三毛田
2025-03-29 17:01:28
1069文字
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46 6. わがままな君に振り回される

46日目
好きだと言われるとは思わなかった

「丹恒先生。俺、あれが食べたいな〜」
「ウチ、あっちのがいい!」
……
 俺の両腕にしがみついてる穹と三月を少々乱暴に剥がし、先ほど二人が食べたいと口にしたものを買ってくる。
「ありがとう! 丹恒先生、大好き」
 またも抱きついてこようとするので、食べ物を置いてから止める。油断も隙もない。
「本当丹恒って穹に甘いよね」
「なのに対してよりは。って感じだけど。いただきます!」
「はいはい。いただきま〜す」
 二人がおとなしく食べている間に、俺も携帯食を口にする。
 ふと視線を感じてそちらを向くと、穹と目が合って。
「どうした。飲み物が足りないなら、買ってくるが」
「ううん。丹恒、ここ座って」
「今日は護衛で来ている。座るわけには」
「いいから、いいから。な?」
 ここで大人しく従わないと、後で何かを言われるのだろう。
 渋々座ると。
「あーん」
「穹」
「早くしないと、垂れちゃうから。な?」
 咎めようとすると、ずいと玉実鳥串を差し出され。三月を見るも、諦めろと首を横に振るのみ。
 ため息をついて、一つだけ口へ。
「護衛なら、ちゃんと食べないと。いざという時腹が減ってたら動けないだろ?」
 咀嚼しながら睨みつけるも、本人はなんのその。
「美味しいものは、皆で食べないともったいないだろ?」
「例えそうだったとしても、お前に食べさせられる謂れは」
「なんで? 仲間だろ?」
「そうそう。丹恒も、一緒に食べよう。あんたなら、誰よりも反応速いし」
「三月、そういう問題じゃ」
「たまには力抜かないと。肩に力が入りすぎていると、いざという時大変でしょ?」
……
 そう言われても、列車に乗る前は常に気を張っていたからどうすればいいのかわからない。
「美味しいもの食べて、くだらない話に笑って。俺とイチャイチャすればちょうどいい」
「いちゃいちゃ」
「あんたら、いつの間にそんな関係に……
 三月はちょっと引いた様子を見せている。俺を見られても、反応に困るんだが。
 俺だって、初めて聞いたぞ。
「好きだ。丹恒」
「ぶっ」
 咀嚼していたものを飲み込み、俺の手を握りながら。
 穹の告白を聞いていた三月は、飲み物を吹き出す。というか、噎せ返って。
「ちょっ、穹!?」
「今言わないと、俺は後悔するって思ったんだ。丹恒、お前は俺のことどう思ってるんだ?」
「好き、ではある」
「仲間として、だろ?」
……ああ」
 頷くと、案の定だという表情。
 わかっていて、それを言うのか。
「ゆっくり俺を好きになって欲しい、丹恒」