楓花
2025-03-20 13:43:12
Public GD/真矢うさ 小説
 

ニューイヤーキス

タイッツーに投稿していたSSS
2025.1.1初出

「3、2、1あけましておめでとー!」

年が明けた瞬間、わぁっと歓声が上がる。
同時に、笑顔で振り返った万尋さんに素早くキスをした。
ちゅっと軽く音を立てて唇を離すと、驚いた顔。
その顔が真っ赤に染まって、眉がつり上がるのを満足しながら眺めた。

「まっ、てめっ」
「あけましておめでとう、万尋さん」
「おめでとう……じゃねぇっ! 何でキスしてくんだよ、おまえ昨年も──」
「ニューイヤーキスの慣習だよ。キスすることで悪いことを追い払って、その人に幸せが訪れるって意味があるんだってね。今年も万尋さんに沢山幸せでいて欲しくて」
……そんなこと言われたら、怒れなくなるだろ」

少しトーンダウンした万尋さんに、笑顔を向ける。

「今年もよろしくね、万尋さん」
「うん、よろしく」

照れた万尋さんの少しうつむき加減の顔を見ながら、幸せを噛みしめる。
今年もまた、万尋さんとのキスから始めることが出来た。
ニューイヤーキスには、新しい年を愛に満ちたものにするという意味もあるらしい。
今年一年が幸せなものになる確かな確信とともに、俺はそっと万尋さんの手を握った。