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傘道
2025-04-07 23:01:34
829文字
Public
ライヒュ
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口紅代わりの貴方
znzrの🐺🦇小説です。
ver1.6メインストーリーのネタバレがあります。
ベッターのバックアップです。
黄昏の中、ダンスでも踊るように鎌と義足が交差する。
火花を散らし、踊り続ける狼男と吸血鬼。
優雅で苛烈なダンス。
しかし視線は殺気が入り混じり穏やかではない。
牙を見せて敵意を隠さない狼男。
笑みを浮かべる吸血鬼。
観客が居るはずなのに、二人だけの世界で踊り続ける。
鎌の刃先がライカンの肩を掠めた。
肉を切らせて骨を断つ。
その言葉を体現するように、ライカンは鋭い蹴りをヒューゴの鳩尾に叩き込んだ。
華奢な身体が飛び、ヘリポートの上に転がる。
鳩尾を押さえながら、ヒューゴは立ち上がる。
そして鎌を構え直した時に、刃先に血が付いているのを発見した。
ライカンの血だ。
オッドアイの瞳が細められ、左手で刃先の血を拭う。
そして自分の唇に血がついた指を当てて、口紅を塗るようになぞった。
蹴りをお見舞いしたライカンは追撃にせず、その光景を見ていた。
ここで急所に叩き込めば倒せるはずなのに、猟奇的で妖艶なかつての相棒から目を離せなかった。
黄昏に染まる中、端正な顔立ちに映える赤。
三日月のように口紅を塗った唇が形を変える。
紳士ぶるのはやめろ。
獣の本能を見せてみろ。
そう言わんばかりの挑発。
お前の血は、口紅に最適だ。
ヒューゴは心の中でそう呟きながら、鎌を大きく振りかざす。
ハッと臨戦体制に戻る隙は、ほんの一瞬だった。
再び鎌と義足が交差する。
至近距離で見えたかつての相棒の顔。
煌めく金色の長髪。
赤と青の美しいオッドアイ。
そして唇に塗られたライカンの血。
それは恐ろしく蠱惑的であった。
あぁ、あの悲劇がなければ。
あの裏切りがなければ。
この妖艶なかつての〝恋人″を抱きしめたかった。
戸惑いながらも美しいと言ってやりたかった。
だが、それは叶わぬ夢。
鎌と義足が火花を散らすダンスはどちらかが倒れるまで続く。
お前の血はとても甘くて綺麗な色をしている。
お前の血で飾られた俺の唇。
どうだ、かぶりつきたくなるほどそそられるだろ?
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