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suna
2016-04-21 13:45:15
2385文字
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ユリウス×女騎士ネタ(未完)
かなり前に書いていたものの出す機会を逃したまま最後のオチ等どうするつもりだったのか思い出せなくなってしまったのでここに
天空城での一件が片付いたのを見届けた私は、王よりの任務へと戻るべく足を進めていた。スピネは目を覚まし、乙姫たちも無事に帰還した。憑き物が落ちたように晴れやかな顔をしていたアキムを見て、彼を説得してくれた乙姫に感謝した。さすがは年の功
……
などと口を滑らせては、彼女に怒られてしまうか。
「
……
ふふっ」
頬を膨らませる乙姫の姿を想像して、つい口元が緩む。
本当はもっとゆっくり皆と話をしたかったが、今回の件で大分任務の進行が遅れている。名残を惜しみつつ、私は皆に気付かれぬ様そっと天空城を後にしたのだった。
「明日には抜けられそうね」
鬱蒼と茂った森をやや足早に歩きながら、私は呟いた。
任地までは整備された街道を行く手もあるのだが、時間短縮の為に森を突っ切るコースを選んだ。何度か通ったことのある森なので特に迷うこともなく、順調に進んでいる。
この先に開けた場所があったはずなので、そこで野営をする予定だ。日が落ちる前には辿りつけるだろう。荷物の中に干し肉とパンはあるものの、出来たらもう少し精のつく物を食べたい。手頃な小動物でも見つかればいいのだが。
しかし、そんな私のささやかな期待は裏切られ、予定の場所に辿りついた時には道中で拾った焚火の材料を手にしているだけだった。野営の準備をしながらふと顔を上げると、夕焼けの中を鳥の群れが横切っていくのが見えた。町に着いたら鳥のソテーをお腹いっぱい食べようと心に誓いながら、ぱちぱちと音を立てる温かな火の近くにマントを敷いて私は腰を下ろした。
「そろそろこれだけじゃ心許ないわね
……
」
冷たい地面が厚手のマント越しに私の体温を奪っていく。冬はまだ先だが、そろそろ準備をした方がよさそうだ。
ふぅと軽いため息をついて携帯食を荷物から取り出そうとした瞬間、
「!?」
何かが近づいてくる気配を感じて私は立ち上がった。既に、剣は構えている。
まだ遠いがものすごいスピードだ。ガサガサと草木を揺らすのは獣の足音
……
とは違う
――
一瞬食糧にありつけるかと思った私は少し落胆した
――
魔物か?
剣を握る手に力が篭る。木々の間は夕闇が黒く塗りつぶしていて、なかなか音の主を視認することが出来ない。あと数秒で茂みを抜けて“何か”はここへ到達するだろう。ごくりと唾を飲み込んだその時、ぴたりと“何か”の音が止んだ。次いで、聞き覚えのある声が耳に届く。
「剣を下ろしてくれないかな? せっかく追いついたのに真っ二つにされては困るからね」
「えっ
……
?」
そろそろと剣の切っ先を下へ向けた私の目の前に、ゆっくりとした足取りで暗がりから現れたのはユリウスだった。ここまで高速移動する為に酷使されたであろう触手がしゅるしゅると服の裾へと吸い込まれていく。ぽんぽんと身体に着いた葉っぱを払っている姿は十秒と経たずに普通の
――
むしろ森の中には不釣り合いな優雅な雰囲気を漂わせた
――
人間にしか見えなくなっていた。
「
……
何故ここに?」
人間のふりをしてはいるが、最早彼は人間ではない。ここには正体を知る私しかいないのにわざわざ触手をしまうのはどうしてだとか、羽や触手はどうやってしまっているのかとか聞きたいことは他にもあったが、とりあえず一番の疑問をぶつけてみた。
「その様子ではやっぱり覚えていなかったようだね。
……
約束したじゃないか、天空城の件が片付いたら一緒に過ごそうと」
「
…………
はあ」
やれやれといった体で苦笑するユリウスに私はぽかんと口を開けるしかなかった。剣を鞘に納めながら記憶を辿る。確かに何度か誘われたような気はするが、目の前の敵を倒すのに精いっぱいだった私はその度に適当な返事でお茶を濁していたので、約束したとまでは言えないのではないか。それに
――
。
「その為に私を追ってきたの?」
「もちろん」
さらりと返されて私は思わずこめかみを押さえた。ヴァンピィたちは私と一緒に旅をしたいと言うかもしれない、そう思ったのもあってこっそり旅に出たというのに思わぬ伏兵が着いてきてしまった。
「ああ、君の旅を邪魔するつもりはないよ。私はこれから一度故郷に戻るつもりだしね」
私の胸中を察したのか、ユリウスがひらひらと手を振ってみせる。気がつくとユリウスは私を通り越し、さっさと焚火の前に腰を下ろそうとしているところだった。それも、私がマントを敷いた場所のすぐ隣だ。
「ちょっと、ユリウス
……
」
「この一晩だけさ。朝になったらここを離れる。いいだろう?」
不満を口にしようとした所を遮られ、私は言葉に詰まった。特に断る理由はない。一人で野営をするよりは、二人の方が安全だ。一度は裏切られた私が言うのも何だが、寝首を掻かれるような心配はしていない。
「
……
分かったわ」
私はマントをすっと横へずらすと、ユリウスから少しだけ離れた場所に座った。さすがにそのまま座るのは居心地が悪いと思ったからだ。
「夜は冷えるのだから、固まっていた方が良いと思うのだがね」
そう言うとユリウスはしゅるりと触手を私の肩へと伸ばした。柔らかなそれは多少湿り気を帯びているものの、確かに温かい。疲れた体を思わず委ねそうになるのを我慢して、私はやんわりと触手を払いのけた。
「
……
つれないね。まあ、無理強いをする気はないが
……
騎士に体を休めてほしいというのは本心だよ。この触手を多めに集めれば、ちょっとしたベッド替わりにはなる」
「
……
遠慮しておく」
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四コマのユリウスネタを受けてユリウスの触手に包まれて眠る騎士様とかユリウスの心境を語らせようとか色々予定していたような気がするのですが、書く前にゲーム本編で再登場したりなんだりしているうちに機を逃してしまいました。
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