11155.
2021-03-27 21:41:35
5857文字
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結さんと蛍の恋バナ/ミントティーを注いだ時に

介結みたいから結さんが丸介くんを意識し始める恋バナ書くかとなったのがこの短編。

呟き元はこちら~
https://twitter.com/11155moon/status/1368516896153243657?s=21

結さんと蛍の恋バナ

「いらっしゃいませ。あ、蛍ちゃん~!こっちこっち!」
「結さん!元気~?」
 カランカランとお店のドアが開く。今日はお休みなので久しぶりに近所の蛍ちゃんとお話をすることになった。こういう時実家がカフェだとゆっくりできて良いなぁと紅茶と季節のフルーツタルトを用意して、蛍の席に結さんが向かう。
「お休みなのにお店ありがとう~!仕事場から近いのは助かる~」
「いえいえ。こっちもゆっくり話したいなぁと思ってたから来てくれて嬉しい」
「えへへ、私も休みだし周り気にせず話せるのは嬉しいな。結さんのケーキも好きだし」
 パクッと一口目を食べる蛍。無邪気に美味しい~と言っている蛍を見ながら結さんはふふふと笑う。
「あー、実ちゃんも休みだったらなあ。結さんとも話したがってたよ~」
「学生さんは平日は忙しいからね~また今度皆でわいわいしよ。すずめちゃんも呼んで。ここじゃないカフェでも良いし」
「うん!またいつものメンバーでお喋りしよう。来月の土日どっか空いてたはず」
「楽しみがまた出来たね」
 ざっくばらんに話していく。最近の仕事や可愛い服を買った、気になるカフェがあるなど互いに報告しあう。二杯目の紅茶もなくなろうとした時、ふと結さんから言葉がこぼれる
……丸介くん今日は道場のお手伝いしてるのかな
「うん?丸介くん??丸介くんって鈴木さん宅の男の子?」
「えっ、あ!そうそう!その子~ちょっと旅行で知り合ってからお店来てくれるようになって。ショートケーキがお気に入りみたい」
「そんなに仲良かったんだ!実ちゃんが鈴木さん宅の鈴丸くんと仲良くて、弟みたいって丸介くん言ってたよ~ふふ、三人で買い物いく姿は兄弟みたいで微笑ましかったなぁ」
「そうなの~!それは見てみたい~」
 紅茶を置くと蛍が切り出す
「で、その丸介くんがどうしたの?珍しいじゃん。女子以外の知り合いできるの。てかこうやって話題にするの~」
「え、いや、ちょっと思い出しただけで。ちょっと勉強のお手伝い、家庭教師程じゃないけど教えてて。道場のお手伝いしながらも勉強してる子だし、素直だし良い子だなァって思ってるだけで。どうしてるのかなと……って何その顔!なんでもないって!」
 蛍がにやにやとあたふたしている結さんを見ている。
「いや、めちゃくちゃ印象強いカラーコーンより素直だとかよく見てるなぁと思って~」
 顔が赤くなってくるのを感じる結さん。意味もなくただ指摘されて恥ずかしくなっているだけだと思いつつ
……一生懸命頑張ってる子がいたら、気になるでしょ!!それと一緒!」
「えー、絶対気になってるじゃん!恋??好きなの??」
「え、年の差もあるし……!」
 もう違うよ!と言っている結さんに、ふと思いつく蛍。
「じゃあ実ちゃんと丸介くんが特に仲良いの知ってる?何となくだけど鈴丸くんと仲良いとはなんか違うんだよね~」
「え、そうなんだ……まあ年も近いしね」
「よく一緒に出かけるし、実ちゃんも満更じゃないんじゃないかなぁ。いや、やっとあの子もかな」
……うん、お、似合いだと思うよ。元気な実ちゃんに面倒見良い丸介くんとか」
 少し声が詰まる。胸が変な気がする。えっと、戸惑ってる結さんを横目に蛍が続ける
「ご近所さんで仲良いし、実ちゃん運動神経良かったり、幼い頃から道場手伝ったりしてるから周りも期待してるんだよね~特に親たちが」
……え!」と思わず声が出る結さん。そんな結さんを見た蛍が思わず
……もう、そんな顔して。結さんも素直じゃないんだから。全部嘘だよ。仲良いのは本当だけどあれは絶対弟だね。異性の仲じゃないよ~」
 ふぇ!っと結さんが反応する。悲しそうな顔の結さんの顔を蛍が両手で包む。
「ごめんね。意地悪しすぎた。私はさ、気づくの遅かったから少し後悔してて……結さんが想う気持ちを一番に応援してるよ」
「そんな……蛍ちゃんは謙之介さんとあんな仲良かったのに?」
「うん。近過ぎたのもあるけど、自分が誰かを好きになるって考えられなくて無意識に避けてたのかも。しかも謙おじさんってからかってた相手だし家族みたいな人だったからさぁ。まあ可愛いとはずっと思ってたけど……
 思い出し笑いをする蛍。恥ずかしそうなでも幸せそうな蛍を結さんが見つめていると、蛍のキラキラな目が合う。
「で!!どこが好きなの?良いなって思ったところは?カラーコーン外したところ見たことあるの??」
「え、いや!ちょっと待って!そんな急に聞かれても!」
「いやいや!絶対何か感じてるでしょ?周りに恋バナとか話せる人本当に居なくて~すずめちゃんとかぐらいしか居ないからさ~嬉しくて!」
 わーわー言いながら、お互いに思わず吹き出す。もうさっきまでの落差に笑ってしまう。
「意地悪な蛍ちゃんにどうしようかな~」
「え!!!本当にごめんなさい!ごめん!調子乗りました!!」
「これでおあいこね。蛍ちゃんも恋バナ聞かせてね」
……結さん!じゃあ紅茶入れるね!どれが良い?そろそろ味変える?お金はもちろん出すから!」
「じゃあ、ミントティーにしようかな。甘い話が聞けるから」
「えっ!えっと結さんも話すんだからね……?」
「そうね。でもまずは恋人同士の惚気が聞きたいなと思って」
!もう!結さんの意地悪!たくさん結さんの真っ赤な顔見るんだから覚悟してよね!」
「ふふっ、楽しみにしてるね。蛍ちゃんの照れ顔も」
 真っ赤な顔の蛍に思わず笑顔がこぼれる結さん。
 こんなに自分の気持ちに触れるのも想いを出すのも久しぶりだなと思いつつ、丸介くんの顔が思い浮かぶ。
「これが、恋なのかな。だったら嬉しいなぁ……
 と一人つぶやく。
「結さーん!これどこ置いとけば良い?」
「えっとね、今から向かうからちょっと待ってね~」
 はーい!の声と笑い声がこだまするカフェ。まだまだ積もる話が尽きない二人はお喋りの準備をする。














ミントティーを注いだ時に

 ミントティーを注いでくれる蛍に、結さんがふと思った質問を投げる。
「さっき気づくの遅かったって言ってたけど、どの時に好きだなって気づいたの?」
「えっ……!えっと、恥ずかしながら告白された時に……
「そうなの!!それは確かに遅い方だね……!仲良かったからそれより前から好きを自覚してるのかと思ってた~」
「えへへ、それが本当に気づかなくて。その家族愛と異性の好きが分からなかったんだと思うけど今思えば、気づかないように自分の気持ちを避けてたのかもなぁって……
 席に座り入れたミントティーを一口含む。蛍は懐かしいなって言いながら続ける。
「告白は泣くほど嬉しかったし、その時に本当に好きなんだって。傍に居るだけじゃ足りなかったんだなぁって……あー、恥ずかしいなぁ」
「そうなんだ~良いね。甘酸っぱいなぁ。こっちまで顔熱くなってきちゃった~」
 お互いに手をパタパタと涼む形をとる。少し笑い合いながら
「慣れないね!お互いに自分の恋バナでは盛り上がらなかったというか、相談に近かったからね~こんな日が来るとは」
 しみじみ蛍が話す。
「そうね~私も人並みに恋はしたし恋人もいたけど悲しい気持ちもあったからなぁ。ちょっとおばあちゃんになってから話すようなこと話してるね」
 ふふと笑いあった後に
「まあ、だから蛍ちゃんの自分の気持ちを避けてたってのはわかる気がする。怖いもん。相手が受け入れてくれなかったらとか今の関係が終わるんじゃないかって」
「そうそう。今の関係が良過ぎたのもあったかも。関係が変わるのが怖くてこのままご近所さんの立場に甘えたかったのかなぁ」
「あー、なるほど~私も今それかな。丸介くんが笑ってくれる、話が出来る近所のお姉さんポジション。心地よいんだろうな。後は好きになるとしても気になるのは普通に年の差かな……
「近い存在だし傍には居られるもんね。もう年の差は私は下だからか気にしてない方だったけど、相手にはされないんだろうなぁとは漠然と思ってたかも」
 蛍が共感する。結さんもそうなんだね~と返しながら、蛍がにやにやしているのを横目に見る。
「やっぱり、気になってるじゃん~ね!私話したから結さんの丸介くんが好きなところ教えて!」
「ちょっと、好きとか!うー、まあここまできたら好きになるのかなぁ。まだちょっと親心だと思うんだけど……
「ほぼ確定だと思うけどな~私と結さんちょっと考え方似てるから。まあ気軽にここ良いなって良い子だなって思うところは?それならあるでしょ?」
 飲んでたミントティーを少しこぼしそうになる結さん。楽しそうな蛍に結さんは口元を拭きながら答える。
「似てるのは否定しないかな。うーん、それぐらいなら。いつも元気に挨拶してくれるとか、猫が好きで頑張って通ってる、頑張って勉強してる、傍に居ると癒されるかなぁ。まあ応援したくなるくらい健気な良い子って思ってる感じだと、思うよ」
「うんうん、めっちゃ出てくるじゃん~結さんからこんなに褒められるなんて丸介くんが羨ましいなぁ」
「もう!答えたから良いでしょ!次、蛍ちゃん!謙之介さんの好きのところあげてください!参考にしますので!」
「ちょっ!そんな拗ねないで……!ごめんって!」
 蛍が虐めすぎたと謝る。答えるから許してと。
「えー、謙之介さんの好きなところは……えっと。いざ考えると悩むなぁ。一言で言うなら、可愛いところかな?」
「可愛い?蛍ちゃんは本当に変わらないね。年上の方で可愛いは凄いなって個人的に思うけど。具体的には?」
「うーん、反応がかな?こう、焦りながらでも乱暴に言うんじゃなくてこっち気にしながら言ってくれるんだよね。様子見てる感じ。んで素直に答えてくれる時は嬉しくて胸がきゅ~って感じがする。うん」
「胸が苦しくなるんだ~!そうね。相手が甘えてくれる時はこう嬉しいのはわかる。うんうん」
「そう!切ない感じもあるけど嬉しいんだよね~あ、後なんか目線が外せなくなる感じある。こう目の前で守ってくれた時と真剣な顔の時。上手く言えないけど、多分、格好いいって思う時だと思う……
 甘い……!と戸惑いながら言葉を探してる蛍を見ながら結さんは呟く。いいなぁと蛍を見つめる。
……謙之介さん凄いなぁ。あの蛍ちゃんから可愛いから格好いいまで言わせてるんだから。好きなんだね」
「あのとはなんですか!もう、恋バナは昔からしてたじゃん!……そりゃあ、好きだから(小声)」
「うん、今までで一番可愛いよ。蛍ちゃん、キラキラしてる」
「まっ!!!!待って、結さん、それ他の人に言っちゃダメだからね!女の子でもその表情で言われたらどきどきする……!色んな意味で!!」
「え?綺麗だなって思って言っただけだけど……
「ぅ、素直な言葉が一番威力高いんだと思うよ……とりあえず、私答えたから結さんも正直に答えてね!」
 あ、やり過ぎたかなって正直思いながら「は~い」と返事をする結さん。
「丸介くんの格好いいところは?ドキってした所でも良いよ。癒されるって言ってたから笑顔とかで結さんならドキってしそう~」
「何だか急にきたな~!うーん、……守ってくれた背中?かな??」
「おー!丸介くんすごいな!それは格好いい~さすが空手やってるだけあるね~!」
「そ、そうなんだよね。……後、ケーキをもらって嬉しそうに食べてるところ……は素直に嬉しい」
「うんうん。あ、その時の顔がとか?」
「いや、カラーコーンはしたままが多いんだけど」
「え!?!カラーコーンしたままケーキ食べてるの!??」
「あ、うん。何故か器用に食べてて逆に凄いなぁってなってる」
「それは凄いな~!うん?なら本当に声とかで気になってるの??イケメンだからとかではなく?」
「うーん、そうなるのかな?カラーコーンしてるのも大変そうだし何より理由がやっぱりあるみたいだからさ」
「大人だ~まあ人に踏み込まれたくない話とかはあるもんね。逆に目立ってるけど」
「そうね。……そんな、素直な頑張ってる年下の子がいたらお姉さんは応援したくなっちゃうわけですよ~」
 一度だけ近くで素顔見ちゃったしね……ボソッと呟く結さん。気づかないまま蛍が嬉しそうな顔で話す。
「なるほどね~で、結さんの前では外してくれたら良いのにとか思ってるわけね~」
「え、まあ。気軽に過ごせる様になったら嬉しいとは思うけど?」
「はっ、素で返された……!それはもう愛の域いってない???」
「うん?はは、だから親心だと思うんだけどな~」
「いや、でもさっきの顔は乙女の顔だった!断言しても良い!」
「え!?!な、何が???」
「うんうん。良いなって思ってるところ話してる時とか最初の意地悪した時の悲しい顔とか、ね?」
 顔が熱くなるのを感じ、思わず両手で顔を隠そうとする結さん。
……!!あっあれは、その、だって……
「えへへへ、可愛いぞ~結さん~」
「もう……今日、何か違うって気づいただけで勘弁してぇ……
「良いね!ドキドキするね~!」
……蛍ちゃんも?」
「そうだよ~結さんがここまで話してくれるの久しぶりなのもあるけど、こっちも普段話さないこと話してるんだからね。まあ結さんの気になる子はカラーコーン被ってる子だけど」
 目をぱちぱちしてる結さんが、思わず笑ってしまう。
……!確かに、なんか今更ながらシュールだね……!」
「ちょっ!笑わないでよ!こっちまでつられるじゃん!」
 どっとお腹抱えながら笑う二人。もう猫があくびするだけで笑えてしまう。ひとしきり笑ったあと
「はー、やっぱり恋バナは私たちにはレベル高いわ」
「ふふ、もう恋人も居るのにそんなことないでしょ~私には、ふっ、カラーコーンの良い子が遊びに来てくれ、る、ぐらいしか出会いないけど……
「笑ってるじゃん……!堪えられてないし……!」
 ミントティー入れ直すよ!と蛍が結さんのカップを手に持つ。ありがとうと応える結さんはどこか愛おしいような、このままこの時間がずっと続けば良いのにと思いながら、蛍が注ぐミントティーを見つめている。








 追記

 その後暫くは二人はカラーコーンを見かけるたび、笑いをこられるのに苦労していた。