【あらすじ的なもの】
是空本丸の審神者となる男・東雲隆治(しののめたかはる)の家族構成は父・母・二歳下の妹。父親は曽祖父の代から続く彫刻師であり、全国の寺社仏閣の彫刻細工を引き受ける名工だが、昔ながらの職人気質で何を考えているのか解らないような男であった。そんな父親と田舎社会の縁故で半ば無理矢理結婚させられた母親は、妹が中学校を卒業するのと同時に父親と離婚、妹を連れて家を出ており、以来隆治は母・妹共々現在に至るまで会わずじまいとなっている。
隆治は生まれながらに職人の才能を受け継ぎ、天才的なほどの器用な手先を持っていながら父の跡は継がず、料理人を志した。高校卒業後は東京都内の調理師学校に入学、父一人を残して家を出る。
一年制で調理師免許を取得し調理師学校卒業後、すぐにとある日本料理屋にて板前の修行を始め、僅か五年余で一人前の料理人となる。その間に、店の客として訪れた女性と親しくなり交際を始め婚約、結婚したら独立して自分の店を持つことを決意する。
しかしそのタイミングで、帰宅中に路上で居眠り運転の車に突っ込まれて事故に遭い、左脚に大怪我を負ってしまう。切断は免れたものの、後遺症によって立ち仕事は難しい状態となり板前として生きる道を絶たれてしまい、更にそのような状態の自分を支えて共に生きていくのは困難と判断し、婚約者とも婚約破棄する結果となってしまう。
隆治は失意のうちに結局実家へと戻り、父親に頭を下げて弟子入りを嘆願。思いの外あっさりと父親に承諾を得ることが出来、彫刻師としての道を歩み始める。元々才能があったためこちらも五年ほどで一人前の腕前となるが、息子の成長を見届けたかのように父が病で他界する。
必然的に隆治が独りで家業を継ぐ形となり、曽祖父の頃からの得意先の支えもありながら何とか独りきりで隆治は店を切り盛りする。持ち前の技術力で暫くは客が離れることなくやっていくことが出来たが、得意先の寺社仏閣の代替わりなどで次第に定期注文が減り、彫刻の仕事だけではもたなくなって金属細工なども独学で覚えて仕事に加え始める。
しかしいよいよ首が回らなくなり、廃業することを決意。これまでの半生で得た人脈に頼って職を探すこととし、東京へと移り住むために実家を潰そうと思い、長く放ったらかしになっていた父親の遺品整理を始めたところ、その中から一振の太刀を発見。その太刀には手紙が括りつけてあり、父親の字で自分宛に「現世で食うのに困ったり、生きるのがつらくなったのであれば、この太刀を持って天井裏へ行け」という内容が綴られていた。
訳も分からず、しかし一度抜いてみたその太刀のあまりの美しさに惚れ込み、半信半疑と幾許かの好奇心を抱えて、生まれて一度も上がったことのない、上がれることさえ知らなかった屋敷の天井裏へと向かう。
天井裏に通じる戸板を外して頭を出してみると、何故かそこは見たことのない屋敷の板張りの部屋に繋がっていた。隆治が混乱を極めながらも上がり込んでみると、突然手にしていた太刀が桜吹雪に包まれ、やがて太刀は消え失せて代わりに一人の美
しい青年が現れた。
隆治が呆然としていると、それは自らをを数珠丸恒次なる刀剣男士だと名乗り、隆治のことを自身の新たな主と呼んだ。
そこへ侵入者を感知して現れたのは、こんのすけなるコンシェルジュアニマロイド。それは隆治と数珠丸恒次を歓迎し、プログラムに則って説明を始めた。
曰く、この建物は『是空本丸』なる場所で、かつては隆治の父親が審神者として運用をしていたということ。記録は抹消されているが、何らかの不測の事態が発生し、この本丸は当時の審神者である隆治の父親と数珠丸恒次を残して全滅してしまったということ。隆治の父親は数珠丸恒次を持って現世へと逃げ延びたらしいこと。それ以来、この本丸は無人のまま放置されていたこと。隆治が数珠丸恒次を携えて此処へと辿り着けたということは、審神者としての適性があり、この本丸の審神者となって歴史を守る戦いに協力してもらいたいということ。
隆治はあまりの急展開に迷い、惑ったが、生前知ることの叶わなかった父親の本当の姿を知りたいという気持ちと、父親が現世に持ち逃げするほどに魅入られた数珠丸恒次なる刀剣男士に興味を持ち、現世の生活との兼業で審神者となることを決意する。
完全にAIプログラムで管理された時の政府より正式に審神者就任の登録を受けたのち、改めて始まりの一振りとして山姥切国広を選ぶ。そして、初めての鍛刀で前田藤四郎を顕現させることに成功。近侍は当面の間数珠丸恒次に任せることに。
以降、こんのすけから任務を与えられながら、本丸での審神者生活と現世での職人生活の両立をはかる。隆治が現世に戻っている間は、近侍である数珠丸恒次が一切の指揮をとっている。
現在隆治は約二十振り弱程度の刀剣男士らと共に本丸生活を送りつつ、数ヶ月に一度本業のために現世へと戻る生活をしている。
【審神者について】

東雲隆治(37)183cm/62kg/A型/0101
審神者と社寺彫刻師を兼任する男性。現在一人暮らししている山梨県の実家の天井裏が本丸と繋がっており、その時々に応じて現世と2205年の世界を行き来している。真名は伏せていないが、大抵の刀剣男士は彼を「主」と呼ぶ。
実用性と機能性を重視した結果ほぼ通年作務衣姿。寒いシーズンは下に防寒肌着を着用したり上着を羽織ったりする。
服装には無頓着な方だが身嗜みは毎日きちんと整えており清潔感がある。部屋も基本整理整頓されている。
元板前であるため料理が得意で他人に食べさせることが大好き。そのため本丸に居る際は毎日毎食彼が主導で食事を作る。
寡黙で思慮深く、穏やかで人あたりの良い性格。子供も動物も好きで、きちんと愛するものに愛情をかけられるタイプの人間ではあるが、これまでの半生の影響によって心を病んでいる部分もあり、いつもどこか疲れたような影が表情に付き纏う。
また、常に何か手を動かしていないと気が済まない性分で、自室にいる時は大抵何らかの彫刻細工や金属細工を一心不乱に作り続けている。まるで何かの思考から逃れるかのように。更に極度のショートスリーパーでもある。
かつて交通事故に遭い、左脚に怪我の後遺症が残っているため、常に軽く引き摺るようにして歩く。
長時間立っていることが出来ないため、厨の調理場には必ず椅子が置いてある。
刀剣という道具・美術品としての数珠丸恒次に惚れ込んでいる自覚はあるが、付喪神でありながら時に人間のように振る舞う数珠丸恒次に対しては形容し難い複雑な想いを抱いている。
【是空本丸の主な刀剣男士】
数珠丸恒次
現在の是空本丸の近侍を務める刀剣男士。初で精神状態は顕現時にかなり近いが、練度はずば抜けて高い。
元は隆治の父親が顕現した個体だが、過去に起きたとされている何らかの緊急事態の際に隆治の父親によって現世へと唯一振り持ち出され、その際に一度全ての記憶を失っている。
失くしてしまった先代審神者の記憶に仄かな未練はあるものの、現在の主である隆治に対して執着にも似た感情を抱いており、叶うなら現世を捨てて永遠に己が主として本丸に在り続けて欲しいと思っているが、慎むべき感情として常に押し殺している。
禁欲的で生真面目だが、存外ユーモアに富んでいてごく稀に冗談や軽口を言うことも。
山姥切国広
現是空本丸の初期刀。隆治が数珠丸恒次と共に本丸へとやってきたため、初期刀でありながら二番目の顕現となった。
隆治が彼を初期刀として選んだ理由が「名工国広の最高傑作と名高い刀剣というのに惹かれたから」というものであったため、隆治に対して一目を置き、誰よりも素直に懐いている。
数珠丸恒次に対して全く思うところが無いわけではないが、刀剣男士として確かな強さを持つ彼のこともまた一目置いており、早く己も実力的に追い付きたいと思っている。
前田藤四郎
現是空本丸にて隆治が初めて鍛刀した刀剣男士。是空本丸の良きまとめ役のような存在。
数珠丸恒次とは気が合うようで互いに特に仲良くしており、彼が隆治に対して抱く想いにもうっすらと気付いている。
それ故に、どこか捨て身な雰囲気のある隆治に対してはやや複雑な感情を抱いており、一定の信頼は置いているものの理解出来ない存在であるという思いが捨てられずにいる。
こちらも思い付き次第色々更新していけたらと思います
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.