らく@創作企画TRPG
2016-11-21 01:04:55
645文字
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【零月譚】いふ・シチュエーション

ちょっと暴力的で、ちょっと殺伐してます。


 抵抗する間もなく彼女の頭は地面に沈んだ。
 力尽くで膝を折られ、地べたに這いつくばる格好のまま、長さの足りてない薄紅の袖から覗く両腕が後ろ背に拘束される。
 ぞくりと魂を掴まれるような怖気が走った。
 人の姿のときは発することのない威嚇の吐息が漏れ出るも、意味は為さない。
 泥の味が舌を侵した。
 魂を引き剥がされるような嫌悪感に身を震わせ、砂利を噛み締めたその時。
「何をしている」
 ふ、と唐突に押し潰されそうな空気を、聞き覚えのある男の声がひやりと冷たく撫ぜた。
 短い呼気を吐き出せば、上からの圧がわずかばかりに軽くなる。
 その隙を逃すはずもない。
 いつも、ひとであることを煩いほどに主張するその口が牙を剥いて、くわりと開いた。
「そこなお兄さん」
 いつものようにいけしゃあしゃあと声が呼ぶ。
 さらに続くは助け乞う声か。
 しかし、彼女は地べたに押さえつけられた泥塗れの頬を歪めて、泣くでも懇願するでもなく、色違いの双眸を猫のように細め、にゃはりと笑った。
「その刀、ちょいと怪異物の怪の首を刎ねるのに使わにゃあですか」
 橙色の頭から生えるは明らかな獣の耳。
 添わぬ契約に縛られるならば、この命、価値はなく、まして、零である彼に助けを乞うほど、この猫畜生、情に浅くはなれはせず。




(みけが誰かに無理やり契約を結ばれそうになっているところに遭遇してしまった、零部隊の冬島くん @greensofa_la
いふダークシチュにお借りしました!すみません!)


※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。