Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
三毛田
2025-03-31 16:50:42
1077文字
Public
1000字3
Clear cache
48 08. ごめんの一言が言えなくて
48日目
きっかけが掴めなかった
喉がカラカラに渇いて張り付いて。
伝えたい一言が、思うように紡げず。
ただ一言。
〝さっきは、ごめん〟
それだけ。それだけを伝えたいのに。
「うわっ。ビックリしたぁ
……
」
「なに」
ラウンジから客室車両に入ってすぐの空間で膝を抱えていると、なのの声が頭上から。
「それはこっちのセリフだよ! 丹恒は? さっきまで一緒だったじゃん」
「
……
喧嘩した」
「また? お互い意地張ってないで、早く仲直りしてよ! じゃあね。わっ」
呆れたように告げたかと思うと、また驚いた声を出す。
どうやら、資料室から出てきたらしき丹恒と鉢合わせたようだ。
「なんだ」
「それはこっちのセリフ!! 二人して、ウチに同じこと言わせないで!」
彼女がむすっとした表情をしているのは、見なくてもわかる。
「二人して?」
「そう。ラウンジから戻ってきたら、穹が膝を抱えてるんだもん。そしたら、今度は丹恒がいきなり出てきたから」
「そうか。それはすまない」
丹恒の声は、相変わらず淡々としていて。
「あんまり思ってないでしょ」
「いつもは出入り口から少し離れて歩いているお前が、扉側を歩くのは珍しいからだな」
「うっ。だって」
「なんだ」
「あんたたちが喧嘩してると、列車内の空気が悪くなるから」
「
……
」
「だから、お節介かもそれないけど、どうしたらいいかって、少し考え事してたんだもん」
問いかけに、半ば叫ぶように告げ。
そうっと二人のいるところを覗くと、少々驚いたように目を丸くしている丹恒が。
「三月
……
」
「なに」
「お前にも、気遣いが出来るんだな」
「ウチのこと、何だと思ってるのー!」
思わず両手で耳を塞ぐ。なの、ごめん。俺も丹恒と同じこと思っちゃった。
「二人して、ウチに対して色々酷くない?!」
「場を引っかき回す方が得意なようだから、まさかそんな事を考えているとは思っていなかった」
「うぎぎぎ
……
」
事実だろう? と言いたげな丹恒の視線に、唸っている。
「後はこちらでなんとかする。今日のおやつは食べたのか」
「もう食べました! ウチは幼い子供じゃないんだから!」
プリプリ怒りながら、隣の自室へ入っていく。
「穹。聞いていただろう」
「丸聞こえだったよ」
「
……
悪かった」
「ううん。俺も悪かった。ごめんな、丹恒」
立ち上がり、丹恒を抱きしめる。と、背中にそっと腕が回され。
「とりあえず、なのに何かプレゼントしよう」
「そうしよう。今から出かけるか?」
「うん! 仲直りのデート」
「お前はまた
……
」
丹恒は呆れた顔をする。
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内