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三毛田
2025-03-17 20:28:55
1069文字
Public
1000字3
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34 14. 歩調を合わせる
34日目
君と歩調を合わせ歩く
「丹恒。そこに段差があるから気をつけろ。その先には、観葉植物の鉢だ」
「穹」
鋭く俺を呼ぶ声に、言葉と共に足を止める。
「どうした?」
「俺は別に病人じゃない」
「うん」
「歩行が困難なほど、弱っているわけでもない」
「知ってる」
「なら」
「それでも、全快していないのは事実だろ? 少しでも弱っているなら、何がきっかけで倒れるかわからない。だから、俺はお前に合わせたい。障害を知らせる杖になりたい」
「
……
」
納得はいっていないものの、少しは俺の言葉に一理あると思ったようだ。
若干不服そうにしつつ、手を差し出せばそこに手を乗せてくれ。
仙舟で、本来の姿である飲月として力を奮ってから、どことなく体調が悪そうで。
依頼などがない時は、なるべく丹恒とともに居るようにしている。
前々から、資料室に閉じこもりっぱなしになったり、寝食も忘れて没頭している姿をよく見かけていたから。
「今は、監視役も兼ねているから」
「お前がそんな事する必要はどこにもないはずだ」
「うん。それは分かってる」
「なら」
「あのな、丹恒。大切な人を思いやるのに、心配するのに、理由なんて要らないんだ」
ただのエゴだって、自分でもわかってる。それでも、彼が心配で仕方ないのだ。
俺だけじゃない。他のみんなだって、彼を心配している。でも、あまり何も言わない。
それは、俺が率先して構っているっていうのもあるけど。
「
……
穹」
「なんだ?」
「本来なら、俺はお前を強く突っぱねないといけないのだろう。だが、その
……
」
「うん」
「ここ最近、お前に相手をしてもらえるのが、嬉しかったりする」
「うん! 抱きしめていい?」
丹恒の口からそんな言葉が出るとは思わず、驚いたのを誤魔化そうとそう問いかけ。
「あまり強く抱きしめないでくれるなら」
「努力します」
そっと背中に腕を回し、抱きしめる。
恐る恐る、背中に手が回されて。
「あの時、お前がいてくれてよかった。あの姿に、何も言わなかったのが、嬉しかった」
「うん」
「お前が、好きだ」
「嬉しい」
強く抱きしめすぎないよう、自制しないといけない。
「キスしたい」
「それはまだ早い」
とは言っても、離れていく素振りはなく。
「丹恒の気持ちの整理がついたら、俺の部屋に来て。キスしよう」
耳元で囁くと、首を真っ赤にしながら頷いてくれた。
「お前ら、オレがいるのを忘れておるな」
「わっ」
パムの声に、丹恒は俺を突き飛ばす。まあ、こうするだけの元気があるならいいことだ。
「悪い、パム」
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