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Adaps_A
2025-04-07 19:09:36
788文字
Public
ダングリのはなし
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ダングリのファンの光と、ファンサのはなし
ダンシング・グリーンぬいぐるみ、税込9800ギルである。
そして、隣には新発売のコラボドリンク、アルカディアナイトフィーバーフレーバー。
撮り下ろしブロマイド付きで税込1200ギルである。
引退の直前、既に生産ラインに乗っていたため発売されたものだ。
カフェの一角に、それらのグッズを並べ、端末で写真を撮っているファンがいる。
信じがたいことに、生身の挑戦者である。
二度
……
いや、三度見たが、やはり生身の挑戦者である。
フードで顔を隠しているようだが、さすがに見間違えたりはしない。と、思う。
マジか。
クルーザー級新王者殿は、写真を撮るとそそくさとドリンクに手を付けた。
端末をつつきながら、エナドリ味のドリンクを吸い上げる。
ふと思い立って、自分の端末を取り出す。
SNSでエゴサーチをすれば、その画像はすぐに見つかった。
アカウントの投稿を遡ってみれば、なんてことはない、一見普通のファンアカウントだ。
中身は普通ではないが。
中身は全然、普通ではないのだが!
開設からそう時間も経っていないのに、多くの画像が並んでいる。
ダンシング・グリーンのぬいぐるみ。景色。武器。食べ物。
なんと、生身のオレのぬいぐるみまである。
さすがにグッズとして出していないので、おそらくハンドメイドだろう。
画像の中で、知らないシャンパンのビンを持たされたぬいぐるみのオレが、にっこり笑って座っている。
熱心なファンのSNSに、思わず口元を押さえた。
ちょっと、信じられないほど、うれしいので。
一瞬
……
いや、数秒ほど、じっくり悩む。
そして覚悟を決めると、新王者の向かいの席に着席した。
「へぁ」、なんて気の抜けた声が漏れた彼に、にんまりと笑う。
ダンシング・グリーンぬいぐるみを掴んで、顔の横まで持っていき、同じ顔で笑ってやる。
「撮る?」
すごい勢いで、連写された。
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