sousakuyamamusume
2025-04-10 18:08:13
1152文字
Public 一次創作
 

彼岸警邏隊0

過去篇
スギナがコールを「旦那」と呼び始めた話

「コードネーム『スギナ』だ。あまりいじめてくれるなよ。」
……よろしくお願いします。」
 その男は、ツルギの奴が直々に引き抜いた刑事上がりの奴だった。
 コードネームで呼ばれることにも慣れてない。それどころか、集団行動すら向いてない。よくこれで刑事やれてたなと思うほどに、奴は狂犬だった。なんでも、バディが突然怪異憑きになったからと自前のリボルバーで撃ったんだとか。撃てたのか、こいつは。……俺と違って。
 で、数ヶ月経った頃に気がついたことがある。こいつ、常にどっかしら怪我してやがる。
「ったく、無茶ばっかするからだ。家族も心配してるだろうに。」
「関係ないでしょ、あんたには。」
「ある。相棒だ。」
……そうかよ。」
 1つ肩をすくめてその場を立ち去る。
 随分と可愛くない後輩なこった。

 絆されないようにしていたつもりだった。また、喪うのが怖かった。喪うだけならまだしも、俺が奪うことになるかもしれないと思うと、尚更怖いと思っていた。だから、極力つっけんどんにしていた。構わないで欲しかった。
「なんで、俺なんか庇って……。」
「そりゃあ、実戦経験もねぇ奴を実戦経験あるやつがカバーするのは当たり前だろうが……。」
 なんだよ。あんたも、いなくなるのかよ。
……認められるか。」
 残弾は30発。コールは負傷して動けない。応援が来るのはあと20分後。周囲はヒト型の怪異に囲まれている。攻撃方法はひっかきと噛みつき。
「スギナ、待て、お前何を」
「そんな結末!俺は絶対認めない……!!」
 そうだ。認められるか、こんな終わり方。とっくに絆されてるんだったら、開き直ってやりゃあいい。
「馬鹿!なんのために庇ったと……!」
「俺、借りはすぐに返す主義なんでね!諦めてくれよ、コールの旦那。」
 言ってみて、意外と馴染むと思った。

 リボルバーは反動が大きい。あたれば効果的だが、外れれば腕が傷む。だからこそ、驚いた。
……火事場の馬鹿力ってやつか?」
「さあ、どうだか!」
 惚れ惚れするほどに正確に、スギナは奴らの頭を撃ち抜いていく。1つ、2つと奴らの身体が転がっていく。
 さっきは火事場の馬鹿力なんて言ったが、こいつぁ、そんな生半可なもんじゃない。こいつは、スギナは、銃の女神さまにでも見初められてるのかもしれない。そんな馬鹿なことを考えるほどに正確で、だからこそ無慈悲だった。
「な、しま、ッ」
「そら、こっちだ!」
「旦那!?」
 リボルバーの弱点であるリロードの隙を狙った輩の目くらましぐらいなら怪我しててもできるっての。こう見えても元傭兵だぞ?ってか。
「それで定着するのか……。」
「嫌?」
「不思議と馴染むじゃねぇかと思っただけだ。」
 旦那。わるかない響きだ。