傘道
2025-04-07 22:44:10
2040文字
Public ビリイト
 

♡マークは誰のもの?

znzrの🔫🔦小説です。🔦がメイド服を着る話です。
ベッターのバックアップです。

「パイセン、決闘しましょう。」
突然の宣戦布告。
それは2人っきりでカクテルなどのお酒を嗜んでいる時に起きた。
「今?」
「今でも素面の時でもいつでもいいんで、手合わせして欲しいっす。」
可愛い後輩からのお願い。
聞いてあげたいが、無条件で首を縦に振るのはどうかと考えてしまった自分が居る。
「なんかして欲しいことあったらするんで、決闘してください。」
「して欲しいこと?」
どうやら本当にビリー・キッドと決闘したいらしい。
どこまで本気か知りたくなった。
恥ずかしいことでも?」
「恥ずかしいことってなんすか?」
恥ずかしいことって何だろう?
咄嗟に出た言葉をビリーは考える。
メイド服着て。」
「メイド服。」
「メイドカフェの台詞言うとか?」
萌え萌えきゅん♡
こんな感じの台詞を笑顔を崩さず言えるメイドカフェのメイドはプロだなぁと思う。
言っていてこれはないなと心の中で苦笑いしているとライトは手元にあったカクテルを一気に飲み干した。
少し時間をください。」
……へ?」
「準備があるんで。」
「準備ってなんの?」
「やりますよ。メイド服着てメイドカフェの台詞言うの。」
………マジで?」





そんな会話があって数日後。
『準備できました。』
『いつでもどうぞ。』
こんなノックノックが後輩から来て、ビリーはスマホを落としそうになった。
え?本気?
酔っ払いの戯言じゃなくて?
そこまでして俺と決闘したいの?
動揺が収まらず、慌てて『今行っても大丈夫か?』と返信する。
『いいっすよ。』
『俺の拠点に来てください。』
返事はすぐ返ってきた。



ビリーは目の前の光景が信じられなかった。
足元まで覆い隠す白いカフスが付いた黒のワンピース。
フリルがふんだんに付いた白いエプロン。
深緑色の髪の上にちょこんと乗ったフリル、ホワイトプリム。
首元についたシックな赤いリボン。
どこからどう見てもクラシックなメイド服を着た無敗のチャンピオンだった。
「おかえりなさいませ、ご主人様♡」
サングラス越しに満面の笑みを浮かべるライトを見て、玄関の扉のドアノブを握ったままビリーは固まった。
本当にやりやがった。
呆然と後輩を見つめるビリー。
そしてハッとなり、周りを見渡した後慌てて扉を閉め鍵をかける。
「お、お前!誰かに見られたらどうすんだよ!」
「インターフォン越しに誰も居ないのは見てたんで
「そういう問題じゃねぇ!俺が来てから着替えるでもいいだろ!」
180cm後半の筋肉質な男のはずなのに、顔が整っていて幼さがあるのか今のライトは可愛かった。
正直言って他のやつに見られたくないと独占欲に似たものが心に浮かぶ。
「こっちにも色々準備があるんですよ。パイセンが来てからじゃ間に合わないんで。」
「そっかメイドさんも大変だなぁ。」
ただワンピース着るだけじゃなくて色々大変なんだなぁとビリーはライトの言葉を素直に受け取った。
メイドに案内されたのは寝室。
なんで寝室?
てっきりリビングでオムライス用意してるものだとちょっと期待していたビリーは驚いた。
寝室の方がいいっすよと何故かメイドは不敵な笑みを浮かべている。
寝室にあるライトのベッドにビリーが座ると、背中の大きなリボンを見せながらライトは背を向ける。
一瞬の静寂。
すうっと深呼吸する音が聴こえた。
「も、萌え萌えきゅん!」
くるりと振り返ったメイドは赤面しながらウインクをする。
片手で楕円のように指を丸めて両手をくっつけた形はハートの形をしていた。
再び訪れた静寂。
ビリーは現実を受け入れられずにいた。
あのライトが萌え萌えきゅん?
……なんでもいいからリアクションしてくださいよ。」
恥ずかしいのか顔が赤いまま、指で頬を掻くライトに言われてビリーは我に返った。
「あ、悪い悪い。脳の処理が追いつかなかったぜ。えっとその、可愛いなぁ。」
脳内で先程の光景を再生したが、萌え萌えきゅんな後輩はとても可愛かった。
多分恥ずかしがってもう二度やらないだろうなぁとしっかり脳に映像を焼き付けておく。
そんな作業を天井を見ながら脳内でやっていたビリーは、メイドが自分のそばまで来ていることに気づかなかった。
「パイセン、こっち見てください。」
「ん?どうした?」
「気になりません?」
ニヤニヤ笑みを浮かべるメイドの問いにビリーは顎に手を当てる。
「何が?」
ライトはビリーの耳元にそっと口を寄せて囁く。
「スカートの中身。」
…………へ?」
少しだけ距離をとり、ライトはお辞儀するメイドのようにスカートの両端を摘んでちょっとだけ持ち上げる。
「何履いてるか、何付けてるか気になりません?
言ったでしょ、色々準備が必要だって。」
ねえ、ご主人様♡
そう囁くメイドの声は砂糖菓子のように甘かった。


ビリー・キッドというご主人様のためにライトというメイドは沢山♡をあげるのであった。