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水晶氷山
2025-03-30 21:58:38
1949文字
Public
おやさい鬼9先生作品
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キミの優しい温かさ(はらまこ)
はらまこ同居ルートでのある春の朝の一コマです
原さんの温かさで温まりたい真さんの話 オチが弱い
春が来てだいぶ暖かくなってきたけど、まだ朝はなかなか布団の中から出られない。
それでも目が覚めてしまったので、とりあえず歯を磨いて、けれどまだ朝ごはんを食べる気にはならなくて、ひとまず布団に戻る。まだ温かいけど僕が離れてたぶん、ちょっとだけ冷たくなってしまっていた。
隣では原くんが眠っている
――
たまにこうして、寝ている間に原くんが僕に添い寝してきてる時がある。いつもお仕事お疲れ様。
布団から出て寒かったぶん、すぐ近くにいる原くんの体温が気持ちいい。一番の理由はずっと眠っていて布団を出てないからだろうけど、筋肉のおかげもあると思う。僕よりずっとたくましい、かっこいい原くんの筋肉。僕を抱き締めてくれる、力強くて温かい体。
……
ふと『もっと近くで感じたい』と思ってしまった。
隣にいるとはいえ、体が触れ合わない程度の隙間は保たれている。それでもその僅かな距離が寂しい、もどかしい。
もっともっと近くがいい。原くんに触れたい、その体温をもっと感じたい。ずっとそばにいてくれて、幸せを分かち合ってくれる、不幸せを和らげてくれる、大切な人のぬくもりを。
さすがに朝からこんなこと思うのははしたないだろって気持ちはある
……
あるのだけど、原くんはまだ寝てるから何してもわからないよとか、そもそも先に布団に入ってきたのは原くんの方だし今度は僕から甘えてもいいよねとか、そんな言い訳を見つけて理性が負けてしまう。
……
ちょっと触れるくらいなら、大丈夫だよね。
手を伸ばして原くんに触れる。そっと優しく、原くんを起こさないように
……
「ん
……
」
……
起こさないように気を付けていたんだけど、原くんが目を覚ましてしまって慌てて手を引っ込めた。
残念に思うのと同時に『僕が触ったせいかな』と少しの申し訳なさを覚える。
原くんのただでさえいかつい顔が寝起きでしかめられて更に強面になっていた。
「すまない、起こしてしまったかな」
「
……
いや、大丈夫だ」
そう言ってはいるけど原くんはまだ眠そうだ。
ただでさえバーの仕事で夜遅くまで起きてるのに、こうして不意に起こされてしまっては仕方ないだろう。
大きなあくびをしても何度かまばたきをしてもまだ眠気が抜けきらないようで、どこかぼんやりしている原くん。
……
こんなこと考えるのは反省してないって思われるかもしれないけど、今の原くんの様子はまるで。
「冬眠明けみたい」
「
……
? そうか」
原くんはまだ寝ぼけているのか僕の言葉を訂正しない。いつもだったら、僕が原くんをヘビに例えるとすぐに違うって言ってくれるのに。
それがちょっとだけ寂しい。
「
……
歯、磨いてくる」
「いってらっしゃい」
原くんがのそのそ布団を出ていったのを見送って、僕はさっきまで原くんがいた場所にすっぽりと潜り込む。
まだ冷めずに残っている原くんのぬくもり。その優しい熱に身も心も温められていって、頭がふわふわしてくる。
手が冷たい人は心が温かい、なんて聞いたことがあるけど、少なくとも原くんには当てはまらないと思う。だって原くんは優しいのにこんなに温かいから。きっと原くんが僕にくれる優しさが、僕の寂しさを薄めてくれる温かさのもとになってるんだろう。
そのまま布団を頭まで被ってしまうと、毛布の柔らかい肌触りに落ち着くのもあって、まるで、原くんに抱き締められてるみたいで
――
……
気付いたら二度寝していたし、また原くんに添い寝されていた。
歯磨きのあと結局原くんも二度寝することにしたんだろう。さっきはごめんね。
今度は触れたりせずにじっと見ていると、やがてそこまで時間も経たないうちに原くんもゆっくりと目を覚ます。
「
……
」
「おはよ、原くん」
「
……
誰がヘビだよ」
「今更?」
言うのが遅い、とか。僕が起きるまで言うのを待っててくれたのか、とか。
それらがおかしくて、ちょっとだけ笑ってしまった。
原くんも僕につられて笑いながら、布団から身を起こす。
「いい加減に起きようぜ、朝メシ作ってやるから」
「うん」
まだちょっと寒いけど、布団から出たくないほどじゃない。
二度寝する前と比べていい感じにおなかもすいてきた。
「ねえ原くん、今日は着替えも手伝ってもらっていいかな」
「おう、いいぞ」
今度はすっきりした様子で布団から立ち上がる原くん。僕も一緒に立ち上がって、朝ごはんの前に着替えに行く。本当はいつもの服くらいなら一人でもお着替えできるけど、もう少しだけ原くんの温かさを浴びていたかった。
布団に残る原くんのぬくもりがちょっとだけ名残惜しいけど、原くん本人がすぐそこにいるからいいや。
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