とん、と、心地良い重さが左肩に落ちる。縁側の隣に座っていた藍桐がこちらに体重を預けてきたのだ。左手には藍桐の右手が重なっている。薬品で荒れているが、指先まで温かい勤勉な男の手だ。
肩口の藍桐は細い目を閉じて頬を緩め唇は弧を描いている。幸せそうな表情だ。この緩やかな触れ合いを十全に享受している。右手で藍桐の喉をくすぐると藍桐は目を開き、甘い笑いをこぼす。
「僕は猫じゃないよ!」
藍桐は猫じゃないと言いながら、こそばゆさに身を委ね、くつくつと笑い続ける。
本来、藍桐にとってこの程度の触れ合いで十分に幸せを感じられるのだろう。彼にとって身体を重ねることは友情にも愛にも必要なことではない。だが。
(私は、藍桐の全てが欲しい。この身体を暴いて、辱めて、私の体温がなければ生きていけないようにしたい)
なんて身勝手な愛だろうか。いや、愛と呼べるのかすら確かではない。それでも、熱と情動は
間違いなくこの身に宿っている。
戯れをやめて、藍桐を押し倒す。藍桐は驚いた様子だが、抵抗はしなかった。
「无諦、せめて寝室で……」
「いや待てない」
「もう、无諦のすけべ……んっ」
唇を強引に奪い、口内を蹂躙する。奪った体温は自分よりずっと熱を孕んでいた。
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.