はなおぼろ
2025-03-28 00:41:53
6897文字
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縁巌覆面作家企画5:容疑者後書き


■容疑者名:はなおぼろ


■pixivアカウント:https://www.pixiv.net/users/16626115


■参加グループと作品番号、作品タイトル

C-7「さようなら壱番棟」
N-1「月が秘す」


■あらすじ

C-7
 まだまだ残暑の厳しい、八月の末。クラスメイトで友人の炭吉から百番棟にまつわる噂話を聞かされた高校一年生の継国縁壱。彼はその日、百番棟最上階の一番端にある教室で一人の少年と出逢うこととなる。

N-1
 兄はよく言っていた。内緒であると。これは、弟が兄と交わした秘密を辿る小話である。


■作品のネタ・お題の使い方を思いついたきっかけはなんですか?

C-7
 以前ape様がご自身のスペースで、SF(サイエンスフィクション)が難しいというお話をされていて、そのとき私「先ずはS(少し)F(不思議)で良いんですよ!」的なリプを送っていてですね。ape様のSF読んでみたいの一心だったんですけど、後々「あんなこと言った手前、私が書かないのも変な話だな?」と思い至り、S(少し)F(不思議)な話を書こうとなった次第です。
 あと夏が好き(気温の話ではなく、彩りというか概念としての夏のことです)(他ジャンルの過去作でも季節が明確な話はだいたい夏)なので、そろそろ縁巌でも書いてみたいな、と。

N-1
 覆面容疑者として攪乱できるものも書いてみたいなと思い至り、戦国軸/全年齢の濡れ場匂わせ/悪い男な兄上、と今まで縁巌では書いたことが無かったテイストの話を書けばいいのでは? となった次第です。安直な考えです、ハイ。
 あと覆面企画に参加しようか悩んでいる作家様方に「こんなに主張の激しいお題の使い方をしても良いんだ!」と思ってもらえるようになればと思い、これでもかとお題を盛り込もうと決めました。


■ストーリーの構築において気を使った点、苦労した点などあれば教えて下さい。

C-7
 何故縁壱は巌勝と出逢えたのかの説明部分です。童磨のセリフ量と地の文とのバランスというか、童磨に説明させっぱなしになるのもな……と思いながら適時地の文を差し込んでいた形です。
 それと縁壱と炭吉とは同い年の友達という設定なので、原作の炭吉よりも縁壱に対してかなり砕けた話し方してみました。気持ち炭治郎テイストを加えた感じです。
 あとこれは気を使った点、苦労した点とは異なるのですが、書きながら「前回の吸血種設定が可愛く思える滅茶滅茶な設定だな……伝わるように書けているのか?」と終始不安でした。

N-1
 覆面4の時に提出した『うつつにおり』で、短いけど話のまとめ方が上手いと褒めて頂いたのもあって、再び短く纏めるチャレンジしようと思って、2000字程度を目指して書いていました。が、4000字超えました(ダメじゃん)
 終盤の縁壱のセリフを際立たせたかったので、それまでの「」書きのセリフは巌勝のみにしてみました。
 軽く調べた感じでは戦国時代にはまだお猪口はなさそうだったので、お猪口っ言葉は書かないようにしないとなぁと思いながら、酒器で誤魔化しました。
 それと普段全年齢作品しか書かない(書けないともいう)ので、全年齢範囲内とはいえ濡れ場匂わせを書くのが大変でした。私が出力できるえちちはこれが限界だよ……


■作品で気に入っている箇所はどこですか?

C-7
 縁壱視点のラストの方にある『たった五日間(中略)彼と共に生きていく』のところですね。良い感じに〆の雰囲気が出せたかな、と。
 それと解凍パス。なんだかそれっぽく仕上げることができたなぁと。それにあの手の圧縮ファイルの解凍パスは半角英数字しか設定できないと相場が決まっているので、本来なら設定すら出来ないパスなのですが、それはつまり現実世界の誰もあの解凍パスは入力できないということでもあるわけですよ。作中の縁壱だけが入力できるパスという意味でも気に入っていたりします。

N-1
 冒頭の消えものの話を、終盤で回収したところです。冒頭を書いている時は特に何も考えてなかったのですが(オイオイ)終盤を執筆している時に急に頭の中に文章が降りてきました。お陰で良い感じに文章が締まった気がします。


■削った描写、エピソードなどありましたか? 作成裏話歓迎です。

C-7
 執筆当初は縁壱と巌勝が出会ったシーンを普通に書こうとしていたのですが、文章が間延びしすぎると思ったのと、悠長に書いていたら締め切り間に合わねぇ~となったので、書きかけからゴッソリ削りました。削って大正解でしたね。
 これは逆に加えた描写なのですが、ラストの巌勝視点は終盤に差し掛かるまで書く予定はありませんでした。でもあまりにも巌勝という存在が不鮮明過ぎたので書き加えました。こちらも足して良かったなと思います。
 余談も余談ですが、タイトルの『さようなら壱番棟』は、私が高校生時代の文化祭で上映された、放送部が建て替え前の校舎の様子を記録したショートムービー『さよなら200番棟』(ってタイトルだったと記憶している)から取っています。作中に出てくる各棟の名前や、作中の放送室で観ることになった童磨世代の映像作品のモデルにもなっています。
 それと高校生縁巌の話を書くにあたり、高校生時代の雰囲気を自分が思い出すためにと青春っぽい曲をBGMにしながら執筆していたのですが、なにかこう、しっくりこなくて……。最終的に2000年代の男性向けアダルトPCゲーム(ジャンルはこそばゆい学園恋愛AVG)の主題歌をリピートしながら執筆していました(ドウシテソウナッタ)言い訳させていただくと、実際該当ゲームをプレイしたことがあるという訳ではなく、兄がいるためにこの辺の知識をチラホラ受動喫煙しているのです。この時代のPCゲーム、良い曲結構あるんですよ……。作中に歌詞の好きな部分をオマージュした文章がしれっと紛れ込んでいます。
 実はこの作品、提出前に読みなおしした時に誤字脱字10カ所以上訂正したんです。提出ラッシュが始まりお忙しい中でeh様がチェックして下さっただけでも3か所(訂正対応して頂きました)、公開後に支部で掲載された作品を読むと更に15カ所以上の誤字脱字が見つかり、急いで修正したものを提出しなおしてeh様に差し替えて頂きました。誤字柱の名をほしいままにする超問題作だったと思います。差し替え前に読まれた方には本当に申し訳ございませんでした。迅速に対応して下さったeh様には頭が上がりません。本当にありがとうございました。

N-1
 削ったところはないです。寧ろ2000字程にしたかったのに技量不足で倍の文字数になっています。削りの美はまだまだ遠い……


■推理をかわすために作戦を立てましたか? 立てた方は教えてください。

 C-7は隠す気がありませんでした。正直締め切りに間に合わないかもしれない不安の方が凄く、そこまで気を回す余裕がなかった。ただ100を一〇〇表記にするのはあまりにも「はなおぼろココでーす!」感が強すぎるなと思い、百表記にしています。自支部に再掲するときは一〇〇に戻すと思います。

N-1
 戦国軸/全年齢の濡れ場匂わせ/悪い男な兄上、書いたことないものたっぷり! えちち匂わせあるし戦国軸だし、現パロ屋でブロマンス屋さんのはなおぼろじゃないんじゃ? って思ってくれ~の一心。
 あと小手先の偽装として、普段は必ず取るようにしているセリフ前後の行間を強調したい部分以外は詰めていたりします。まめ様にバレバレだったな……


■あなたの作品だと推理された作品はありましたか?

Cグループ
 8割の方がC-7を上げられていましたね。実際隠すつもりが無かったので、想定通りです。
 コト様のC-1「壱の恩返し」と秋沢様のC-2「睦月」に私の名前を上げた探偵さんもいらっしゃいました。「壱の恩返し」は構成・設定の素晴らしさは勿論シリアスとギャグのバランス感覚が絶妙な作品ですし、「睦月」は描写が丁寧かつ美しい作品でしたから、私の名前があがって恐れ多さと申し訳なさで一杯でした。

Nグループ
 4割弱近くの方がN-1を上げられていました。当てて下さって嬉しいのもありますが、思ったより全然隠れられていなくて覆面容疑者しゅんです。
 アカヨロシ様のN-3「海の箱」やape様のN-6「またたく星月夜に君は」に私の名前を上げてくださった方もいらっしゃいました。私に「海の箱」のような小さな海を夢の中の水族館へと繋げる構成力発想力は無いですし、「またたく星月夜に君は」のように号泣もののハッピーエンドは書けないので、恐れ多さと申し訳なさで一杯でした。
 また半数近い探偵さんがN-5「鬼と神と」に名前を上げてくださっていて、シリアスとコミカルの緩急の付け方が完璧な作品は私には書けないぞー!? そもそも私コミカルな話書けないぞー!? と、こちらも恐れ多さと申し訳なさで一杯でした。


■あなたの作品が他の方の作品だと推理された作者さんはいましたか?

Cグループ
 お名前が上がっていたのは、コト様、秋沢様ですね。御二方とも素敵な作品を書かれる作家様なので、大変恐縮でした。
 実は覆面4のAグループでコト様とご一緒していて、その時にもコト様のお名前を上げてもらっているので、私とコト様の作品に共通項を見出している方がいらっしゃるようです。何だか照れますね。

Nグループ
 お名前があがっていたのは、yura様、アカヨロシ様、さえ様の御三方でした。こちらも素敵な作品を書かれる作家様ばかりで、大変恐縮でした。
 特にさえ様のお名前を上げて下さっている方が半数近くいて……。これはさえ様がえちちを封印しコミカル作品にトライされていたのと、私がえちち作品にトライしていたこと、eh様の配置センスの妙であり、探偵さんたちから見れば大事故ものっていうね。全年齢えちち頑張った甲斐がありました。でも探偵の皆様、N-1がさえ様だったらもっとえちちだったと思うぞ!(参考作品K-5)


■作品の続編または長編化のご予定はありますか。

C-7
 個人的に綺麗に書ききったつもりだったので、後書きには「続編はないでーす!」と書く気満々だったのですが、続編無いですかのお声をはじめ、二人にもう一度会ってほしい、縁壱もう一度時空飛べないか、巌勝生まれ変わる可能性ないですか、など色々お声を頂いていまして……。書ききったつもりだったのですが、そう言われるとオマケ話くらいは書けなくもないのか? の気持になってきてですね。
 でも可能性の芽が出ただけで、書けるとは決まってないですし、書けたとしても自作のFFというかこんなことがあるかもねifな番外編といいますか……。個人的にはC-7はあれ単体で良いかなという気持ちも強いので正式続編にはならないと思います。予めご了承ください。

N-1
 これ以上戦国軸も全年齢の濡れ場匂わせも書けません! 軽微な修正を入れて自支部に再掲するくらいです。
 年齢制限濡れ場のFFいつでも待ってまーす←


■推理期間中、褒められた点を教えてください。

C-7
 先述した通り、結構突拍子もない設定にしているので受け入れてもらえるか不安だったのですが、想像の100倍、良かった感動したと言っていただけて。中には涙しましたと言って下さる方もいて。本当にありがとうございます。
 あと解凍パスの部分に推理要素を感じてくださった方から、作者の方頭良いと褒めて頂けて。私の頭はさほど良くはないですが、それっぽく仕上げられていて良かった~。

N-1
 えっちだーって沢山いっていただけました! 頑張った甲斐がありました! でもこれ以上のえちちは私にはもう出力できません~(汗)
 消えものの使い方が上手いとも仰っていただけました。終盤書きながら閃いた私、ナイス!


■この企画に参加して、改めて気づいたことはありますか?

 改めて縁巌界隈の作家様方って、レベルの高い方ばかりなんだなって……。傑作ばかりが揃う会場、覆面作家企画……
 そして皆様本当にお優しい。提出前から、覆面参加されますか? 作品楽しみにしています! って言って下さる多さよ……。回答発表前も後もめっちゃ褒めてくれるし……


■参加作品の中で印象深い作品をあげてください。

 執筆者視点で言うと、コト様のC-1「壱の恩返し」、ふみづき様のD-7「ガチャ森と鰹の烏帽子」、ape様のG-6「ヨルテミトッズ」、山がくる様のI-3「影双の刃」ですね。
 コト様の「壱の恩返し」は先述した通り構成・設定、シリアスとギャグのバランス感覚、何をとっても素晴らしい。好き、大好き。初読時は所属グループの一番手がこの作品で震えが止まりませんでした。Cのラスト私で大丈夫か? って。
 ふみづき様は知識と表現の紐づけが本当のお上手な方ですが「ガチャ森と鰹の烏帽子」はそれが際立っているなぁと。私、ガチャ森を『木のない森』と表現しようだとか、玩具のカツオノエボシを森からやってきた海の生き物と表現しようだとか一度も考えたことなかった。しかも感覚共有エロに発想が飛ぶんですよ。凄い。
 ape様「ヨルテミトッズ」は、普通に読んでも怖い。タイトル逆読みに気付いて怖い。手紙パートの縦読みを知って更に怖い。何回怖がらすねん。でもこれを全て成立させる筆力が凄い、本当に凄い。
 山がくる様の「影双の刃」は構成、設定、登場人物、本当に練り上げられていて、これぞ小説! といった作品。山がくる様が作品に如何に真摯に向き合っているかが伝わってきます。


■参加作品の中で印象深いタイトルの作品をあげてください。

 執筆者視点で言うと、あみゅ様のE-2「SNAKED」と七重様のE-3「陸路漂流」とアカヨロシ様のN-3「海の箱」ですね。
 あみゅ様の「SNAKED」は、私が英語不得意なので、英語の造語カッコいい~! って感じです。内容にもマッチしていて更にカッコいい~~!!
 七重様の「陸路漂流」は縁壱のことを的確に表していて、文字の並びとしても美しいです。教養深さを感じるタイトル。憧れます。
 アカヨロシ様の「海の箱」はタイトルだけでは海の箱って何だろう? という気持ちが先行するのですが、作品を読むと正に海の箱。これ以上のタイトルはないだろうと。初見時に意外性を、読了後には深い納得を与えるタイトルを付けられるのって凄すぎます。
 上記の三つに追加して、がーこ様のH-2「ルートボックス」。これはルートボックスが何かを私が知らなかったんですよね。日本で言うところのガチャなどの中身がランダムの入れ物のことを言うんですね。勉強になりました。


■探偵さん&感想者さん&ファンアート職人の皆様に一言。

探偵様へ
 沢山推理して下さってありがとうございます! 特に過去作と比較して「〇〇がはなおぼろさんっぽかった」と言っていただけるのが、私の作品の特徴を覚えて下さっているのだと凄く嬉しくなりました。

感想者様へ
 感想沢山いただけて本当に嬉しいです! 嬉し過ぎて無限に読み直しています。うぅ、今回も参加して本当に良かった……。スクショとって印刷して宝物にします、本当にありがとうございました。

ファンアート職人様へ
 様々な作品の、そして様々な形態のファンアートに、ファンアートタグを検索する度に楽しませていただいております。素晴らしい企画をより彩るファンアートは、ファンアート職人様方の各作品への愛あってこそだと思っているので、皆様の愛の形を沢山拝見・拝読・拝聴することができ、一読者としてとても幸せです。
 また今年は拙作宛のファンアートも頂いてしまい……あそこのシーンを思い浮かべて描いて下さったのだなというのが伝わって、凄く嬉しいです。無限に眺めています。こちらも感想同様宝物にします、本当にありがとうございました。


■主催者側に一言あれば。

 前回に引き続き参加に当たり緊張と不安で一杯だったのですが、優しく丁寧に対応していただけてとても助かりました。作品公開後まで誤字脱字対応をして下さり……その節は本当にご迷惑をお掛けしました。
 また多くの作家様と綿密にやり取りを交わされながらご自身の作品も書きあげられ、数多の作品の特徴を把握してグループごとに割振り、想像を絶する苦労と忙しさがあったかと思います。多くの方が応援し、楽しみ、愛する企画になっているのは、eh様の企画を盛り上げようという姿、真摯な対応があってこそ。
 企画の立案および運営、誠にお疲れ様でした。



 改めまして、縁巌勝覆面作家企画5に携わる全ての皆様に、感謝の気持ちを込めて。ありがとうございました!!