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片葉美みつお
2025-03-18 00:35:28
5505文字
Public
オウシエ
キミと静寂の中で
【④続き物】うちよそ学パロ文(我が家のオウカ♂と隼さん家のシエル君♂)
オウカとシエルくんが初デートする話。
※2人の学パロキャラクターシートを一読してから読むのをオススメします。
オウカ →
https://bsky.app/profile/katabami320.bsky.social/post/3lewwja6yfk24
シエル君→
https://bsky.app/profile/51kk010ve.bsky.social/post/3lh23sj2kx22k
モブ江「は~、今日もシエル君かっこいい~♥♥目の保養だわ~」
モブブ「美形とは思うけど、アタシはそんな好みじゃないかなぁ
…
なんか、ワガママそうだし
…
」
ホームルーム前、後ろの席に座っている女子達がシエルの噂をしている。
やっぱ、オレと違ってアイツモテるんだな。
なのに、どうしてオレ何かと付き合おうだなんて思ったんだか
…
。
みたいな事を以前口にしたら、めちゃくちゃ機嫌が悪くなって
………
うう
…
思い出したくねぇ
……
。
モブ江「あーヤダヤダ、彼氏がいる女の余裕ってヤツ?」
モブブ「別に
……
」
モブ江「結構、長いよね?何年目?」
モブブ「今月で3年目かな。流石にもう慣れたよ。初デートどこ行ったかも忘れたし
…
」
初デート
……
ねぇ。そういえば、シエルと付き合ってからそこそこ経つけど「デート」というヤツはしたことがない
…
。
なんで、最初から胸を揉まれたり、寝込み襲われなきゃいけねぇんだ
……
絶対にオカシイ。
モブ江「モブブって冷めてるよね~。私だったら、初デートは遊園地がいいな。」
モブブ「モブ江は夢見すぎだよ、アタシも彼氏も出不精だからそこまで遠出しないし
…
」
さっきから、この2人極端だな
……
どっちが一体普通なんだ
…
。
キーンコーンカーンコーン
……
ホームルーム開始の鐘が鳴った。
なんとなく、さっきの女子達の会話が頭から離れない。
シエルは「デート」に行きたいんだろうか。
後で聞いてみるか
……
。
1時限目の数学の授業が終わった。内容は全く頭に入ってなかったが、とりあえず牛乳を飲む。
席から椅子を移動させて、シエルが話しかけてきた。
シ「オウカ、また授業聞いてなかったよね?もうすぐ、中間テストなのに、そんな調子で大丈夫なの?」
オ「げ
……
そうだっけ」
シ「赤点採ったら、補習確定だから、部活に出れなくなると思うけど
……
あの
…
」
オ「ん?」
シ「今日、ライト兄さんが帰り遅いから
…
家に来ない?勉強見てあげる」
また、家に
……
。どうにも、コイツと家で2人きりになるのは不安しかない
……
。
雲行きが怪しくなってきたので、さっき訊こうとした話題を振ってみる。
オ「
……
シエルってさ」
シ「?」
オ「オレと『デート』したいとか思ってるか?」
シ「!!!」
オ「行きたいんなら、今週の土日部活も休みだし『デート』に行かないかって思ったんだけ
…
」
シ「行く!」
すごい食いつきだ。というか、声がでかい。談笑してたクラスメイトの視線が一斉にオレ達に集まった。
オ「お、落ち着けって
…
」
シ「行きたい~!どこ?どこに行くの?!」
オ「え
………
」
どこだろう。それを相談したくて話題に出したのだが、オレが決めなきゃいけないんだろうか。
シエルが目を輝かせてオレを見つめている。やはり、相談できる雰囲気ではなさそうだ。
頭に思い浮かんだ事を口にしてみた。
オ「ゆ
……
遊園地とかどうだ」
シ「遊園地?へぇ~
…
オウカにしては気の利いたチョイスだね」
オレにしては
……
ね。さっきの女子達の会話をそのまま口にしただけだが、シエルのお気に召したようだ。
シ「ふ~ん
…
そういえば、エルガドパークって今、イベントやってるもんね。もしかして、そこに行くの?」
オ「お
……
おう」
シ「そっかそっか
……
ふふ
…
じゃあ、当日楽しみにしててね」
オ「ああ
……
」
正直、エルガドパークも小学校の頃行ったきりで今どうなってるのかさっぱりわからないんだが
…
下調べしておかないとまたとんでもない目に遭う予感がする
……
。帰ったら、ネットで調べてみるか
…
。
ひとまず、家で2人きりになる事は回避できたぜ。あの女子達に感謝しねぇとな。
夕方
―
。部活を終えて帰宅する。
飯と風呂を済ませて、優等生なら中間テストの勉強でもするところを、無視してベッドで横になりながらスマートフォンを開く。
検索する内容は、エルガドパークのイベントについてだ。
ホームページを開くと、大層な煽り文句が目に付く。
「この春。もっと近づく、あの人との距離。「愛」のスタンプラリー開催中♥」
頭を抱えたくなった。
シエルはこのイベントについて知っているようだった
……
恥ずかしくて死にてぇ
…
!
しかし、行くと言ってしまった以上、この「愛のスタンプラリー」とやらに挑戦せざる得ないんだろう
…
。
なになに
…
どうやら、入口で台紙を貰って園内の各所を周るらしい。
まぁ
…
前向きに考えれば、やる事が指定されている以上却って悩まなくていいかもしれない。
イベント期間中は夜に花火も打ち上げているようだ。
ロマンチックなムードで恋人との時間を過ごしてください
…
と、恋人との時間って具体的になにするんだ
…
。
デートひとつとっても、情報が多すぎてめまいがした。
世の中の彼氏って苦労してんだな
…
。オレは心の中でそっと同情した。
そうこうしている内に約束していた土曜日になった。
最寄り駅でシエルと待ち合わせしている。
ほどなくして、シエルがやってきた。
シ「おはよ~。待った?」
オ「おはよう。そうでもねぇ
…
かな。」
考え事をしていたので、どの位待ったかわからなかった。
シエルは白ニットの下に黒のパーカーを重ねていて、下は黒のカーゴパンツ、靴は黒のローファーを履いていた。
シエルは脂肪が少ない細身の体型だが、着ている服装がゆるっとしたシルエットでぬいぐるみみたいに抱き心地が良さそうに見えた。
スタイルの良さもあって、雑誌やテレビで見るモデルみたいだ。
行き交う女がシエルをちらちら見ている。
シ「この服、この前買ったんだ~。似合う?」
オ「お前は見た目がいいから何でも似合うな。その辺の女より綺麗だ」
正直に思った事を口にしたら、シエルはちょっと顔を赤らめて照れているようだった。
機嫌が良くなったのか、オレの左腕に自分の腕を絡めてきた。
香水をつけているのか、ふわりといい匂いがした。
シ「ふふ
…
オウカも思ったより悪くないね。その服、自分で選んだの?」
オ「
……
妹がコレを着ていけって押し付けてきた」
オレは言われるがまま、グレーのシャツにモスグリーンのジャケットを羽織っている。下は、ブラック系のスラックスにくすんだ青色のスニーカーを履いている。
なんで、女ってのは人の事にアレコレ口出ししたがるかねぇ。
シエルはちょっと複雑そうな顔をしている
…
なんでだ。今悪くないって言ってたのに
…
。
その場にいると気まずい雰囲気になりそうだったので、エルガドパークへ移動を開始した。
駅に着くと、例のイベントの広告がそこかしこに飾られている。
周りもカップルが多い気がする。男2人が来るには場違いな気がした。
女1「ヤバ~
…
あの2人、どういう関係なんだろう?タイプが違ってどっちも良い
……
」
女2「一緒にイベントやるのかな?!神様、本当にありがとうございます
…
」
何故か知らんが拝まれてる気がする。
案外浮いていない
……
のか?
エルガドパークに着くころには、シエルの機嫌も直っていた。
というか、なんか得意げだ。お気に入りのおもちゃを自慢している子どものように見えた。
受付「高校生2枚ですね。ただいま、イベントを開催していますが、台紙はご入用でしょうか?」
オ「えっと
……
はい、2枚
……
」
わかっていた事だが、恥ずかしい。なんだこの仕打ちは
…
。
受「ここからまっすぐ進んだ先に撮影スポットがございますので、そこからスタートしてください。いってらっしゃいませ。」
あの受付
…
流石はプロだな。顔色一つ変えずに台紙を渡すとは
…
。
スタンプラリーは全部で8か所あるようだ。
撮影スポットで自撮り棒を持ったシエルがオレに密着しながら嬉々として撮影している。
体験型アトラクションにジェットコースター、遊覧船を模した船のようなものに乗ったり
…
あっという間に午前中が過ぎて、海の見えるカフェテラスで昼食をとることになった。
シ「は~~。楽しい
……
このスイーツも最高
…
」
オ「お前が満足してるようで良かったよ
…
」
シエルは言葉通りご満悦だ。
対して、オレはよくわからないまま慣れない場所を周って若干疲れていた。
後4か所もあるのか
……
部活とは違う疲れがある
…
。
しかし、シエルが喜んでいるようで良かった。
コイツは機嫌の良し悪しがコロコロ変わる。
オレは、気配りの出来る男じゃない。
もしかしたら、いつも不快な想いをさせているのではないか。
そう考えたら、今日位コイツの言いなりになっても良いだろう。
シ「オウカ、オウカ」
オ「ん?」
シ「はい、あ~~~ん」
食べているパフェから一口掬ってオレの口元に差し出してくる。
オ「
……
気に入ったんだろ?お前が全部食えよ」
シ「いいから、いいから」
何故か知らんが食べないといけないらしい。
差し出されたパフェを口に入れる。クリームの甘さと木の実の酸っぱさが口の中に広がる。
オ「
…
結構美味いな」
シ「
………
そこは、あ~~~んって言いながら食べるんだよ~~」
オ「
……
なんでだ?」
そんな指示は受けていない。
シエルはちょっとムッっとしている。また、機嫌を損ねてしまったらしい。わからん。
結局、シエルはアレコレ頼んでいたが食べきれずオレは残った分を処理する羽目になった。
アイツ全然食わないな
…
だから、あんな細いのか。少し心配になる。
春になったと言えど、まだ日が暮れるのは早い。
スタンプラリーも残すところあと一つとなった。長かった
…
。
オ「最後は、観覧車か
……
ってスゲー並んでる」
シ「もうすぐ、花火の時間だからね。観覧車の中で花火を眺めたいんでしょ」
オ「
……
やっぱり、並ぶのか?」
シ「とーぜん」
溜息を吐きたいのをぐっとこらえて長蛇の列の最後尾に並んだ。
やっぱ、世の彼氏はすげぇよ
…
。今日、何度思ったことだろう。
並んでいる間、手持無沙汰だ。
話しかけようとしたら、シエルはちょっと暗い顔をしていた。
オ「
……
どうした?やっぱ、並ぶのやめるか?」
シ「ううん
……
もう、今日が終わっちゃうんだなぁ
…
って」
オ「同じクラスなんだからまた会えるだろ」
シ「
……
オウカは寂しくないの?」
寂しい
……
。どうなんだろう。
確かに、色々大変な事もあったが、シエルの色々な表情が見れた。
思い返すと、楽しかった気がする。
オ「
……
そうだな。また、出かけようぜ」
シ「!
………
」
シエルが思いっきり抱きついてくる。
前々から思っていたが、コイツ
…
結構寂しがり屋というか甘えたがりだな。
ぽんぽん頭を撫でてやる。
シ「今度
……
一緒に買い物に行こう?俺がオウカの服を選んであげる」
オ「? ああ
…
お前はオレと違ってセンスがあるからな。その時は頼むよ」
そうこうしている内に順番が回ってきた。どうやら、花火が上がる前に乗れそうだ。
乗り込む際に、別のかご内でキスしているカップルの姿が見えた。
『ロマンチックなムードで恋人との時間を過ごしてください』
ふいに、ホームページの説明文を思い出した。
かご内に乗り、2人隣に座った。
静かだ
……
。
急にシエルが黙ってしまった。
観覧車はゆっくり回っている。
黙ったままなのに、不思議と心地いい。妙な感覚だ。
オレ達のかごが一番高い場所に着くころ、花火があがるのが見えた。
シエルの様子を見ると、花火ではなくオレを見つめている。
さっきのキスしていたカップルが脳裏によぎる。
身体を向きなおし、シエルのあごに手をかけて上を向かせる。
シエルは抵抗しなかった。
そのまま
……
そっとキスをした。
柔らかい唇の感触を感じる。
自分の恋人が、壊れ物のように思えた。
急に愛おしさがこみ上げてきて、両腕で抱きしめた。
シエルもオレに身を預けている。
花火が上がっているのに、結局まともに見ることはなかった。
抱き合っている内にアトラクションは終わってしまった。
最後のスタンプラリーを出口に持っていくと、白フクズクの雛を模したペアストラップを代わりに渡された。
シ「可愛い
……
」
オ「確かに
…
」
シ「オウカ、スマートフォン貸して」
オ「あ?今つけるのか
……
ほらよ」
シエルはいそいそとオレのスマートフォンに白フクズクのストラップをつけている。
スタンプラリーに挑戦した甲斐があったみたいだ。
シ「はい、オウカ。外さないでね」
オ「ああ
…
ありがとな」
なにはともあれ、無事に今日を乗り切ることが出来た
…
後は、シエルを家まで送って明日に備えよう。
ふいにシエルが抱きついてくる。
シ「ねぇ
…
オウカ
…
俺、したくなっちゃった」
オ「
………………
は?」
まずい。非常に嫌な予感がする。
シ「さっき、ラブホの看板が見えたよ。ちょっと休憩していこうよ~」
オ「え
……
それは
……
ほら、今日はもう遅いし
……
な?」
シ「ふぅ~~~ん、じゃあここで雄っぱい揉んじゃおうかな~~」
脇腹をまさぐられる。ヤバイ。
こんな公共の場で、あんな情けない姿を晒した日には生きていけない。
オ「う
………
わかったよ
…
」
シ「オウカはいい子だね~~。沢山可愛がってあげる♥」
シエルの機嫌が、別の方向に暴走してしまったようだ。
オレ
……
頑張ったのに
……
。
今晩もまた、好き放題されるんだろう。この世は無情だ。
結局、盛り上がって休憩じゃ済まなくなった為、朝帰りすることになった。
家に戻ると、家族がニヤニヤしている。
勘弁してくれ
………
。
終わり
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