかしら?」
「兄さん♡?もしかして勘違いしていたの?かわいいねッ♡♡♡」

……え?」
……は?」
「待って?」
「まじで?」

 後日、ライとセロリに一連の説明をしたら「校長とユリくんのお母さんにお願いしに行こうッッ!!」と行動力の塊のライとセロリが校長とクソガキさまの母親とおまけに妹さまにアポを取ってくれて、こうして集まったんだけど。

 なんか、その、

「クソガキさま」
……はい」

「色んな人を巻き込むので、人の話はちゃんと聞きましょうね……ッ!?💢💢💢」

「ご、ごめんなさいッッッッ‼️‼️‼️‼️😭😭😭😭😭」



「まぁまぁ、良かったじゃねえか?ヤツフサも想いをユリに伝えられたんだろ?」
「これぞ終わりよければ全てよしってネ」
「五月蝿えッッッッ!!じろう!!ユダ!!俺のクソガキさまをこれ以上甘やかすなッッッッ!!💢💢💢」

 完



 おまけ 後日談




ライ「……で、ヤツフサくん」
🐶「はい」
🦢「ユリチャンとは番になったんだろ?」
🐶「はい」
セロ「つまりさ〜」
🐶「はい」

🐒「おめえ、そろそろ番に手ェ出したのか?」

🐶「出せるわけ無くないッッッッ!?!?!?」

ライ「あー、やっぱりね〜?」
🐶「やっぱりって何!?ライお前何が言いたいんだよ!?」
ライ「いや〜その〜ね!」
🐶「色々含んだ困った笑顔で俺を見るのやめてくれねえか!?🫨🫨🫨」
セロ「いや〜それにしてもユリパイセンのクソデカ感情の一因がまさかああいう理由があったとは〜」
🐶「まぁその件に関してはクソガキさま他にもまだ色々隠しているとは思うんだけど」
ライ「いや〜それでも理由のひとつがわかって良かったよ🥲でも体調が更に悪化したら空気が澄んでるシンオウに帰る可能性はまだあるんでしょ……?ユリくんとスズラン先輩のお母さん曰く」
🐶「……まぁ、その時は俺が最終手段使うつもりだけど」
🐒「手を出す勇気はねえのに“毒”を盛る覚悟はあるのか(笑)てめぇは本当に昔から変な方向で行動力がある奴だなぁ!ヤツフサ!(爆笑)」
🐶「……勝手に言えよ、クソガキさまはもう俺の番だし、番を大事にするのも毒を盛って縛りつけるのも、俺の勝手だろ」
🦢「じゃあユリチャンのために後ろのかいはt」
🐶「俺がクソガキさまを抱く側になるから結構です」


 今度こそ完🫨







ちょっとした解説

 ヤツフサくんは『クソガキ時代のユリと今のユリのギャップにやられて一目惚れした』という設定なのを私自身何度か話していましたが、ヤツフサくん、おそらく無自覚にユリ兄さんに本格的に惹かれていったんだと思うんですよね。
 ヤツフサくん本人が無自覚だったから、途中途中の描写がめちゃくちゃふわふわしていて、ヤツフサくんが突然告白したように見えるんですよ。
 本人が知らないうちに、ユリ兄さんに恋をして、そしてユリ兄さんが自分の元をいつか去るという現実を叩きつけられて、はじめてユリ兄さんに対する恋心とか執着とか諸々を自覚して、一気に感情が溢れて、それであんな告白に。
 んでもってユリ兄さん自身も、無自覚にヤツフサくんのことが好きだったというか、おそらく『最初に出会ったときから』ヤツフサくんのことが好きだったんだと思うんですよね。
 リアルプレイヤーの私がヤツフサくん(とニフルさま)をユリ兄さんの手持ちに加えようと思い立ったのが仕事中のことだったんですが、その時から頭の中はあの2匹のことでいっぱいで

 そして私、スズランちゃんの時はイイネイヌもパオジアンもあまり好きじゃなかったんですよね

 でも、なぜかユリ兄さんの手持ちを考えた時に、本来好きじゃないはずのあの2匹がすごく気になってしまって。
 
 もうこの時から、最初からユリ兄さんはヤツフサくん(とニフルさま)と相思相愛でしたね、おそらく。

 イイネイヌとパオジアンはスズランちゃんの運命ではなかったから私自身あまり好きじゃなかったけど

 ヤツフサくんは、ユリ兄さんにとっての『八房』でしたね。

 乱文ッッッッ🫨🫨🫨🫨🫨

 おわり