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三毛田
2025-04-06 13:27:33
1090文字
Public
1000字3
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54 14. 他の子に笑いかける貴方なんて
54日目
見たくない
54 14. 他の子に笑いかける貴方なんて
「
……
」
「丹恒、早く帰らないと。今日は、タイムセールでしょ? 荷物持ちの穹を呼んで
……
あちゃ〜」
ひょこっと俺の腕の下に現れた三月は、俺の視線の先を見て額に手を当てる仕草を。
「あの馬鹿。なの、丹恒と先にスーパーに向かってて。一発殴ってから連れて行くから」
「そんなことしたら、星の手が痛くなるって。もう! あの子ったら、本当人の話聞かないんだから
……
丹恒、行こう。穹を問い詰めるのは、帰ってから!」
「そうだな」
「無理してご飯作らなくていいよ。ウチが頑張るから」
「お前に負担をかけると、星に怒られる。味見を頼む」
「任されました!」
軽く腕を引かれ、ようやく動けるように。
俺たち以外に、笑いかける
――
ただ、少し困っているようにも見えた
――
穹は初めてで。
数日前、告白された返事をしていない俺が言えた義理ではないが、あんな姿を見たくなかった。
そればかりが胸に広がり。
「丹恒、待って!」
ブレザーの裾を翻し、穹が走ってくる。そして、勢いよく俺を抱きしめて。
「俺は誰に何を言われようと、丹恒一途だ!!」
まだ人がいる玄関で、そう叫ぶ。
大声に驚いてパチパチ瞬きしていると、視界の端にはまたも額に手を当ててあちゃ〜。と声を漏らす三月。
「丹恒、好きだ!」
「穹、やめてくれ
……
」
耳まで熱を持っていて、ようやく絞り出した声は自分でもようやく聞き取れるかどうか。
でも、俺の声など聞こえていない様子で。
「いっ」
ようやく彼が離れると、その後ろには星が。
「うるさい。丹恒が可哀想だし、なのにも迷惑が掛かってる。夕飯遅くなるから帰るよ」
「ぐえっ」
「丹恒、大丈夫?」
「あ、ああ」
襟を掴まれ引きずられていく穹。三月は心配そうに俺の顔を覗き込んで。
「じゃあ、買い物に行こう。星にデザート買ってもいい?」
「そうだな。二人分、買おう。お前が渡してくれ」
「うん!」
ざわめきの消えない玄関を後にし、いつも立ち寄るスーパーへ。
「丹恒、ごめん」
「そうだな。お前のせいで、明日からどんな顔をして通学すればいいのかわからない」
「うっ」
買った荷物をすべて持った穹は、気まずそうな表情で謝ってくる。
それに対し、棘を含んだ声で答えると、ちょっとだけ泣きそうな顔。
だが、事実だから誰も彼を庇わない。
「でも、お前が他の人に笑いかける姿は
……
嫌だと思った」
「丹恒、それって」
「答えは、先延ばしだ」
「うぐぅ」
俺の返答に、唸りを上げ。
「絶対に、俺を好きだって言わせるから!」
と叫んだ。
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