まずは主人公の白雪姫。
彼女は良き君主である両親に育てられ、『分け合うこと』が大切だと教えられてきました。自ら民の中に混ざり、自分の持っている花冠を城下の娘に差し出すような女の子です。
ぶっちゃけ、1937年版の白雪姫とはかなり異なった性格の持ち主です。実写版のアリエルがアニメーション版のアリエルの延長上にいたのとは、ある意味で対極的になります。しかし『白雪姫の優しさは何処から来るのか』という掘り下げがなされており、それに見合った性格付けだと思いました。
七人もいる小人の名前を覚えられたことも、『名前を知っておくのは大事と母から教えられた』という設定づけがあります。君主にとって、人の名前を覚えるというのはかなり重要なことですからね。
演者であるレイチェル・ゼグラーの歌声は美しく(今回観たのは字幕版)、『someday my prince will come』を歌わなかったことを惜しく思います。しかし『Whistle While You Work』の間奏で、その伸びやかな歌声から『白雪姫らしさ』の片鱗を感じ取りました。あの高音は、アドリアナ・カセロッティにしか出せないと思っていたのに! そりゃ白雪姫役に選ばれるだけはありますね。
今作は、1937年版の『snow white and seven dwarfs』とはだいぶ毛色が違うかもしれません。しかし『何故白雪姫は心が美しいのか』ということを十分に描ききったと思います。何より私は、作品全体のカラーコーディネートが非常に気に入りました。それは『世界初の長編カラーアニメーション』として作られた『snow white and seven dwarfs』への、最大の敬意だと思うからです。