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らく@創作企画TRPG
2017-08-13 23:06:59
824文字
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【学戦】怪我をしていたら助けること【救護班/月雪朧】
街中で見掛ける綴は、当然のことながら私服だ。
彼女の制服姿はたぶん二回くらいしか見たことがない。
出会ったときと、
……
川縁の戦場で見掛けたとき。
小さく溜め息を吐いて自分の髪をぐしゃぐしゃと掻き乱すと、見掛けた後ろ姿をそのままにして回れ右をした。
今さら、と思う。
もう結べなくなった髪の短さを思い出しては、踵を返して声を掛け直そうかと歩幅を狭くする。
狭くするだけで、歩みは止まらなかった。し、振り返ることも出来なかった。
歩幅を広くして歩みを早める。
少し、少しだけ時間が必要だ。
だから、無視をしたわけじゃないと後ろめたい言い訳を言い聞かせながらアパートの部屋に戻った。
そんなに早く歩いていたわけじゃないのに上がってしまった息のまま、扉を閉めてずるずると玄関に座り込む。
白い制服が赤く染まっていくあの光景を、相手のことを殺すために全てを捨て去ってしまったようなあの戦い方を。
ぐっと瞼をきつく閉じ、顔を膝に埋めた。
そして、そんな彼女に斬られ、血飛沫を上げ、そのまま動かなくなっていく黒い制服を着た生徒たちを。
何度、夢に見ても。何度、思い出しても。
あのとき、あの光景を見てしまっても。
それでも、何度でも、彼女を助ける選択しか選ばない俺は、あの光景を忘れてはいけないのだと。
俺は、正しいことをしているわけじゃない。でも、間違ったこともしていない。
助けた命に誇りを持たないで、どうしたら、助けた分だけ進んで誰かを殺しに行く彼らを助けられるっていうんだ。
白軍の誰かも、黒軍の誰かも、赤軍の誰かも、同じように笑って苦しんで怒って悲しむことを知っていて、どうして自分の選択に後悔が出来るんだ。
どうして。
なんで助けた。
なんて、みんな簡単に言えるんだ。
「
……
簡単じゃ、ない」
酷く掠れた声が、零れた。彼女みたいな。
簡単じゃない。
そして、優しくもない。
※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
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