らく@創作企画TRPG
2017-01-10 22:27:42
809文字
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【学戦】 朧が白軍だったら 【いふ】

※流血・軽い暴力描写あります。



「何を助けている」
 生きた、人の血の臭いがする。
 きっと正しく表現するならば、『生きていた』人の血の臭いなのだろう。真新しすぎて錯覚させる。
 答えずにいると、掠れた低めの声が恫喝するように繰り返した。
「もう一度聞く。何を、助けている」
 血と脂で鈍く輝く刀が、眼前でぬらりと照る。
 真実、恫喝されているのだろう。
 目の前にいる小柄な少年の言葉が指し示す「何」とは、本来、白軍が助けてはいけない、いや、助けたいと思うわけがない所属の学生だ。
「届きもしない日の丸印に恋い焦がれる惨めなカラスの残党だというなら、差し出せよ」
 明確な煽りに、後ろに庇っていた黒軍の重傷の学徒が身じろぎする気配。
 動くなと手で示す。
「この学生は、もう動けない。戦線離脱だ」
「関係ない」
「ある。戦争と殺戮は違う。殺さないでいい学生まで殺すべきじゃない」
「馬鹿か貴様、裏切りと見做されたいか」
 これは殲滅戦だ。殺さないでいい学生なんて、いない。
「そこを退け」
「退けない」
 瞬間、飛んできたのは言葉ではなく、血に塗れた刀の切先だった。
 火に炙られたように頬がひり付く。
「次は、頭ごと斬り飛ばす」
 深くはなく、決して浅くはない頬の傷から、顎を伝い、赤い血液がぽた、ぽたりと滴り落ちる。
 その、鮮やかな血の色を見て、ああ、退けない、と思った。
 退けるわけがないと思った。
 睨み合ったまま、一歩も動かずにいると、殺意にのみ彩られていたアメジストがわずかに薄まった。
「貴様、学年と所属は」
「白軍2年救護班、月雪朧」
「貴様の名前なんてどうでもいい」
 彼は、忌々しそうに目を眇めた。
「物の言い方に気をつけろ。ボクは貴様より一年多く戦場を生き延びている」
 言外に、目の前の小柄な人物が先輩なのだといわれ、思わず目を見開いた。



※ここで力尽きました。敬語を使えと綴さんはご立腹ですよ、朧くん。


※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。