ながとぅ
2025-04-05 01:36:29
1862文字
Public ZZZ
 

ZZZ【イトビリ/00100011】

イトビリのふたりが媚薬を飲みきらないと出られない部屋に閉じ込められてしまった話。
※付き合ってない。でも、両片思いの想定。
※安定の尻切れトンボ(エロはなし)

過程は省くが、媚薬を飲みきらないと出られない部屋に閉じ込められてしまった。
幸か不幸か、ベッドが一台置かれている室内には男がふたりきり。
壁には焼け焦げた痕と銃創が至る所に残っているが、扉が開く様子もなく、びくともしなかった。俺とライトが散々暴れ回った結果だ。

「しゃあねぇ……

仕方なく唯一の扉の前に置かれていた小箱を開ける。そこにはピンク色の液体が入ったアンプルが並んでいる。ざっと数えて1ダース程度。いかに小指くらいの長さの小さいサイズとはいえ、全て飲めばそれなりの量になるだろう。
この部屋にベッドやティッシュはあったが、便所や風呂場はない。いや、そもそもライトに飲ませる訳には――

……俺が全部飲むんで、パイセンはそこらで休んでてくださいよ」
「はぁ!?」

ウンウン唸りながら思い悩んでいると、不意に背後から伸びてきた手によって箱が攫われた。同時にかけられた言葉へ目を見張る。

「待て待て!!!」

人間の飲料と違って体内機構で浄化できず、有毒になりえる得体の知れないものを俺に飲ませられない――ライトならそう判断しかねない。

「いやいや、お前より俺が飲む方が安全だろ。俺の故障は修理すりゃあ――
「却下っすよ、パイセン」
「待て待て待て!無毒って確証もねぇだろうが!」
「ははッ、心配しすぎっすよ」
「おいッ!人の話聞けって!!」

パキ、と弾ける軽快な音とほぼ同時にアンプルの一つが飲み干され、空になった。

「うッ……
「ライトッ!?」

穴が開くほどに見つめていたが、小さな呻きが聞こえて口元を押さえるライトを目にした瞬間、全身が戦慄した。
これが本当に媚薬などではなく、毒物だったら――
メモリが真っ白になっていく心地と共にライトの顔を見つめる。

「おぇ何だコレ、吐き気がするくらいのゲロ甘っすね……。ガムシロと人工甘味料を煮詰めたみてぇで喉に張り付いて、舌に残りやが――うぉっ!?」
「身体は!?何ともねぇよなッ!?」
「おひふいてくらはい……

薄く開いていたライトの唇を鋼鉄の指先で無理矢理こじ開け、歯科医顔負けの勢いで中を覗く。しかし、口腔内は爛れている様子も出血している様子もない。

「んんッ、大丈夫ですって。強いて言うなら口直しの水が欲しいなってくらいで」

一瞬安堵した隙に胸板を強く押され、退かされてしまった。

「パイセンはそこで待ってて下さいよ」
「はぁ!?んな事出来る訳――
「俺、こういう薬には耐性ありますし」

――大丈夫だ、心配するな。
そう言われても気にならない訳がない。だが、ここまで押し切られてしまうとライトの漢気を蔑ろにしてしまうような気がする。

「何かあったらぜってー呼べよ!!」
「はいはい」

仕方なく引き下がっておくが、いつでも動けるように扉に寄りかかって待つしかない。
ライトがベッドの向こう側に姿を消してからアンプルが開く音が立て続けに聞こえて来る。
あれよあれよと言う間に媚薬を飲み干していっているようだ。

「ライト……?」

アンプルの開く音がしなくなり、静寂が流れていく中で恐る恐る声をかける。

「だいじょ、ぶすよ……

俺の耳――集音モジュールへ届いたのは熱を帯びた吐息と掠れた声。

「ッ……ライト!」

居ても立っても居られなくなった俺は、ベッドの向こう側へ駆け寄る。

「ははまって、ろって……言ったじゃなぃ、すか

そこにいたのは、頬を紅潮させてぐったりとベッドに凭れかかるライトの姿。
その目に宿っているのは、明らかな熱と肉欲。
これが固唾を飲む、という感覚なのか。喉が詰まって上手く声が出ない。更にヒートシンクが機能していないのでは、と思うくらいに頭部へ熱が集まっていくのが分かる。

「は、っ…………

一先ず、サングラスとマフラーを外し、ジャケットを脱がせたライトをベッドに寝かせたものの、苦しげである様子は一向に変わらない。
むしろ、体温は上昇して、呼吸は荒くなって悪化の一途を辿っている。
これは、全てにおいて俺の判断の甘さが招いた結果だ。覚悟を決めろ、ビリー・キッド。

……分かった。犬に噛まれたとでも思えよ!目ぇ瞑ってろ!」
「は……?な、にして……

ライトにそう告げると赤いマフラーでライトの目元を覆い隠す。
それから衣服を全て脱ぎ捨てて仰向けに転がしたライトの身体を跨ぎ、股間を窮屈にしているベルトへ手をかけるのだった。

つづく?