ぽふむん
2025-04-12 22:50:00
1522文字
Public ワンドロ
 

おいでませビストロニルヴァーナ

#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「依存」「血色」
氷柱if
ストイックを通り越して、普通の女の子としての生活能力はポンコツなしのぶちゃん。
氷柱の健康管理、料理力に依存(甘え)ているうちに、すっかり健康的ボディの女の子です

パスタ……国産になると、さすがに戦後になりますが、西洋人居留地とかでは明治時代には既にあったそうです。

(胡蝶しのぶ。あなたは堕落しました)
しのぶは、心の中で自身を叱咤した。


鏡に映る自分の姿を見て愕然とする。
見る影もないとはこういう事か。
一体なんだ、この姿は。

なんという血色の良い健康的な顔色なのだろう。
それは、白粉など塗る必要もないような、十八の健康的な少女の物。

以前の、不健康で青白く、痩せこけたものでは無い。
それを厚化粧で誤魔化したものでは無い。
今でも細いが、以前のようにカサカサし、水分と油分の足りていないものでは無い。
健康的な肢体。

(なんですか。このわがままなで自堕落な体は!!)

余分な肉などなく、程よく引き締まり、肌ツヤよく、健康的に生き生き、すくすく

万世童磨によって育て上げられた、見事な肉体を前にしのぶはわななく。

(ダメよ。こんな……)

これでは、しのぶが、童磨が居なくては健康管理一つできないダメな女みたいでは無いか。
(そりゃあ……研究に夢中になると、気がつくと三日もまともに食事すらしないのが普通でしたが)
水分補給はキチンとしていた。

コーヒーで

たまに、チョコレートでカロリー摂取していた。
食事なんて3食食べる必要なんてない。
お腹が空くと言う感覚も分からない。
食事なんて三日ぐらいしなくても平気。
そんな少女だったのに、彼がお世話してくれるようになり……


堕落した


きゅううううう

お腹が鳴る。
お腹すいた

ご飯が食べたい。童磨の所へ行きましょう。


🍝🍝🍝🍝🍝🍝🍝🍝🍝🍝🍝

「やぁ、いらっしゃい。しのぶちゃん」
極楽教寺院に行くと、説法中だった童磨が話を中断し出迎えてくれた。
「大したものはないけど、西洋うどんパスタでお昼にしよう」
そう言って取り出したのは、水に漬けられた西洋うどん。

「お水と白ぶどう酒、塩と昆布。漬けて三時間程かな?」

大した物はないといいながら、しのぶの来訪を見越して用意しておいた事は明白だ。
童磨は手馴れた手つきで、ニンニクを炒めだした。
「おっいい匂いしてきた❤じゃ入れよう」
じゃ〜っと麺を煮る音が響く。

「あのぉ……あなた本業中だったのでは……
美味しそう。いい感じに乳化してきた。そう思いながらしのぶは問いかけた。

「良いんだよ。木の芽時だね……単なる愚痴を延々と聞いてるだけだったから。話を切りあげるいいキッカケにもなったよ」

よいしょよいしょぉ
童磨は軽々と鍋を振る。
その仕草とは不釣り合いな掛け声はやけに楽しそう。
なるほど、いい加減めんどくさかったのだろう。
今日の信者はしつこかったらしい。
童磨が黙って話を聞き、たまに相槌を打ってくれる。
それをいいことに、補佐官・神山の制止も聞かず、延々と話し続けていたそうだ。
あとが詰まっていなかったのが、不幸か幸いか。

「あなた、たまには怒りなさいよ」
「えー、なんで?怒ると疲れるじゃない。疲れるとおなかが空く。お腹が空くと元気が無くなるじゃないか」
しのぶに言われても、童磨は素知らぬ顔だ。
「さ、桜えびと鰹節。春キャベツを……どーん」

「美味しそう(´,,•﹃•,,`)」

料理を手伝うことなく、ただ見てるだけのしのぶは、もう食べる臨戦態勢だ。

「できたよ。お皿にどーん。よいしょぉ❤」

「もう食べていい?」
「どうぞぉ❤召し上がれ❤」
二人の間には、春キャベツの鮮やかな緑と、桜えびの桃色に彩られたふたつの西洋うどん。
「おいひい。グルタミン酸とイノシン酸が程よく調和して」
しのぶは普通の食に関する感想とは違う、風変わりな感想を述べた。
「でしょ?」
西洋うどんを幸せそうに頬張るしのぶを見て、童磨は微笑んだ。