榎本奏江
2025-04-04 04:58:05
1053文字
Public
 

【肥前さに】悪魔パロ(未完)

以前、凍結される前のアカウントのサークルで書いていたひぜさに悪魔パロのメモ的なにか。
※プライベッターからのサルベージ

「おい、あんたおれと会ったことあるか?」

 刀剣破壊され、悪魔になった肥前が生まれ変わった主と再び出会うファンタジーパロ。


 刀として、刀剣男士としての記憶がなく、いつも様相とは別に刀を携えているのに疑問を抱きながら日々を送っていた肥前。
 ある日、とあることをきっかけに一人の女性に召喚される。
 そこで出会った女性はまるで悪魔を召喚するとは思えないほど清らかで可憐な人だった。
「なんで、お前みたいなやつがおれを呼んだんだ?」不思議に思っていると、口ずさんだ歌が偶然悪魔を呼ぶ呪文だったらしい。
 初めて会うはずなのに肥前は心を抉られるような、締め付けられるような、不快感にも似た感情が湧き上がってきた。
 何故かその心の違和感が『懐かしい』と言っている。
 でも、その懐かしさの中に苦しさや悲しさもあって、召喚した女性を直視することはできなかった。
 できるなら、早くこの場から立ち去りたい感情が込み上げてく。
 しかし、呼ばれた悪魔には掟があった。
『召喚者の命を代償に願いを一つだけ叶えること』
 それは召喚者の根語彙の度合いにもよるが、彼女から命の一部をもらって叶えないといけない。
 叶えるまでは契約を解除することもできない。
『おい、あんたの願いは何だ?』
「願い?そんなのないなぁ。今は今で順分だから」
 屈託のない笑顔を見せる女性。
 その、純真な笑顔に眩しさで目が眩みそうなど。
 ――おれには眩しすぎる。近づきたくねぇ。
 肥前の考えとは裏腹に、彼女はうーんと考えたあとにパッと何かを思いついたような明るい表情をみせた。
「ねえ、私がお願い事みつけるまで、私と一緒にいてくれる?一緒に、お願い事探してくれると嬉しいんだけど
……はぁっ?」
 肥前は思わぬ提案に否定にも近い声を上げた。
 冗談じゃない。
 ただでさえ偶然呼ばれただけなのに、契約内容以外で一緒にいるなんて堪ったもんじゃない。今すぐにでも契約破棄して帰りたいぐらいだ。勘弁してほしい。
「ふざけたこと言ってんじゃねぇ。おれはあんたと一緒にいる道理なんてねーよ」
「えぇ……いい案かと思ったのに、残念」
 不服そうにむくれる彼女に肥前はそっぽ向いてあからさまに不機嫌な溜息を付いた。
「じゃあ、そういうことだからよ、叶えてーもん見つかったら、また呼んでくれ。帰る」
肥前は仕舞っていた翼を広げ、飛び立とうとすると、女性が肥前の手を持って引き止めた。
「えっ、あっ、ちょっと待って!」
「んだよ」

続く