ぽふむん
2025-03-15 22:43:12
878文字
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花開け

#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「インク」をお借りしました。
実はこの日3/14をイメージしてます。
形見分けも済んで、譲り受けた遺品でどしの戦の回想メモを書いているカナヲです。
童磨って、上陸と上弐のとき別人のようですが、しのぶちゃん吸収前と後もなんかキャラが違うし……本当の童磨って冥界で初めて出てきたんじゃないかなと

今日は日差しが暖かい。
窓を開けていると、爽やかだが少し埃っぽい風が通り抜けていく。
「くしゅん」
ひとつクシャミをしながら、一人の少女がガラスペンにインクを吸わせ、書を認めていた。

この少女の片目は濁っている。
失明したから 。
だから、書く時の姿勢がおかしい。

失明していない方の目を使い、熱心に文字を書く。
大事なガラスペンで。
これは、大好きだった姉のように慕った娘の遺品のひとつ。
四十九日を終え、蝶屋敷の娘たちに配られた遺品。
万年筆より、こちらの方が気に入っていたらしい。
虹色に輝くギヤマンのペン。
それで、熱心に字を書く。
気持ちの整理の為に。

時の流れというのは早いもの。
あれからもう三ヶ月経とうとしている。
今年の正月は、多くの同朋の死んだ日でもある。

血は繋がっていないが、姉のように思っていた娘の命日でもある。

遺体どころか、髪一筋も残さず鬼とひとつになり逝った姉。

姉が中にいるというのに、その身体を首を斬れと言った姉。

自分自身は姉のように思っていた。
だけど
姉はきっと、そんな事思っていなかったのだろう。
あくまでも弟子。継子の一人でしか無かったのだろう。
だから、あんな残酷なことを頼めたんだ。

あの鬼を斬るということは、姉を斬ることでもある。

そう感じた

だって

しのぶを吸収している時と後

人が……鬼が違ったから。

カナヲの目にはそう映った。

あの鬼は……人形だ。

女を……感情を人格を食う鬼。

だからカナヲは、あの鬼を完全に無視し、中にいるしのぶを罵った。

カナエさんの真似をしていたけど、本当のしのぶは怒りやすい激情家だと知っていたから。

(ほら、怒った
それとも、怒ったのは無視された鬼さんの方?

どうでもいいよ。どちらでも。

ほら、約束通り斬ってあげた)

今まで見てきたことをひたすら書いた。
しのぶが生前記した研究メモと一緒にその紙を庭に持っていき

火をつけた


煙が空に昇って行く。

必勝桜のつぼみが膨らんでいる

間もなく花開く