11155.
2021-06-09 23:54:40
3656文字
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笑う貴方の右隣に

前回の謙蛍から2組目の介結書きました~めっちゃほのぼのして欲しいと思いお昼寝テーマと中の人タイトル「笑っててくれ」で作成。同じくこちらも口付け表現は多めなのでご容赦ください( ˇωˇ )
この二人は探りながらだけどなんかゆっくりしてて良いね…!

笑う貴方の右隣に
 
 ある晴れた昼下がり。あたたかな陽射しで照らされたリビング。やわらかな色味のパールグレイに染まるソファーには静かに寝息をたてている一人と二匹の猫がいた。深く腰掛けるその人物の両膝に投げ出すように体を伸ばしている猫たちは収まりきれていない格好で思い思いに乗っかている。でもそこの場所が良いんだと言うように動こうともせずスヤスヤと寝ていた。
……ふふ、静かだと思ったら皆でここに居たのね?」
 部屋の奥からそぉっと近づき、起こさないよう一際小さな声で呟く。その彼女の後を追うようにトコトコと艶やかな黒い猫が現れた。同じように覗こうとしたのかソファーにひょいっと登る。ソファーにいる人と猫をちらっと見たあと、そのまま目線が同じになる飼い主ににゃーと鳴きながら頬を擦り寄せる。
「クロ、皆ここにいたよ? クロもゆっくりしようか?」
 のど元を優しく撫でていくと嬉しそうにゴロゴロと音を響かせていた。飼い主である、結は撫でながら腰から優しく黒猫を抱えると、寝ている彼の右隣にそっと座る。彼女は猫が寛げるようにと自分の膝に降ろし、コロンと横になるクロに目を細め微笑む。
「今日は天気も良くて、すごいお昼寝日和だもんね。シロもすずも丸介くんの上で寝てるし……ふふふ、うん、仲良くて嬉しいなぁ」
 ふと横を見ると深く被るフードの下には普段ではあまり見られない素顔の丸介がある。呼吸に合わせ少し上下にまつ毛を震わせていた。
「少しは慣れたかな。カラーコーンって重そうだから被らない時が増えたら良いなとは思ってるけど……外は難しくても私の家でもこうやって過ごせる様になったんだって思って良いの、かな?」
 眉を下げながら微笑む結はそっと手の甲で彼の右頬を撫でる。
……こんなに綺麗なのに……ううん、今も十分素敵だもんね。好きだよ」
 このまま耳にかけてすっと撫でるとうーんと丸介が声を出す。一瞬起きたのかとビクッと固まる結だが、そのまますやすやと寝息を立てる彼にほっと安堵する。
……お、起こしちゃったのかとびっくりした……! せっかく寝てるから邪魔しないようにしないとね……
 少し離れ様子を見ていると、そんな彼は気持ち自分の方へ傾いてる様に見える。体ごとだが気になる結はそうだとソファーの上にあるクッションを一つ手に取り、丸介の首元近くに置く。背もたれと背中の間に挟み込むように。
「これで少しは楽になるかな? まあ座って寝てる体勢だからそんな変わらないかもなんだけど」
 結はふふっと笑いながら、まあ自分はよくやったと褒めておく。しばらくじーと眺めていると、少し傾きが直ったような気がする丸介は体勢を直したいのかさらに深く沈むように体を動かし出す。お、なんだなんだと膝の上にいた白猫のシロとハチワレのすずが起き出してきた。
「あ、こっちおいで~なんか丸介くん向き変えるみたいだから」
 彼の膝から隣の結の方へ移動し始める二匹。クロも動き出す雰囲気に目を開け、様子を見ていた。ただ動かないのはまだまだ寝足りないようだ。
「えっと、丸介くんはどうしたいんだろう?私も動いた方が良いかな?」
 そう悩んでいると、丸介はまだ納得できないようで体を捻ったり横に揺らしたりしている。あまりにも動くので猫たちも気になり出し、じーと見つめている。
「あ、えっ、皆見てるの? ちょっ……あはは、そんなに気になるの……!」
 声を抑えながら笑う結。一方で丸介はまだ寝る体勢を決めかねていた。
「うーん、じゃあこれなら……どうかな?」
 彼の両肩を軽く掴み、声をかける。
「丸介くん、ちょっと横になってみて?」
……う、ん?……ん」
 まだ意識が曖昧なようで返事のような、そうではないような声が返ってくる。ただこちらに倒れるよう手に力を入れるとその動きに合わせて素直に体が向きを変える。そのまま結の方向へ倒れると、膝の上に彼の頭が乗っている体勢になった。外れそうになったフードを結はそっと深く被り直す。彼がいつも痛々しい左側が見えないようにしているから。そして倒れると同時に猫たちも潰されないようにと少し離れ様子を伺う。
「これで少しは満足しましたか?」
………ん、すこ、し……
「なら良かった。座ってるさっきのよりは寝やすいと思うよ。ゆっくりしてて良いからね」
 彼の頭をフード越しにゆっくり撫でる。気持ちよさそうに目をつぶる丸介に見ている彼女まで胸いっぱいに幸せを感じていた。背が高い彼の足はソファーからはみ出しているものの何とか横にはなれているようだ。右足は床につけているがそこまでつらそうでは無さそうに見える。他に大丈夫かときょろきょろしていると、スンスンと丸介の顔に近づくすず。
「邪魔しちゃダメだよ。ほら、こっちなら……
 言いかけていると今度はシロがぬっと間に割って入り、顔は綺麗に避けるが胸やお腹には無遠慮に踏みつけていきながら通り過ぎる。同じくクロも。
「うっ……
「あ、あっ、大丈夫……??」
 最初の衝撃で少し声を漏らす彼だが、その後は平気のようで結の方へ寝返りを打つとそのまま動かなくなった。気にせず通り過ぎた二匹はどうやら丸介と背もたれの隙間に落ち着いたらしくそこで丸くなりだした。
「もう……!わざわざ踏まなくても良いのに……ごめんね。丸介くん……すず、お前もこっち来る?運ぼうか?」
 すずは結の手に擦り寄るとそのまま、彼女の横で丸くなった。どうやら飼い主の隣で良いらしい。
「すずは良い子だね。ここでゆっくりしててね」
 そう声をかけながら、ハチワレのおでこから背中、腰までゆっくりと何度も撫でていく。嬉しそうににゃーと鳴くとまた顔ごとうずくめ丸くなるすず。……すると、もぞもぞと動く感じがする。膝に目を向けると目をぱちぱちさせながら下から覗き込む彼がいた。
…………ゆ、いさ……ん?……
「起こしちゃったかな? ごめんね、邪魔しないようにはしてたんだけど」
……あ、いや……大丈夫っス……うん?寝てたんスか?……おれ?」
 まだ状況が掴めていないのか、ゆっくり話す丸介。その様子が可愛くてまた頭を撫でていく。
「少しだけね? 眠いならまだ寝てて良いよ? お昼寝気持ちいいもんね」
「そ、んな……結さんは、寝ないんスか?」
「うん?私は大丈夫だよ? 丸介くんの寝顔みてたいし」
……そんな、申し訳、ないっス……今もなんか……あれ?……結さん上っスね……?」
 話していく内に何となく意識がはっきりしてきたようだ。この体勢に疑問を持ち出した丸介に結は思わずふふと笑ってしまう。
「気にしなくて良いよ。寝づらそうだったから横になってもらったの。私の膝上で寝づらかったらごめんね?」
「あ、いや、そんなことはっないっス……!やわらかい、なと……思ったぐらいで……!」
「首が痛いとかじゃなければ良かった」
 慌てだす彼に大丈夫?と聞きながら、そっと右瞼に口付けを落とす。
「好きだよ。休める時は気にせず休んでね」
「結さん……俺も、好きっス……!」
「うん!」
 えへへと笑う丸介にもう可愛いなぁと結は癒されていた、その時に彼の手が結の頭の後ろに回される。えっと思っていると丸介の目が近い距離にあり目線が外せなくなる。
「結さん……もっと、したいっス」
 そう告げると結の頬に鼻に瞼に口付けを落としていく。たくさんの啄むような口付けを重ねる。
……ま、丸介くん……?」
「まだ足りないから……良いっスか?」
 目を細め微笑む彼に思わず耳まで染める結。
「可愛いっス……ね?」
……うっ、丸介く、んがしたいなら……良いよ」
「良かったっス🌸 目の前に結さんがいて嬉しいっス!」
 ぱぁと嬉しそうに話すと、結の耳からぴょんと跳ねている髪を耳の後ろに流し赤く染った耳をそっと唇で触れていく。たくさん、たくさんの彼の優しい口付けに彼女の胸の高鳴りは相手に聞こえるのではないかと思う程バクバクと響くばかりだった。
 
 
 
 
 おまけ
 周りにいた猫たちはじっと二人を見ていた。
……あ、うちの子たちに見られ、てる?」
「うん?あ、本当っスね!」
「う、なんか恥ずかしい……そんな、人見ても面白くないと、思うのに
 思わず呟く結。
「そうなんっスか?」
 グイッと顔の近くに持ってくると、両手で包むように彼女の頭を抱える。
「ならこれなら見れないっすよね? 俺だけっス🌸」
「ま、丸介くん……!」
「結さん! また教えてください🌸」
 今度は彼と彼女の唇が静かにでも何度も重なり合う。
 
 結さんはただ笑う丸介くんが居るだけで幸せだもんなって思って書いてみました。尊い~~~猫も盛りだくさんで中の人的には満足です。



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