らく@創作企画TRPG
2017-09-17 01:52:06
627文字
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【学戦】もっと【異国にて】

恋人同士だと言うと、有無も言わさず部屋を一緒にされる朧綴。


 まるで壊れ物のように優しく引き寄せてくれる腕を、もどかしく感じてしまうようになってしまった意味がわからないほど純真無垢な環境にいたわけじゃない。
 異国の地で、不可抗力とはいえ同じ部屋の、同じシーツの上で眠ることになった日々は片手では数えられないくらいになった。
 初めは互いにこれ以上ないほど意識してぎこちなかったけれど、周りの奔放さや屈託のなさに触発されて意識しすぎることはなくなってきた、と、思う。
 軽いスキンシップをするようになったが、一線を越えることはない。
 そこまで触発されてはいない。
 いないと、思う。
 そっと額に、瞼に、頬に、そして時には唇に、キスが落とされる。
 一度、二度、熱が孕む吐息を啄むように、もう一度。
 もっと。
 離れていく熱に、口をついて出そうになる言葉を、こくり、と喉を鳴らすことで押し留める。
 鳴らされた音に誘われるように頤が持ち上げられ、首筋をわずか乾いた感触の唇が少しだけなぞっていった。
 本当に、少しだけ。
 肩に置かれていた手にぐっと力が入り、すぐに顔が離された。
 一瞬、強く官能の色を閉じ込めた、いつもは淡く優しい風合いに映る紫の目が、わたしの中のもどかしさを射抜いていく。
「おやすみ、綴」
 けれど、次の瞬間にはその瞳を隠すように、彼は優しく抱きしめて、耳元でそう告げる。
……うん」
 わたしに出来るせいいっぱいは、熱い背中のシャツをきゅっと握り締めることだけだった。





※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。