らく@創作企画TRPG
2016-08-24 10:47:42
423文字
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【花葬】?番目の花嫁




「さみしい」
貴方といるのはさみしいわ、と彼女がいった。
「目を見つめて話すこともできない、頬を撫ぜ愛おしむこともできない、唇をなぞって誘惑することもできないの」
花嫁はひとり膝を抱え、顔を埋める。
自分で自分を抱きしめるように。
「ジェーン」
僕は何度目か分からないほど、彼女の名前を呼ぶ。
「ジェーン、顔を上げて」
何度も、丁寧に。一度も、疎かにすることなく。
「ねぇ、ジェーン」
何度も。大切に。
「ねぇ、名無しの『コトダマ』さん」
声に応えて顔を上げた彼女は嘲るように口角を吊り上げた。
「知ってた?私の名前も誰でもない『名無し』なの」
彼女の歪んだ表情は、僕の声を破り捨てた。
それでも。
「知っているよ」
何度でも。
「僕のジェーン『名無し』」
それでも、僕には貴女が愛しいと貴女の名を呼ぶことしかできない。
「黙って、手を握りしめてよ」
「お願いだ。どうか、君のそばにいさせて」
涙が伝う頬に、声が滑り落ちていく。






※こちらのテキストは妄言でもあり、フィクションでもあり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。