ろきのや
2025-04-03 02:00:06
984文字
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泣き虫ふたり(Chasriel)

アズゴアとトリエルのお葬式と成長Chasrielの話。死ネタ

アズゴアとトリエルとのお別れの儀式が執り行われた。

アズリエルはふたりの王家としての功績と、両親としての在り方を讃える言葉を送った。

モンスター達はふたりを惜しみ、お別れには長い長い列が形成され、儀式を終えてやっと一息ついたのは真夜中になってからだった。

暖炉の前で揺らめく炎を眺めていると、アズリエルに「キャラ、そろそろ寝よう」と声を掛けられた。

アズリエルはみんなの前では努めて立派に次の王様として振る舞っていたのだが、裏で泣いている姿を見かけたし、今だって涙の痕が隠せていない。

私は儀式の間、少しも泣かなかった。

薄情だろうか。

もう少しここでぼんやりしていたかったが、アズリエルに手を引かれ部屋に戻る事にした。

アズリエルとボクは昔と違い、今は別々の部屋で過ごしている。

アズリエルが「ひとり部屋が欲しい」と言い出してから、家を改築してそれぞれひとり部屋を手に入れた訳だが、今となってはこの家には私とアズリエルのふたりしかいない。

アズゴアとトリエルが過ごしていた部屋の扉を叩いても返事が来る事は無いし、おやすみの挨拶もする事は無い。

「ねぇ、キャラ。ボクの部屋に来ない?」

手を握られたままアズリエルにそう誘われて、久しぶりに一緒に眠る事にした。

アズリエルの部屋にベッドはひとつしか無いが、ふたりで寝るには十分なサイズだった。

ふたりして横になっていると、子供の頃の思い出が蘇ってきた。アズリエルもそうなのか、昔の話に花が咲いた。

ふたりで遊んだこと、馬鹿やって失敗したこと、トリエルに怒られて、アズゴアに慰められて、それから。

ベッドの中でアズリエルに引き寄せられて、体が触れ合う。温かい。

アズリエルは、声を殺して泣いていた。
泣きながら、私に縋り付いていた。

体ばかりでかくなった子供をあやすよう背中をさすってやると、強く抱きしめられた。

アズリエル、お前寂しいんだろ。

私も寂しいよ。

『アズリエル、キャラ。君達がこの世界の希望だ』

『どうかふたりで支え合ってね』

ふたりに最期に言われた言葉を思い出した。

もう朝が来てもふたりにおはようと言えない。

二度と会えない。

途端、私まで涙がこぼれてきた。

ベッドの中の、泣き虫ふたり。

寂しくて悲しくて、一晩中身を寄せ合って眠りについた。