ぐるさん
2025-04-04 22:21:24
1329文字
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3.29 ワンドロ 後日譚

3.29 ふみりかワンドロ【お花見】の後日譚になります。

「何してんの?理解」
「ふみやさん!この間皆さんと行った、お花見の写真の整理です」

 桜の木をバックに、食べたり騒いだりしている写真を指させば、ふみやさんは楽しそうに微笑む。

「楽しかったな、お花見」
「ええ。来年も行きたいです」
「それなら今度また行こうよ、お花見」
「確かに、桜が散るまではまだ時間がかかりそうですし……
「それでも良いし、それ以外でも良いよ」
「それ以外……?ああ!」

 ふみやさんの言葉で思い出す、先日のお花見の事。あの時はお花見と言いつつ見た花は菜の花だったし、しまいにはふみやさんが、綺麗な花見て弁当食べたら、何の花だって花見だと思う、とか屁理屈をこねていた。

「理解は何の花が良い?やっぱり菖蒲?」
「急に言われても……そもそも菖蒲は季節を感じる花としての例でしたし……あ、それならふみやさんは?」
「俺?」
「ええ!ふみやさんが見たい花は何ですか?」
「うーん……

 ふみやさんは顎に手を当てて考え出す。一体ふみやさんは何の花の名を挙げるのだろうか。そもそも、ふみやさんは花に詳しいのか。なんとも言い難い好奇心に包まれていると、ふみやさんは口を開く。

「うーん……チューリップ、向日葵、秋桜、椿……とか?」
「おお……

 ふみやさんの口から思ったより花の名前が挙がり、思わず感嘆の声が出る。

「はい俺言った。次理解の番ね」
「私?」
「うん」

 期待に満ちた眼差しで見つめられると、さすがに考えざるを得ない。

「えぇ……?強いて言えば藤、朝顔、金木犀、梅とか……?」

 一旦、ふみやさんが言った事に合わせて四つの花の名前を挙げてみる。

「ハハハッ!いっぱいあるな!」
「なっ、貴方が聞いてきたんでしょう!」

 人が言った事を笑うなんて!しかも自分から聞いておいて!注意をしようと笛を手に取ると、ふみやさんは私の手を止めながら話し始める。

「悪い悪い。そういうんじゃなくてさ、この先も年中お前と出かける予定があるのって、何かいいなと思ってさ」
「えっ!!」
「お前のそういう所、俺好き」
「ハァーーーーッ!?」

 急に人を小馬鹿にしたかと思えば、今度は好きだなんて!冗談を言うなと言いたい所だが、その優しい紫の瞳は、それは真実だと雄弁に語っている……ずるい人だ。

「それじゃ、早速予定決めようか。見頃は……チューリップの方が先、でいいんだっけ?」
「え、えぇ、おそらく、多分……
……歯切れ悪いな。何か気になる事でもある?」
「いえ、そんな、大した事では無いのですが……
「言って、理解。俺は聞きたい」

 ふみやさんは私に有無を言わせるつもりは無いらしい。観念して口を開く。

「これから、ふみやさんとお花見以外で、お出かけする日はありますか……?」
「お花見以外?」
「いや、その、決してお花見が嫌な訳では無くてですね。私は別に、お花があっても無くても、ふみやさんと一緒なら春夏秋冬どこだって……

 改めて口に出すと恥ずかしい!何だか言葉も尻すぼみになって、思わず俯くと、頭上から漏れ出たような声が聞こえる。

「それはずるいじゃん……

——二人一緒なら何処だって。