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らく@創作企画TRPG
2016-10-27 21:55:06
726文字
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【学戦】一年生は凶暴だった和角をあまり知らない【申し訳程度に朧綴】
戦況はよくなく、医務室も救護班も手いっぱいな状況だった。
腕に負った傷は、すぐに処置しなければならないほど深いものじゃなかったが、長く放っておくには障りがあった。
痛みでぼんやりとする視界の端で、見覚えのある小柄な学生が足を止めた。
今回同じ作戦のもとに連携を取っていた、違う隊の隊員だ。
一瞬、躊躇する気配を見せたが、ぐっと振り切るようにこちらに寄ってくる。
「見せてみろ」
低く掠れた特徴のある声だった。
たくさん怪我人が出ている中で、特に大した怪我も負わずそこにいる彼をみて、この人が二つも先輩であることを思い出した。
「和角、先輩
……
」
「じっとしてろ」
ポケットから取り出した真っ白なハンカチを戸惑いなく引き裂くと、先輩は器用に俺の怪我の応急処置を始めた。
労わるわけでもなく、気遣うわけでもなく、黙々とただ静かに処置を施す。
戦っているときの姿とは似ても似つかないその静かな姿に、痛みを紛らわせたかったこともあって、思わず声を掛けた。
「うまい、ですね」
ちらりと視線が俺に向くも、すぐに布切れと化したハンカチを巻く作業へ戻る。
「何がだ」
無視しないことにも驚いたが、しかし。
「応急処置」
「誰でもできる」
授業で習うだろうと先輩は淡々と答えた。
「手が空いたら、きちんとした手当てをしてもらえ」
本当に上手に手早く終わらせた腕の処置を見て、ほっと息を吐いた。
「ありがとうございました。俺、こういうの苦手で、何かコツとかあるんですか」
さっさと立ち去ろうとしていた先輩を、慌てて引き止めて問えば、無視されるかと思ったけど、無視せずに足を止めて少し振り返った。
「
……
教わった」
先輩は、紫の目を伏せて小さく、そう答えた。
※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
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