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K28015048
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玑灵
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玑灵 イルミネーションを見に行って共感でセクハラされる陛下
「陛下、イルミネーションを見に行かないか?」
「いる
……
?」
唐突に慣れない横文字を繰り出され、盛灵渊は頭の中で外来語の辞書を繰りながら首を傾げた。
冬の澄んだ空気が頬をなぞり、吐き出した吐息は白い羽毛のように空へ舞い上がり溶けていく。
イルミネーションが煌めく冬の定番のデートスポットに連れられた盛灵渊は物珍しそうに辺りを見回した。
「な?陛下、綺麗だろ?」
人工的に飾り付けられた灯りより、人々の生活の営みが伺える夜景の方が一等好みではあったが、それを口にすると宣玑が拗ねてしまうことは予測できた為、盛灵渊は小さく頷くに留めた。
キラキラと輝く街路樹を眺めながら、色とりどりの飾りを繁々と眺め歩く。
宣玑の調べ上げたデートスポットは恋人達でひしめき合い、落ち着いて鑑賞するどころか人波を鑑賞しに来たに等しかった。
人混みに慣れていない盛灵渊が歩きづらさに辟易としていたその時、するりと熱い手のひらが触れ、視線をあげた。
「
……
陛下、はぐれるから、手を
…
」
「
………
」
盛灵渊の物言いたげな視線から逃げるように前を見据えた宣玑は、ひんやりとした盛灵渊の手を握ると指を絡ませる。
所謂恋人繋ぎというものは盛灵渊とて知っていた。普段人目を気にする神鳥は公の場で睦み合うことはしない。
暗闇の中、イルミネーションの輝きに視線を奪われた恋人達はそれぞれの世界に浸りきり、二人が手を繋いでいようが誰も気にも留めることはない。
前を向く宣玑の耳がほんのりと色付いている事に気がつくと、盛灵渊は思わず唇に弧を描いた。
「陛下、見過ぎ
……
」
「うん?このイルミネーションが一等鮮やかだ」
光の輝きを浴びた赤髪はより一層明るくキラキラと煌めき、髪と同色の瞳に反射した光は万華鏡のように美しかった。
盛灵渊の前で格好をつけたがる宣玑は取り乱した姿を見せる事を好まない。だが盛灵渊に見つめられた事によって早々にポーカーフェイスは崩れ去り、見つめる毎にじわじわと赤らんでいく耳朶に心が擽られた。
「もう
…
揶揄うなって」
「小玑」
「!」
繋いだ手を引き、盛灵渊の外套のポケットへ手を入れる。ごつごつとした男性の手のひらが二人分納められたポケットは歪に盛り上がっていたが、二人分の体温も相まって暖かかった。
「へ、陛下
……
」
「ん
…
こうした方が暖かい」
肩を寄せ合い歩く二人は最早イルミネーションなど目もくれず互いを見つめ合っていた。
ポケットの中で繋がれた盛灵渊の手が悪戯に宣玑の手のひらを擽り、ぞくりと背筋が粟立った。
「
……
ッ、灵渊
…
!」
足早に車へと戻り、暖房を付け座るや否や宣玑は助手席の盛灵渊へと覆い被さり口付けた。散々道中で煽られた男は切なげに眉を寄せ何度も柔らかな唇を啄んだ。
「ん、小玑
…
ンン」
チュク
…
と小さなリップ音をたて啄んでいた口付けは次第に深くなり、盛灵渊の唇を割り開き熱い舌を挿し込んだ。
車内には二人の荒い呼吸と舌を絡め合う音が小さく漏れ聞こえる。体温の低い盛灵渊の舌を絡めとると熱を分け与えるように擦り合わせた。
たっぷりと口腔を蹂躙し、ヂュと舌を吸い上げると盛灵渊から鼻に抜けた声が漏れ聞こえた。
「んふ
………
ハァッ、小
……
んぅ
…
」
「は
………
」
角度を変え何度も深く口付けし、挿し込んだ舌で上顎を擽ってやるとビクビクと身体を震わせる。
盛灵渊の口端から飲み込みきれなかった唾液が伝い、暗い車内の中でキラリと輝いた。宣玑はすかさず口端へと舌を這わせ舐めとると、長い口付けでぽってりと腫れた唇へと軽く吸い付いた。
「小玑
……
もう
…
」
「うん?灵渊、腰揺れてる
…
」
興奮によって据わった瞳を隠しもせず、盛灵渊が言葉を紡ぐのを待たずに口付ける。
「ン
……
!」
舌を絡ませ合うたび快感に震える様子に、宣玑は更に煽られ呼吸を荒くした。
たっぷりと盛灵渊の口腔を味わい、軽いリップ音と共に身を起こした宣玑は盛灵渊の首筋へと唇を落とす。
「小玑、ここでは
…
」
「うん、しない
…
今からホテルに行くから」
「ッ!!」
唇を這わせた後、ガリッと血が滲むほどの力で噛みつかれ盛灵渊は眼を見張る。快感にぼんやりとしていた思考が途端に鮮明になり、突然の暴挙に眉を寄せた。
無言のままハンドルに手をかけた宣玑に文句を言おうと唇を開いた瞬間、共感によって盛灵渊の意識に淫らな妄想が伝わってくる。
「なっ
………
」
「
…………
」
黙々と運転する横顔を眺めながら、脳内に送られてくる淫らな映像に絶句する。
これからどうやって盛灵渊を抱くかを鮮明に脳内に展開され、まるで強制的にAVを見せられているようだった。
宣玑の脳内でドロドロに穢され、精液にまみれた己の姿に盛灵渊は唇を震わせた。
ホテルに着くまでこれを見せるために噛み付いただと?厚顔無恥も甚だしい!
だが先程たっぷりと宣玑によってもたらされた快楽の火種は未だ燻り、胎の奥が切なく疼いていた。
「
…………
」
車内はしん、と静まり返りウィンカーの音だけが小さく鳴り響く。
焦れに焦れた二人は一刻も早くホテルへ着くことを願い、互いの熱で暖め合いたいそう思うのだった。
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