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片葉美みつお
2025-03-18 01:37:23
3913文字
Public
ラルアル
自分の言葉
学パロ軸、アルファとラルフ君のお付き合いまでに至る話。
以下、キャラクターシート。
アルファ→
https://bsky.app/profile/katabami320.bsky.social/post/3lewwja6yfk24
ラルフ君→
https://bsky.app/profile/51kk010ve.bsky.social/post/3leslrr6bak24
大衆食堂『竜の巣』で、初めてアルファの母親と会った。
『迷惑でなければ、アルファと友達になってあげてね』
微笑むアルファの母さん。
アルファはまっすぐで純粋で、俺には眩しかった。
だが
…
とても温かい存在でもあった。
アルファもアルファの母さんも望むのなら、友達になるつもりだった。
そのつもりだったのに
—
――
。
昼休み。校内中庭にて。
アルファ「僕
……
ラルフ先輩の事が、好きです
…
」
俺の身体を包むように回された細い腕、背中にアルファの体温を感じる。
自分に対して告げられているであろう告白がどこか遠く感じた。
どうして
……
こんなことに
……
時は戻り、4時限目の授業が終わった頃。
ルカは先日冷え込んだ日に風邪を引いたらしい。よって今日は休んでいる。
ブレザーも上着も着ないからだ。あのバカは。
朝買ったコンビニ弁当を持って中庭へ向かう。
ルカとアルファと3人で昼食を共にしてから、いつしか一緒に食べるようになっていた。
アルファは3人分弁当を作ることを申し出たが、流石に断った。
アイツひとりにそこまで負担をかけさせる訳にはいかない。
ほどなくして中庭に到着する。
中央寄りの周囲が植栽で区画された場所が指定席だ。
覗き込まなければ座席付近は見られることはなく、プライバシーが確保されている。
席について、袋から弁当を取り出しているとアルファがやってきた。
ア「こんにちは。ルカ先輩は
…
何か用事ですか?」
ラ「アイツは休みだ。3日前か?エラい寒い日に薄着で来て、体調を崩したんだとさ。自業自得だ」
ア「そうですか
…
でも、早く治るといいですね」
ルカを案じる言葉を口にしながらアルファは席に着いた。
俺と違って優しいな。ルカも少しはアルファを見習え。
授業であった事や、最近読んだ本の話などしながら食事が進む。
アルファの弁当には色ツヤのいい厚焼き玉子が入っていた。
アレ
…
旨いんだよな
…
。
物欲しい顔をしていたのか、アルファが箸を止める。
ア「厚焼き玉子、3切れあるのでよかったらラルフ先輩おひとつ食べませんか?」
ラ「え?
……
いや
…
」
ア「今日、朝ごはんをしっかり食べてきたのであまりお腹が空いてないんです」
にこにこしているが、アルファは意外と頑固だ。
こう申し出たからには、俺が受け取るまで退かないだろう。
ラ「じゃ、ありがたく
…
」
自分の弁当ケースをアルファに近づけると、アルファが身を乗り出して厚焼き玉子を俺の口元へ差し出してきた。
ア「あーーん
……
」
悪戯っぽい顔をしながら厚焼き玉子を箸で差し出してくる。
……
可愛い。
言われるがまま口を大きく開けようとした時、
ア「ふふっ
…
なんちゃって」
冗談だったらしい。
言われて、我に返った。俺は
…
なにをしようとしてた
…
?!
ア「
……
ラルフ先輩?大丈夫ですか、顔真っ赤ですよ?」
ラ「
………
ッ!!!??」
不覚だ
……
!
俺は、今、何を考えていた?
アルファの事
……
可愛いって
………
居てもたってもいられなくって、その場から去ろうとした。
ア「!
……
待って!」
アルファに後ろから抱きつかれる。
やめろやめろやめろやめろ
…
!
今の俺は冷静じゃない。何をするか自分でもわからない
…
!
ラ「
…
ッ!離せ
……
!!」
振りほどこうとした。
ア「僕
……
ラルフ先輩の事が、好きです
…
」
時が止まった。
ラ「
………
っ!」
ア「初めは
……
憧れてるだけだったんです。自分よりも大きくて、頼りになって、優しい
…
先輩を」
ア「先輩の事、知れば知るほど、もっと知りたくて
…
もっと仲良くなりたくて
………
気が付いたら、好きになってました」
ラ「
…………
」
ア「ルカ先輩の事も好きです。でも、ラルフ先輩に対する気持ちとは違う
……
僕の事、全部あげてもいいって思えるのはラルフ先輩しかいないんです
…
」
言いたいことは沢山あるのに、喉の奥で詰まって言い出せない。
アルファが
……
俺の事を、好き
……
?
沈黙が重い。
脳裏に竜の巣の記憶が蘇ってきた。
『迷惑でなければ、アルファと友達になってあげてね』
我に返った。そうだ
……
俺は
……
ラ「
………
ごめん」
ア「
……
っ!」
ラ「アルファの事は、嫌いじゃない。でも、その気持ちには答えられない。
……
竜の巣に行った時、お前の母さんに言われたんだ。『アルファと友達になってほしい』って
……
」
ア「!!!!!!!」
アルファの腕から力が抜けていく。
解放されて、アルファの方を振り向いた。
この世が終わったかのような、暗い
……
暗い、瞳だった。
ア「
…………
変な事言って
……
すいませんでした」
俺の姿なんて見えていない、夢遊病のような様子。
ア「
………
もう、ここには来ません」
ふいに、アルファは駆けだした。
俺は
……
後を追うことはできなかった。
アルファと別れて1週間が過ぎた。
中庭での昼食会がなくなった。それ以外、何も変わらない。
だが、俺の心はあの日の事をずっと引きずっていた。
本当にあれで良かったんだろうか。
告白の答えの可否ではない。
アルファは自分の言葉で紡いでくれた。
なのに、俺は
……
断る口実にアルファの母さんの言葉を利用してしまった。
あれは
……
俺の言葉じゃない。
とても、不誠実な事をしてしまった。
それだけを
……
深く、深く
…
後悔していた。
アルファと中庭で今後一緒に昼食をとらなくなったと告げた時、ルカは理由を聞いてこなかった。
なんとなく察してたのかもしれない。
もう一度アルファとちゃんと話がしたい。
だが
…
どんな顔をして会えばいい?
あんな別れ方をして
……
。
悶々と悩んでいると、ルカが声をかけてきた。
ルカ「
……
アルファくん、図書室にもこなくなったよ」
ラ「
……………
」
ル「あんまり口出ししたくないんだけどさ、一回会いに行ったら?」
ラ「
………
どのツラさげて会えばいいんだよ」
ル「そんなの、会ってから考えたら?ずっと、うじうじしてるくらいなら」
ラ「なんだと
……
ッ」
ル「顔に書いてあるよ。『アルファ君に会いたい』って」
ラ「!
………
」
ル「今さら、失うものなんてないでしょ?カッコつけてないで当たってくだけてきなよ」
好き勝手言ってくれる。
だが
……
確かにそうだ。
もう失うものなんてない。
放課後、部活を終え竜の巣へ向かった。
正直、緊張していた。
これまでの人生でここまで緊張したことはあっただろうか?
表情に緊張が出ているのか、すれ違う人たちが皆俺を避けていく。
知るか。どうだっていい。
目的地にたどり着くことだけ考えた。
踏切を渡って、竜の巣の前に差し掛かろうとした時、それが目にはいった。
アルファは以前見た時と同じように、制服にエプロンを着て接客していた。
だが、知らない男に絡まれている。穏やかではない雰囲気だ。
男「おい
……
どこに目ぇつけて歩いてんだよ
……
背広が汚れたじゃねぇか
…
」
ア「す、すいません
…
!」
男「謝って済んだら警察はいらねんだよッ!!!」
酒が入ってるのか、男は酷く興奮している。
バシッ
男がアルファを突き飛ばした。
ア「ッ!!!」
男「どいつもこいつも
…
謝れば全部済むと思ってるんじゃねぇよ!!オラッ」
男が馬乗りになって、アルファに殴りかかる
ア「痛ッ
…
!ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさい
…
ッ」
男の行動が更にエスカレートしていく。
考えるより先に身体が動いてた。
殴りかかる男の手首を掴んで捻り上げた
男「ッぐえ?!」
ラ「人に当たるんじゃねぇよ、酔っ払い。ソイツは謝ってるだろ。
……
酔いを醒ましてやろうか
…
?」
人を殺すつもりで睨め付けた感覚がある。
男は口をパクパクさせながら、慌てて逃げていった。
アルファは怯えて丸まっていた。様子がおかしい。
ラ「平気か
…
?」
肩に手を置こうとしたとき、アルファの身体が震えた。
ア「やだ
…
ッ!痛いよ
…
お父さん
…
っ」
ラ「!!」
母子家庭
……
今のアルファの様子
……
アルファは、父親に虐待されていたのか
……
怯えるアルファを安心させるように抱きしめた。
また、アルファが震えた。
ラ「大丈夫だ。もう、お前を傷つけるヤツはいない」
ア「
……
ラルフ
……
先輩
…
?どうして
……
」
漸くアルファが冷静さを取り戻した。
ラ「お前ともう一度話がしたい。俺の話を
…
きいてくれ」
ア「
………
」
アルファが小さく頷いた。
ラ「
……
俺
…
俺は、ホントは嬉しかった。アルファに好きって言われて
…
」
ア「!
………
」
ラ「お前と過ごす時間、お前の笑顔、全部
…
心地よかった」
ア「ウソ
……
だ
…
」
ラ「ごめんな
……
アルファは勇気を出して、俺に告白してくれたのに。俺は、臆病だから
……
アルファの母さんの言葉を利用しちまった。
……
ずっと、後悔してた」
ア「
…………
」
ラ「今さら、許してもらえないかもしれねぇ。でも
…
俺は
…
アルファの事が、好きだ」
ア「
………
ラルフ先輩
…
」
うるんだ瞳でアルファが見つめてくる。
キスがしたい。
と、思った時は唇を奪っていた。
とても、やわらかい
…
。
顔を離すと、夢見るような目でアルファがつぶやいた。
ア「
……
お母さんに、怒られちゃう
…
」
ラ「その時は、俺も一緒に怒られてやる」
もう一度、キスした。
俺の中がアルファで満たされていく
……
。
もう、絶対に、離さない。
END
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