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たくとろ
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ロイリコ新章開幕前の妄想話②
3本あります。
3つ目は付き合ってるロイリコ。ウルトはこういうの信じてそーだなーって思った。
⚪︎ルカリオ
ルカリオ、はどうポケモン。人やポケモンが発する波動を感じ取ることで考えや動きを読み取ることができ、鍛え抜かれたルカリオであれば、一キロ先に誰がいて、どんな気持ちなのかも分かる。
ラクアでの決戦からの一年でロイの仲間になったこのポケモンは度々、ロイからそれまでの冒険のことを聞かされていた。
その中でよく出てくる少女の名前
…
リコ。この名前が出る度、ルカリオは思っていた。
ロイの波動がとても強くなる、と。
「リコとは何度もバトルをしたんだ!バトルのときのリコ、すっごくカッコいいんだ。ルカリオもいつかリコとバトルしようね!」
元気に話すロイの波動は大きく揺れている。どうやらリコという少女とのバトルは相当に楽しいらしい。色んな冒険の話の中で、一番の盛り上がりだ。
「リコは優しくて、カッコよくて
…
かわいくて
…
とにかくすっごくいい子なんだ!」
波動を感じ取るまでもなく、ルカリオはその表情でロイの気持ちを理解した。ロイは相当リコのことが好きらしい。
そして、数ヶ月後
…
「リコ、紹介するね。こっちはルカリオ。みんなとお別れしてから仲間になったんだ」
「そうなんだ。よろしくね、ルカリオ」
この女の子がリコ
…
確かにロイの言う通りの子だとルカリオは感じ、挨拶を返した。
リコのポケモンともご対面だ。マスカーニャもテブリムも優しい波動をしている。しかし、ルカリオが気になるのはやはりロイとリコの波動だ。再会の喜びからか、とてもとても大きく揺らめいている。
「リコ、これからまた一緒に頑張ろうね!」
「うん!ロイとまた一緒に戦えるの嬉しいよ」
なんの気ない二人の会話だが、波動から読み取れる二人の本音は
…
「リコすっごいかわいい
…
お団子
…
かわいい
…
髪伸びて前より綺麗だ
…
」
「ロイすっごい背伸びて
…
カッコいい
…
どうしよう
…
顔に出てないかな
…
」
自然な笑顔を向けあっているが、内面はこうである。よく抑えて話せるものだとルカリオが感心していると、その足をちょんちょんとつつく者がいた。テブリムだ。
ルカリオはその意図もすぐに理解した。ロイたちの気持ちが分かるのかと聞きたいらしい。ルカリオが頷くと、テブリムはにっこりと笑い右手を差し出した。ルカリオもしゃがんで右手を突き出して軽くグータッチ。ロイとリコの恋模様をひそかに見守るタッグの誕生だった。
⚪︎先へいける、進む
「ルカリオ、はどうだん!アチゲータ、かえんほうしゃ!!」
波動の力を込めた球をアチゲータの炎が押し出す。攻撃は野生のキリキザンが率いるコマタナの群れを吹き飛ばした。立ち上がったキリキザンたちはそそくさろ逃げ去っていく。
「よし、お疲れルカリオ、アチゲータ」
ロイは二匹にオボンのみを渡してそう言った。受け取った木の実を二匹はガツガツと食べる。少し離れたところでロイのバトルを見ていたリコはじっと考えていた。
ロイは強くなった。一緒に冒険していたあの頃よりもずっとずっと強くなった。二人で並んでいたはずなのに、今は明らかな差がある。
『ロイとならもっと先へいける』
いつか、そんなことを考えていたっけ。
ロイが強くなったことは友達として、仲間として、喜ぶべきなのに。どうしてか胸の奥が痛い。
二人で歩いていくと、今度は野生のグラエナの群れに囲まれた。ロイと背中を合わせてバトルを始める。
ロイはタイカイデンも絡めた三匹のコンビネーションで軽々とグラエナたちを倒していく。リコも負けじと指示を出す。マスカーニャで攻めながら、近づいてきたグラエナをテブリムのぶんまわすで追い払う。さらにマスカーニャの攻撃で追い討ちをかけて、あっという間にグラエナたちを退けることができた。
「ふう
…
」
「リコ!やっぱりリコって強いよね!!」
「え?そ、そうかな
…
でも、ロイもすっごく強くなったよね」
「へへ。いっぱい冒険したし、カロスで修行だってしたからね!」
ロイは意気揚々と拳を握る。アチゲータたちもそれに頷いて、自信に満ちた顔をしている。きっと、自分の知らないところでロイはとても強くなった。
私がいなくても、ロイは強くなれたんだ。
ライジングボルテッカーズが解散して、みんな離れ離れになって、ロイと一緒にいられなくなった間に、ロイは新しい出会いも得て、とっても強くなった。
リコはそのことに、たまらなくモヤモヤしていた。そばにいて、色んなことを知っていたのに。いつしか距離は遠のいていて、ロイは自分よりも高めあえるライバルだっているかもしれない。自分よりも素敵な友達がいるかもしれない。なんでも話せて、一緒に戦って、時々ドキッとするような
…
ん?
色々考えていくうちに、何か変なものが混ざった気がした。リコはそれがなんなのか分からない。胸の中で感じたそれに違和感を持っていると、ロイが話を再開した。
「でもねリコ、僕これからもっと強くなるよ」
ロイはそう言ってリコをじっと見つめる。口を開けたまま動かないリコにロイは続ける。
「だって、リコといっしょだもん。リコとならもっと先へいける。あの日そう言ったでしょ?」
胸の奥でなにかが生まれた。いや、目覚める感覚だ。ロイの言葉で、胸が熱くなっていく。
「うん
…
言ったね」
「だから僕はこれからもっと強くなるんだ!リコもそうだよ。二人でもっともっと強くなって、奪われたもの全部取り戻して、さらに先へ行こう」
ロイが右手を前に出す。心臓がうるさくなって、リコの左手は自然と目の前のロイの手を掴んだ。
そうだ、今は差があってもこれから二人で強くなりながら追いつけばいい。
握った手を上に持ち上げて、その先のロイの顔を見つめる。
「ロイ、これから頑張ろう」
「うん!」
胸の奥で目覚めたのは、ずっとロイを想っていた気持ち。
⚪︎ウブなウルト
リコを連れ出して再び始まった冒険。ドットとも合流し、なぜかウルトも加わった四人での旅の途中、森でキャンプをして晩ご飯を食べた後、リコとロイはテントから少し離れたところで岩に座って互いの顔を見つめ合っていた。
「リコ
…
」
「ロイ
…
」
頬を撫で、額を当てれば鼻もくっつく。体も密着して、愛し合う二人の空気が流れている。そして、顔を離してロイは改めてリコの顔をじっと見つめる。リコの頬に手を当て、また名前を呼ぶ。
「
…
リコ」
「
…
うん」
リコが目を瞑ると、ロイはゆっくりと顔を近づけていく。リコの白い肌で視界が埋まる。視線を落とせば、ピンク色の綺麗な唇。ロイも目を瞑り、唇を重ねた。
「ロイ!ここにいたか!バトルしようぜ!」
茂みから飛び出したウルトがそう言うと、甘い空気は散って、夜の冷たい風が吹いた。落ち葉が飛び、一瞬の沈黙が流れた。
「お、おま、お前らなにしてんだ!?」
ウルトの言葉と共にロイはリコの顔から離れた。真っ赤な顔がウルトの方を向く。
「もう
…
邪魔しないでよ」
「いやいやお前らマジでなにやってんだよ!?」
「なにって
…
見りゃわかるでしょ?キスしてたの」
ロイは目を細くして投げやりに言う。リコはロイの胸に顔を埋めて黙り込んでしまった。だが、赤くなっているのはウルトも同じだ。
「お前ら
…
い、いいのかよ!冒険中にそんなことして!!」
「いいでしょ別に
…
わざわざウルトとドットに見えないとこに移動してやってるんだから
…
僕たちだって恋人としてしたいことはちゃんとあるの」
「
…
おいロイ、まさか知らないのか?」
「?なにを?」
ドン引き。ウルトの顔はまさにそんなものになった。ロイが早く教えてと急かすと、ウルトは真剣な顔になって人差し指を突き出した。そして勢いよく言葉を放つ。
「キスしたら子どもができるんだぞ!!」
リコとロイはぽかんと固まった。顔を見合わせ、ウルトの方に向き直し、また顔を見合わせると首を傾げて苦笑いを浮かべる。
「冒険中に子どもなんてできたらどうすんだよ!!」
「そう
…
だね
…
」
確かにウルトの言っていることはもっともだが、肝心な部分が間違っているので反応に困る。どうしたものかと困っているところにリコが耳打ちする。
「ウルトって純粋
…
なのかな?」
「そうかも
…
僕も今までそういう話はしてこなかったし
…
」
ひそひそ声で話していると、ウルトはムッとした表情を浮かべる。二人が気づかずにいると、ウルトが声を大にした。
「おい!!なに二人で喋ってんだよ!!」
「ごめんごめん
…
でもさウルト
…
一応言っとくと
…
キスで子どもはできないからね?」
マメパトが豆鉄砲食らったかのような顔をするウルト。しばらくぼーっとした後、真顔になった。
「じゃあ、子どもってどうやってできるんだ?」
「
…
ウルトはまだ知らなくていいよ」
「うん
…
ウルトに恋人ができたら教えるよ」
「な、なんだよお前ら!!教えろよ!!」
騒ぎ立てるウルトを放って、ロイはリコの手をとって立ち上がった。そのまま手を引いて歩き出す。
「さ、もう戻って寝ようか」
「だね。明日もいっぱい歩くだろうしね」
「おい!!無視すんな!!ってかバトルは!?」
「もう遅いからしないよ。ほら、ウルトも早く寝よ。明日すればいいじゃん」
「言ったな!?絶対だぞ!?」
はいはいと流してロイは歩いていく。ひとまず話題をそらせてよかった。リコとロイは揃って息をついた。
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