ろきのや
2025-04-03 01:36:34
1362文字
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フリスクとフラウィその後の話

Chasriel≒Flowiskという個人的解釈の話

「フラウィ、一緒に地上に行こうよ」

「またその話?いい加減しつこいよ」

呆れながらフリスクを追い返そうとする。

過去何度もこうやって地下を訪れては地上に行こうと誘ってくる。その度に断っているのだが、フリスクはまたやって来て、決意に満ちた瞳でじっと見つめてくる。

そのまっすぐな視線に射抜かれて、フラウィは少しずつ抵抗する気持ちが薄れていく。

結局、「しょうがないな」とつぶやき、フラウィは渋々植木鉢に収まった。

最後に花畑を見やる。

金色の花々が優しく揺れている。

キャラはもうここにはいない。

会えない。

魂すら持たない自分が感傷的になるなんて滑稽だ。そう自嘲しながら、フラウィは目を閉じた。

フリスクと共に地上に出ると、空は燃えるような夕焼けに染まっていた。

風が優しく吹き抜け、植木鉢の中で、フラウィはその光景を静かに見つめた。

フラウィはかつて親友と共に地上に出た時のことを思い出していた。

キャラの魂を吸収し、初めて見たあの夕焼け。

後悔と悲しみが襲ってきて、思い出に押し潰されそうになる。

花の姿になってからも、自分の行いは何だったのかと何度も自問し、この世界の残酷さを呪った。

キャラはボクのことをどう思っていたのだろう。

ずっと一緒にいたかったのは自分だけだったのだろうか。

そんなことを考えても、もはや確かめる術はない。

キャラは自分にとって大事な親友で、家族だった。それだけでいい。そう思おうとした。

「あの時と同じ空だ」

不意に、フリスクが静かにそう呟いた。

その声は優しく、どこか懐かしさを帯びている。

フラウィは思わず息を呑み、声の主を見上げる。

どういう意図で言ったのか、分からない。

だが、その言葉には妙な重みがあった。

まるで、フリスク自身も知らない記憶が宿っているかのように。

……アズリエル」

労わるような呼びかけだった。

風がフリスクの髪を揺らし、夕日に照らされた頬が赤く染まっている。

その瞬間、フリスクの姿がキャラと重なる。瞳の奥に宿る光、口元の柔らかな曲線、すべてがキャラそのものだった。

まるで時が巻き戻ったかのように、アズリエルは自分が花であることを忘れ、かつての自分として親友を見つめていた。

キャラは柔らかく微笑み、口を開く。

「ボクら、よくやったよね」

その言葉に、アズリエルの胸が熱くなる。

あの日の夢。みんなを自由にしようと誓った計画。正しい方法ではなかった。途方もない時間もかかった。
でも、あの時の決意が、この結末まで導いてくれたのだと思えた。

夕日に照らされたキャラの笑顔に、アズリエルは涙を溢した。

風が吹き抜け、髪を揺らし、二人はあの時のままだった。

「さぁ、帰ろう」

その声で、アズリエルは現実に引き戻される。

自分はアズリエルではなくフラウィであり、目の前にいるのはキャラではなくフリスクだ。

でも多分、それだけではなかった。

かつての思い出が、心の奥底に宿る何かが、瞳に宿る決意が、今の二人を繋いでいた。

確かめる術はない。その必要もなかった。

フリスクは植木鉢を優しく抱え、トリエルの待つ家へと歩き出していた。

遠くの空に星が一つ、瞬き始めていた。