Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
頻子
2025-03-31 18:17:38
2315文字
Public
KODR二次
Clear cache
死体埋め(?)
ベケニュ伴侶ラブコメ
ときどき魔界倫理
スケルナイトとかウルハムがいる
「ニュート、死体を埋めに行くぞー!」
念力で勢いよく毛布を取り上げられ、ニュートは大いに不服だった。カーテンが軽快に開き、かすかな日差しが差し込んできた。
まぶしい日光をよけてシーツを転がると、ぶんぶんと肩を揺さぶられる。
自分は魔界で一番えらいんだぞ、と、ベーケス2世をにらみつけたが、ベーケス2世はニュートの権威をケタケタ笑い飛ばし、腕を引き、起こして、ぽんっと背中を叩いた。
「起きなさい。ニュート。今日はいっしょに死体を埋めるって約束しただろ!」
してない。
魔界王の仕事は忙しく、最近は、週休二日制になってしまった。週に一日しか休めない。完全週休二日制ではない。
ニュートがぶつぶつ言っていると、ぬるいスープを見るような目で見られた。
たしかにベーケス2世はもっともっと忙しいけれども。
何が悲しくて、貴重なおやすみに死体を埋めなくてはならないのか。
そんな約束はしていないと主張すると、ベーケス2世は、はあー、と大げさにため息をついた。
「忘れてしまったんだなあ、ニュート
……
」
ベーケス2世は、都合の悪いことを、ニュートの記憶力のせいにしてくる。実のところ、あんまり幼少期のことを思い出していないのを、根に持っているのだ。
「でも、俺がニュートのためにどれほど心を砕いてるか、ニュートだって、すこしは知っておいたほうがいいだろ? それに、ほら、人間界では、一緒に死体を埋めると、切っても切れない仲になるらしいじゃないか
……
」
そんなの、聞いたことない
……
。
ベーケス2世は何か勘違いしている気がする。あるいはベーケス2世のいた人間界か、ベーケス1世が勘違いをしている。
半ば無理矢理身支度させられ、お庭に連れていかれる。瑞々しく咲き誇る薔薇が揺れている。あれでいいよ、とニュートは指をさすのだが、やっぱりそうじゃないらしく、ベーケス2世はせかして庭の中心に進み、傾いたねこぐるまを指した。
「ほら、ほら。今朝、庭に迷い込んでいたから、俺が仕留めておいたんだ。あそこ
……
とーっても強そうな麒麟だろ?
……
魔界王の伴侶になってから、俺の念力が弱くなったとかぬかしてるアホがいるが、俺は、今だって、とってもとっても優秀なんだ」
はいっ、と、ナイフを握らされて、ニュートはとてもブルーなお気持ちになった。
「まだ息はあるから、とどめは一緒にさそうな、ニュート! 安心していいんだぞ、俺が付いてるからな。お前の吸血鬼の牙が、ぜんぜん短くたって、俺はニュートを愛しているし
……
」
なんかほんのりdisられた気がするけど、それより、麒麟ってすっごく神聖な何かじゃないんだっけ?
ニュートはとてもむずむずした。
なんかやばい感じじゃない?
ところが
――
。
「あっ」
もぞもぞと麒麟の死体が動いた。
そんなとき、とっさに後ろにかばわれて、それは、ちょっとは嬉しいけども
……
。
ウルハムだった。
ウルハムの口から、麒麟の頭が落っこちる。
「あ、ニュート様と2世。見てみて。ほら、これ。捕まえたんですよ。よくわかんないけど、なんか死にかけてて、えへへ。僕、とどめを刺したんですー」
ベーケス2世が、雪原の氷よりも冷たい目でウルハムを見ている気配がある。
「朝ごはん、まだですか? ニュート様のところにもってって、褒めてもらおうと思って。あれ、どうしたんですか? 二人とも
……
」
「俺が捕まえたのにーーっ」
「ええっ、なんで、なんで? 分けてあげようと、思ったのに。ああーーっ」
割となじみの光景である。
ウルハムが空高く持ち上げられ、空でじたばたと暴れていた。
いくらウルハムでも、あんな高さから落っこちたら、打ち所が悪ければ死んでしまうかもしれない。
下ろしてあげてほしいとニュートはお願いするが、ベーケス2世はたいそうご立腹で、ぶんぶんとウルハムを振り回す。
「おはようございます。にぎやかですね」
「あ」
「あ?」
スケルナイトが立っていた。マントがニュートの視界を遮った。裾は重く、べったりと濡れ、ぽたぽたと何かが滴り落ちていた。何かが。
ニュートはついそれを目で追ってしまっていた。
血だ。
「ああ。いえ。私のケガではありません。今日は、見張りのついでに、ニュート様の命を狙う不届き者を五体ほど、始末したところでして。
……
ご覧にならないほうがよろしいかと。わざわざ死体を見せるなんて、魔物のやることですから」
空気がはっきりと凍り付いた。
背後でぴゅーっとウルハムが落っこちて、どさっと落ちた。しばらくののち、起き上がったのでほっとした。
「死ぬかと思ったぁ
……
」
ニュートはどれかというとお城の警備が心配になった。
城壁に穴でもあいてるんじゃない?
「まあ、だいたいはスケルナイトが全部始末してますからね
……
」
じゃっかんのときめきを覚えかけたが、今はそんな場合ではないのだった。
「殺す
……
っ」
ベーケス2世の心が荒廃している。
ニュートは慌ててお花を持ってきて、あげたり、なだめたりしてみたのだが、険しい顔は治らなかった。
お仕事してるだけだから。お仕事してるだけだから、ね?
***
「ニュート! 今月で24人王座を狙うものを消したぞー!」
ニュートはきゅっと眉をひそめた。
あれから、ベーケス2世は一緒に死体を埋めようとせがむことはなくなったが、代わりに物量で攻めてくるようになった。別にそんなに頑張らなくてもいいよ、というのだが、ベーケス2世はお構いなしだった。ずっしりと重い薔薇の花束を膝に置いて、じっと出方を伺ってくる。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内