三毛田
2025-04-02 17:14:55
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50 10. こんなんじゃ友だちとも呼べない

50日目
もう、無理だ

 浮かれきっていたのは、認める。
 だからこそ、気づかなかった。気づきたくなかった。とも言えるだろう。
「親友だって言ったのは俺なのに」
 自室で膝を抱え項垂れる。
 もう彼を友だちだと、呼べない。
 己の抱く感情に、気づいてしまったが最後。そうとしか見れなくなってしまったから。
 甘く優しいところもあるけれど、ほどほどに厳しく。それでいて、感情をあまり表に出さない。
 俺やなののように、過去を忘れてしまったというわけでもないけれど、話したがらない。それはそれでいいのだ。
 そんな丹恒だから、好きになった。なってしまったから。
 好きであることを表に出さず、悟らせず、今まで通りに過ごすこと。そうすればよかったのに。
 たまたまネットで見かけた、というか、ページをスクロールしていたら勝手に入り込んできた如何わしい広告。あれが原因。
 ムラムラするし、なんだか下半身が落ち着かないし。
 調べてみたら、性欲だと。
 俺にも〝そういう欲〟があるのだと知った。
 そして、気づくとその欲求を一人で解消するための相手を丹恒にしていて。
 自己嫌悪と同時に、欲しいと思うようになってしまった。
「丹恒、ごめん」
「急にどうした。まさか、星核に何かしらの異常が?」
 アーカイブの整理をしている丹恒に後ろから抱きつき、小さく謝罪すると彼は慌てたように俺の全身をペタペタ触り。
「きゃうん」
「ん?」
 指が股間をかすめて、情けない悲鳴が。
 真っ赤になった俺を、胡乱げな視線で見つめる丹恒。
「なるほど。俺に欲情するようになったと」
「はい……
「紛らわしい」
「おっしゃる通りです」
 いつもより冷たい視線を浴びつつ理由を説明するも、納得いってない様子で。
 まあ、そりゃそうか。
「理解出来ないな」
「はい」
「何故謝る?」
「あ、そっち。ごめんなさい」
 睨まれたので咄嗟に謝る。
 はあ。と、通常よりも重たいため息をつかれた。
 泣きそう。
「黙っていれば、俺はそういう対象にされていると気づかなかった。なのに、お前はわざわざ自分から暴露してきた」
「はい」
「理解に苦しむ」
「だって」
「なんだ?」
「フェアじゃないだろ、それは」
「そういう問題か?」
「そういう問題だし、俺個人として、親友をそういう目で見ているのを後からバレて色々聞かれる方がキツい」
「自分から告げるのは構わないのか」
「うん」
 頷くと困ったような表情に。
「これからはどうしたいんだ」
「まあ……出来たらでいい。恋人になりたいです。はい」
……考えておこう」