しらかば
2025-04-11 12:21:50
4129文字
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泡沫夢幻本編2部ボツネタまとめ

スマホに眠ってた本編ボツネタまとめ。2部です

本編ボツネタまとめ。
実際の本編とは全く異なるので本編とは無関係です。途中で投げてるのも多いです。
3作品。
こうなる可能性があったんだなーくらいの気分でゆるりとお楽しみ下さい。

なお全部和希絡み。笑


ーーーーー
【和希対蒼の草案。過去の対戦ここまで長くなくてよくない?でボツ】

あの日。
目の前で同胞を失った。
3人。いや、それ以上。
蒼い殺人鬼。奴の捕縛任務に駆り出された同胞の数。
そして奴に殺された仲間の数。
実際に殺したのはまだ多い。奴は殺しを好むキチガイだから。
「朝比奈蒼、お前を捕縛する」
鷺内和希はそんなことを言って殺された同胞の為に同じ言葉を吐いた。
任務は勿論、この殺人鬼の捕縛である。
「お前に出ているのは捕縛命令だ。殺しはしないから団長に感謝しろよ?」
男、朝比奈蒼は笑った。
「やっと楽しめそうな相手が来ましたか」
「楽しむ、ね」
本当に狂っている。
殺してやりたい。
仲間の屍に報いる為に殺してやりたい。
和希は腰にある拳銃を両手に持ち、すぐさまそれを放つ。
「ハハッ、拳銃使いでしたか!それも2丁拳銃!では俺も同じ土俵に立ちましょうか!」
蒼の手には和希と同じ型の拳銃が握られていた。
銃弾の放たれる音が無数に響く。
その銃弾を避けるべく建物の屋根へと移動する。和希の足元にはバチバチと小さな雷が起きていた。
曰く、雷から雷への瞬間移動。己を極めているからこそ為せる技である。
「武器創造……俺と同じ武器を出すとか、本当に趣味が悪いな」
上から蒼を見下ろすと、背後から矢が和希めがけ放たれた。
それを避けるべく飛び降り、再び銃を放つ。
「趣味が悪い、と聞こえましたので」
銃弾で牽制した和希の着地した目の前では蒼が剣を振るっていた。


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【凍磨の暴走がちらついた後の大佐組。前半は超越設定がだいぶ内容変わったためボツ。後半は本編にもありますね】

……で、なんの用?」
時刻にして凍磨の去った直後。
騎士団内部にある自動販売機の前に、その二人はいた。
「いやー、ごめんごめん。別にデートのお誘いじゃないんだよ?団長のいる所じゃ全部筒抜けだから、二人になりたくてさ」
鷺内和希。雷霆と呼ばれる男。
「手短に頼むわ。私も任務直後なのよ」
小鳥遊玲依。戦乙女と呼ばれる女。
ここにいるのは騎士団の誇るナンバー1と2の実力者だった。
和希は飲む?と自動販売機に小銭を入れ、玲依は抹茶オレのボタンを押した。和希はミルクティーを購入。その缶を開けながら壁にもたれ掛かる。
「報告書を見ていて気になったんだけど、玲依ちゃんが行った時には建物が壊れていたんだよね?それを凍磨は?」
「知らなかった。私がやったのかと聞いてきた」
「それ、おかしな話なんだよね」
玲依は抹茶ラテを開封し、和希の隣の壁に縋る。
「と、言うと?」
「仮に月光の奴らがそこに二人いたとして、シスターと大男だろう?どちらでもないんだよ、抉れるように建物を壊せる能力者が」
「じゃあ、誰がやったって言うの?」
和希はミルクティーを一口。そして玲依を横目に見て答えを告げる。
「朝霧凍磨」
「え?そんなはずないじゃない、彼は私が行くまで気を失っていたのよ?」
「それで対戦経験のある君に聞きたいんだよ、彼が能力を剣や己の体を媒介に纏う以外の使い方をするのを見たことある?」
そういえばない気がする。
初めて会った時から、凍磨の戦い方は剣に闇を纏わせそれを衝撃波として飛ばすか己の体に纏わせるもののように思う。それに、そんなことをすると聞いたこともない。
「少なくとも私はないわ。それが何か?」
「いや、彼……俺と同じかもしれないな、って」
そう言いながら飲み干した缶をゴミ箱に投げる。見事に入った。
「つまり、能力が貴方のように覚醒するかもしれないと?」
能力の覚醒。
玲依も聞いたことがあるが実際に見たのは目の前の男のみである。
能力を極めた一部の者が到達する領域。主に属性系の能力者がそれに達しやすいらしいが玲依にも詳しくは分からない。
「うん。気になってたんだよね。どうして能力詳細が闇属性、ではなく黒き闇を司る、なのかって」
「それで、凍磨にあんなに発破をかけていたと?」
「まあ、それもあるけど……多分このままじゃ、彼は己の能力に呑まれるね。彼の場合は感情が闇に持っていかれると言う感じなのかな。まあ、それも俺達にはどうしようもないけど、歯車は多分動き出してるんじゃないかなって。それを己の力とするか、はたまた呑まれて死ぬか……気になる後輩くんだから、失いたくないじゃん?」
感情の起伏で能力の力が変わる。それは玲依も見てきていた。
「だからそれを奴らに利用されないといいけど。覚醒が近い能力者なんてそうそうお目にかかれないしね。それで、玲依ちゃんにお願いしようと思ったんだ。朝霧凍磨を気にかけて欲しいんだ」
「どうして私に?」
「俺は……
和希はふいに玲依の背の壁に手を付いた。傍から見れば壁ドン、とやらである。
玲依がちらりと見ると違う職員が自動販売機を利用すべく近づいている。この話を聞かれたくないのだろう。
和希が玲依の耳元に口を近づける。
「俺には奴らを殺す命令が出ている。多分これを知れば朝霧凍磨は俺を止めようとするんじゃないかな。だけど大丈夫。今度こそ……俺は誰一人死なせない」
玲依がはっとして顔をあげると玲依の唇を縦にするように和希の人差し指があった。
「ナイショだよ」
ニコッと笑い彼は指を離し、玲依に背を向け離れていった。
「和希!」
それがどこか遠くに行きそうで。
思わず呼び止めてしまう。
……死なないでよ、和希」
「ハハッ、あの玲依ちゃんが他人の心配するの?大丈夫大丈夫、俺は【最強】だぜ?」
彼の笑みに、何か寂しさを覚えた。



「蒼い殺人鬼の件で、捕えに行った者がまた殺された。これで4人目か……
あれはいつだったか。
執務室で騎士団長が悲しそうに報告書を見ていたのを俺は覚えている。
「複数人で行かせている次の部隊を撤収し野放しにすべきか……同胞を殺してしまったのは俺の采配ミスが原因か」
違う、貴方のせいじゃない。
……団長、俺に行かせてくれませんか」
だから俺は志願した。
貴方は悪くない。そう、証明するために。
「和希、お前は」
「貴方は悪くない、悪いのはこの殺人鬼だ。だから俺がそれを証明します。だから……俺に、命じてよ」
いつでも貴方は悪くない。
俺の大切な家族。
……これは騎士団団長としてではなく一個人、望月大和としての独り言だ。俺は和希を傷つけたくない、だからお前の優しさに甘える訳には行かない。俺は……息子を、見殺しにしたくない」
「じゃあ俺も、鷺内和希として独り言を言わせてよ。俺は死なない、絶対に父さんの命令を遂行する。それだけの為にここにいるから、もう誰も死なせない」

そう言った俺が見たのは、目の前で殺される同胞達だった。

「っ……あ、ああっ!!」
目の前で笑うのは蒼を身に纏う男。
手を伸ばした。
届かなかった。
こんな世界で、こんな仕事で、死ぬ事だってある。
そんなことは分かっている。
それでも。
殺人鬼は俺にも襲いかかる。
「また騎士団の追手ですか?そろそろ手応えのある相手が欲しいのですが。俺を捕えると言いながら優しさを見せるから死んでしまうんですよね?戦いなんて、殺すか殺されるかでしょうに」
「そうだね。だがお前みたいなクズでも出ている命令は捕縛なんだ、殺しはしないから団長に感謝しろよ」
あの日。俺は。
そう言いながら本気で殺してやろうと思った。
「少しは楽しめそうな奴が漸く来ましたか!丁度いい、俺を楽しませて下さいよ!」
「楽しむ、か」
そんな余裕は与えない。
お前には武器も出さない。
俺を殺そうと駆け出す奴にただ一撃。雷を撃つだけだった。
殺したい、お前を殺してやりたい。
今からでも己の拳銃で眉間をぶち抜いてやりたい。同胞に報いたい。
それでも、命令を守った。
俺一人しか立っていない世界で、俺は朝比奈を捕らえた。
朝比奈は死刑になった。当然だ、何人も人を己の快楽の為に殺したのだから。

「ああ、あの時」

こんなことになるなら殺しておけば良かったと、何万回も思った。

……優しさだけでは、死んだ仲間に報いる事は出来ないんだよ。凍磨」

俺に命令は下った。
俺は団長の命令を遂行するだけ。
今後こそ。
「俺がお前を殺す。朝比奈蒼」


ーーーーー
【凍磨対御鶴前。これ御鶴入れたら紛らわしくない?でボツ。この辺は和希との口調迷子】

時刻を凍磨が部屋を飛び出したのと同じくして、御鶴は教会へと走っていた。
相手が皇帝ならば宮代の者は使えない。
一個人として、親友を守りたい。それだけだった。
凍磨が人を殺す。
止めなければ。
僕が凍磨を止めなければ。
その時、急ぐ御鶴を止めるように目の前に人が現れた。
「英雄ーー宮代御鶴、だよね」
その男は青い羽織……マントだろうか?を羽織り、ミルクティーのように薄い茶髪に赤いメッシュ。見間違えるはずのない有名人で御鶴と凍磨が作戦の為に避けていた人物。
「雷霆ーー鷺内和希」
「どうしてここに?って顔だね」
「急いでいるのですが」
今はお前に構う暇はない。
凍磨の事が先決だ。
「別に君達が何をしようと俺には関係ない。だけど忠告だよ。このままだと死ぬぞ、朝霧凍磨は」
……は?」
「今ここに陰陽師服でいると言うことは英雄様には視えたんだろう?凍磨が人を殺す姿が」
どうしてそれを?
「能力ってのは稀に暴走する事があってね。本当に稀にだけど。自分の感情に気づかず人のことばかり考えていた報いだろうね。自分のものに出来れば見事レベルアップ。失敗した場合暴走に耐えきれず精神は崩壊、そして呑まれて死ぬ。殆どの人間が死ぬよ。俺は何人も見てきたから。殺して止めるか、生かしてそれを会得させるに賭けるかーー殺すなら手伝うよ?」
「愚問です。貴方の助けはいりません」
「だろうね」
ま、忠告はしたから。