三毛田
2025-03-19 22:20:05
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36 16. 信頼の重み

36日目
信頼される幸せ

36 16. 信頼の重み
 触れることを許してくれるのも、隣にいることを許してくれるのも。
 全て、俺への信頼から来ている。
 それは嬉しいことであると同時に、彼にとってはとてつもなく重いものなのだろうと察して。
「丹恒」
「どうした」
 何かを思案するように顎に手を当てていたが、声を掛けるとその手をどかして振り返る。
 こうやって、俺に対して誠実に対応しようとしてくれる。その事実に、嬉しくなって。
 何を彼に告げようとしたのか、忘れてしまった。
「俺、丹恒に信頼されてるの嬉しいなって」
「そうか。お前がそう思ってくれるのは……
「のは?」
「俺も嬉しいな」
 ふふ。と、小さく笑いを漏らして、俺を見つめ。
「丹恒、好きです」
「知っている」
 俺の言葉に頷き、それから俺の頬を撫でて。
「お前のことを仲間として信頼している。それに、個人的に好いている」
「うう……そう言われると、俺、舞い上がっちゃうよ?」
「舞い上がっても構わない。と言ったら?」
「調子に乗って、丹恒にキスして、押し倒しちゃうかも?」
 上目遣いに、見つめてみる。
 と、俺の胸に頬を寄せ。
「うっ。丹恒、そういうの、どこで覚えてきたの」
「ネットで色々調べてみた。男は、こういうものに弱いと」
「男が弱いんじゃなくて、俺は、丹恒にされるから弱いんだ」
 抱きしめると、彼は嬉しそうに笑い声を漏らし。
「丹恒。丹恒にとって、誰かを信頼するのは、勇気がいること?」
「そうだな」
「それじゃあ、俺を信頼してくれている理由は?」
「お前を仲間だと認めたから。お前が、俺の姿を厭うことがなかったから」
 背中に腕が回り、恐る恐るな仕草に胸がキュンキュンして。
「丹恒、抱きしめるよ」
「ああ、いいぞ」
 回した腕に力を籠めると、丹恒も抱きしめ返してくれ。
 彼に信頼してもらえる。それが、とても嬉しく本当に幸せなことだと。
……誰かに信頼していることを悟ってもらえるのは、嬉しいな」
「俺も、すごく嬉しい。信頼を返してもらえるのって、幸せなんだな」
 二人で、そう呟いた後笑い合って。それからキスをする。
「丹恒、胸揉んでいい?」
……
「丹恒先生、痛いです」
 胸にそっと手を添えると、手の甲を引っ張られ。
 泣きごとのような声を上げると、クスクス笑う。
「お前のベッドの上でなら、考えなくもない」
「えっと……それじゃあ、お願いします」
「準備をして待っていてくれ」
 と、資料室を追い出されてしまう。
 でも、心は弾んでいる。すごくうっきうきだ。
「今日はどれ使おうかな?」