らく@創作企画TRPG
2016-09-19 20:30:10
421文字
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【学戦】 彼女に呪いは通じない【佐久本 鈴之進】

※流血・死描写あります

真っ直ぐ腹を貫かれた少女の目が、驚愕に見開かれた。
じわじわと血が滲む速度と同じほどの速さで、少女の顔が恐怖とそして憎悪に染まる。
往生際悪く殺そうと足掻く愛らしい手が泳ぐように空を掴むも届かない。
槍の長さは、少女の苦しさを伸ばしても、少女の距離は縮めなかった。
それでも。
……てや、る」
ごぼり、と零れる血は垂れ、槍を流れ伝い、手を汚す。
届け、と。
「殺して、やる……!」
己が血を媒介にして、言葉とともに呪われろと。
少しでも。
「殺してやる、佐久本ぉ!」
血とともに溢れる涙は、裏切られた者にだけ流せる涙だ。
できはしないと心の底で囁く自分の声が憎らしい。
けれど、せめて、少しでも。
「許さない」
変わらぬ友人を見詰めるように瞬く金色の目が、少しでも、歪めばいいと。
「許さないから、佐久本」
言葉を、乗せる。
「ん。じゃあな、小夜」
あっけらかんと消えない言葉を受け入れて、彼女は帰り際の別れと同じ軽さで一蹴した。




※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。