片葉美みつお
2025-03-18 01:10:12
3506文字
Public オウシエ
 

2月14日

【⑥続き物】うちよそ学パロ文(我が家のオウカ♂と隼さん家のシエル君♂)
バレンタインの日、ラブレターを貰ったオウカをシエル君が見張る話。
※2人の学パロキャラクターシートを一読してから読むのをオススメします。
オウカ → https://bsky.app/profile/katabami320.bsky.social/post/3lewwja6yfk24
シエル君→ https://bsky.app/profile/51kk010ve.bsky.social/post/3lh23sj2kx22k

今日は朝からシエルの様子がオカシイ。

剣道部の朝練を終えて、部室を出たら、廊下でシエルが待っていた。
交際をはじめてからいつも場所問わずベタベタしてくるが、今まではそんな事はなかった。


まるで、『何か』を警戒しているような………


なんとなく、校内の様子がいつもより浮ついているというか、殺気立ってるというか………妙な雰囲気だ。
教室に向かう道すがら、気になっていることをシエルに聞いてみる。

オウカ「なぁ、今日って何かあるのか?部室に迎えにくるなんて今までなかったろ?」
シエル「……今日は2月14日だよ」

日付だけ言われてもピンとこない。
だが、コンビニの広告で2月14日は「バレンタイン」と書かれていた気がする。

オ「もしかして、今日が『バレンタイン』なのか?」
シ「そうだよ………

それと、部室に迎えにくることに何の関係があるんだろうか。

オ「……バレンタインってチョコ食う日じゃねぇのか?」
シ「そんな、七草がゆみたいに言わないでよ
オ「そういや昨日、妹がチョコを大量に作ってて、何回か味見させられたな
シ「吐いて。今すぐ、全部」
オ「吐けるかッ?!……なに、スネてんだよ

話を聞いてみても、何故部室まで迎えに来たのかまるでわからない

シ「さっきから気になってたんだけど、その紙袋……何?」

シエルが探るような眼で、紙袋を凝視している。
朝練が終わった後に、先輩から渡されたが中身はまだ確認していない。
そういえば、渡された時の様子がいつもと違った気がする……一体何が入っているんだ?

オ「ん?ああ朝練が終わった後に、先輩から渡されたんだよ」

言い終わるが早いかシエルが紙袋をオレの手からひったくった。

オ「あっ!おいオレもまだ、中身見てねーんだよ

制止したが、無視された。
まぁ、後ろめたいこともないし一緒に確認するか

紙袋の中には、手紙とラッピングされた小箱が入っていた。
シエルがオレの許可もとらずに手紙を勝手に読み始めている。やれやれ
後ろから、内容を確認することにした。


いつも一生懸命なオウカくんへ

ふふ、手紙なんて何年ぶりだろう。なんだか、ドキドキするね。
本当は、卒業するまでこの想いは秘めておこうと思ったんだけど、勇気を出して、告白することにしたよ。

オレにとって、剣道部は青春だった。それは今でも変わらない。
誰よりも強くなりたくて、部活で人一倍練習してきた自負はある。
大会でも、それなりの結果は出してきたと思う。

あの日、君が入部するまでは……

今でも覚えているよ。
1年生なのに、堂々としていて……君が竹刀を構えると、部室が神聖な空間に変わるんだ。
雑談している部員が黙ってしまうほどにね。

部内総当たり戦で、君と試合する前は大会よりも緊張したな。
他の部員との試合を見た後だったしね。

結果は君も知っての通り、オレの負けだ。
でも、不思議と悔しくなかったよ。格の違いを思い知らされたというか完敗だったしね。

それからかな、オレが君の事を目で追うようになったのは。

オウカ君は、オレを含め他の部員と見えている物が違う気がするんだ。
凄く強いのに、奢ることもないし、皆にも気さくで後、ちょっとおちゃめだよね。
持ってる道具袋に値札が付いたままの時もあったしあの時は、笑っちゃってごめんね。

長々とつらつら書いたけど本当に言いたいことは、この一言なんだ。

君が好きだ。

付き合って欲しい、だなんて高望みはしない。ただ……伝えたかったんだ。
次に会った時も、いつも通り接してほしい。

最後まで読んでくれてありがとう。これからも、よろしくね。


3年A組 モブケンより


シ「………え?男???」
オ「いや、『先輩』って言っただろ
シ「女子もいたでしょ!?剣道部に
オ「? まぁ、いるけど……基本的に男ばっかだぞ」
シ「…………
オ「オレの事、いつも気にかけてくれてさ。優しい先輩だよ」
シ「………あの、この手紙………ラブレターってわかってる?」
オ「ッッ?!!!!!」

ラブレター?!!モブケン先輩が????
そんなそぶりなかったけどなぁ……
オレが考え込んでいると、シエルがぼそぼそつぶやいていた。

シ「……ダメだ、この男。やっぱり、今日1日は監視していないと……

なんか、監視されるらしい。
一体、今日はなんだって言うんだ……

宣言通り、シエルは今日1日ずっとオレを監視するようだ。
便所に行くときも付いてくるし、片時も離れる気はない姿勢を見せている。
まぁ……普段も、べったりだが、今日は度が過ぎている。


やっと、放課後になった。なんだか、1日が長く感じる。

オ「おい……まさか、部室にも付いてくるのか?」
シ「悪い?」
オ「いいけど……お前に構ってやれないし、他のヤツの邪魔はするなよ?」
シ「わかってるよ……
オ「後、いい加減にモブケン先輩の紙袋を返せ」

ラブレターが入っていようが、先輩には世話になってる。
せめてお礼くらいは言いたい。

シ「……やだ」
オ「シエル……

オレは滅多に怒る事はないが、流石にこればかりは容認できない。
いくら恋人だろうと、オレにとって大切な物を渡す訳にはいかない。

シ「オウカは………俺が他の人にラブレターを貰っても気にならないの?嫌じゃないの??」
オ「なんだよ、急に……
シ「答えて」

気が付くとシエルが泣きそうな顔をしている。
オレが他人からラブレターを貰うの……そんなに嫌なのか。

オ「オレは気にしねぇよ」
シ「?!!!」

シエルの顔から血の気が引いていく。
今度は泣き出してしまった。

シ「ッ………!オウカは…………俺が、誰かにとられてもいいの……ッ?!」


なるほど……そういうことか。
これは、真面目に答えてやらないといけないみたいだ。


オ「シエルを信じてる……だから、お前が直接誰かに暴力を振るわれたり、襲われたりしない限りオレは干渉する気はない」

そうだ、関係ない。

誰がシエルにラブレターを渡そうが、チョコを渡そうが、色目を使おうが……
いままで築いてきた絆は赤の他人になんかに脅かされる物ではない。

シ「!…………………………オウカぁ…………

感極まってシエルが抱きついてきた。
とうに部活の時間になってしまったが、致し方ない。
シエルが落ち着くまで、黙って傍にいた。


ようやく、シエルがモブケン先輩の紙袋を返してくれた。
お礼を言って、部室に向かおうとしたが引き留められる。

シ「待って……俺も……渡したいものがある」
オ「……今じゃなきゃいけないのか?」

シ「すぐ『終わる』よ」

そう言い終えると、シエルは口に何かを含んでキスしてきた。

口の中にカカオの苦みと甘い風味が広がる。……これは、チョコレートか?

シ「残りは、部活の後……でね」

離れたシエルは、妖しく微笑んだ。コイツは時々すごく妖艶になる。
わざわざ、部活に行く前にチョコを渡したいのか……

オ「なんというか……お前、オレ以外の事考えないのか?」

シ「ッッ?!!!」

あ。なんか、めちゃくちゃ怒ってる気がする……

シ「…………オウカってホントにさぁ……いい加減にしないと怒るよ……?」
オ「もう、怒ってる気がするんだが……
シ「うるさいっっっ!!!!!」

案の定、大変ご立腹だ。こういう時は、刺激しない方がいい。

オ「き、気に障ったなら悪かったって……
シ「ダメ。許さないから。部活終わったら……俺の部屋、くるよね?」

「YES」以外の答えは受け付けない、という強い意志を感じる。
しかし、シエルの兄貴ルイス先輩ではなく、ライトさんという社会人のお兄さんはオレとシエルとの付き合いを快く思っていない。
この間、シエルに勉強を教わった日、帰りがけにすれ違ったが、かつてない殺気を感じた……

オ「え………いや、お前の兄貴がいるだろ?オレ、殺されるって……
シ「俺が殺してあげてもいいんだよ?」

目が本気だ。

オ「………骨は拾ってくれ

どうやら拒否権はないらしい。
いつもながら、何故オレがここまで責められなければいけないのか皆目見当がつかない

シ「そうそう、ちゃんと素直にしてれば優しくしてあげるからね
オ「……………

冷や汗が出てきた。今日は一体ナニされるんだ………

終わり